トランプ米大統領が、ヘグセス国防長官に対し、怒りを爆発させたという。米紙ワシントン・ポストが5日伝えている。

理由は、対イラン戦争をめぐり、兵器が枯渇してしまったことだ。7月31日、閣議でのやりとりだという。


 トランプ大統領は翌8月1日、検討していたイランへの大規模攻撃の中止を表明している。兵器の枯渇が一因だったとされている。


 実際、米軍の兵器が底を突きかけているのは間違いない。ロイター通信(4日)によると、遠方から精密な攻撃が可能な「エイタクムス」と「プリズム」の2種類の地対地ミサイルの大半を使い切り、巡航ミサイル「トマホーク」も半数近くを使ってしまったという。


 CNNによると、ミサイル備蓄について、米軍高官は「危険なほど低水準にある」と警告している。再びイランを攻撃する場合、リスクの高い有人機による空爆に頼らざるを得なくなるということだ。


 それにしても、なぜ世界一の軍事大国アメリカが、兵器枯渇という事態に陥っているのか。


 元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。


「以前からアメリカは、兵器産業の生産能力の低下が懸念されていました。それに、もともと二正面作戦は難しいと指摘されていたのに、ウクライナに兵器を供給しながら、イランと戦うという事実上の二正面作戦になってしまった。

大きかったのは、戦争の長期化と戦線の拡大です。当初、2週間で終わるとされた戦争は5カ月あまりになり、空爆目標もイラン南部にまで拡大してしまった。その結果、兵器が枯渇してしまったのでしょう」


 武器・弾薬が尽きれば、戦争継続は難しくなる。いずれトランプ大統領は、戦争終結を宣言せざるを得なくなる可能性がある。


 それでなくても、原油価格が高騰したこともあって、アメリカ国民の半数以上が「軍事行動を起こす価値はなかった」と否定的にみている。サウジやUAEなどの湾岸諸国も、「イラン再攻撃」に対してノーの意思表示をしている。


 いまやトランプ大統領には、「兵器枯渇」「原油高騰」「湾岸諸国の反対」と、戦争をつづけるには3つの壁がある。


「トランプ大統領は、アメリカ建国250年の前にでも『勝利宣言』して戦争をやめてしまえばよかったのではないか」(孫崎享氏)


 最初から益のない戦争だったのではないか。


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