告示まで2週間となった沖縄県知事選(9月13日投開票)は、内閣支持率急落に直面する高市政権のレームダック化を決定づける可能性が出てきた。3選を目指す玉城デニー知事(66)、自民党などが推薦する前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)、郵政改革相を務めた船舶運航会社会長の下地幹郎氏(64)を軸とする三つ巴の構図だ。

12年ぶりの県政奪還を狙う自民が全面支援する古謝氏は「与ゆ党相乗り」にもかかわらず、支持拡大がイマイチ。高市首相が政権浮揚を期す人事への影響大だ。


 かねて争点だった米軍普天間基地の名護市辺野古移転の是非は、県と国との法廷闘争が終結したことから後景に退き、物価高対策などの暮らしへの目配りが浮上している。


 となると、政府との関係強化が近道だが、沖縄全戦没者追悼式に首相就任後初めて参列した高市首相は猛烈なヤジを浴びせられた。歴史を軽視し、対米隷従の防衛費増に邁進する高市首相へのアレルギーだ。


■自民県連は首相の応援要請を見送り


「自民党県連は総理の沖縄入りはプラスにならないと判断し、応援要請を見送った。表向きの理由は公明党への配慮。総理の右旋回を嫌って連立離脱したものの、長年の付き合いから県本部が古謝氏に推薦を出すためですが、本音は票減らしを食い止めたいから。直近の情勢調査では、古謝氏は知事に10ポイントほどリードされています」(永田町関係者)


 自民は2月の衆院選でバカ勝ちし、県内4選挙区を独占したが、その勢いが嘘のように首長選は敗北続き。沖縄で黒星が付いても不思議ではない。


 古謝陣営の戦略も裏目に出ている。国政政党に片っ端から推薦を依頼した結果、参政党が一番乗り。

国民民主党、日本維新の会と続いた。参政は昨年の那覇市や糸満市議選で公認候補をトップ当選させた余勢を駆って、来春の統一地方選で勢力拡大を狙い、とかく鼻息が荒い。追悼式に参列した神谷宗幣代表は慣例を無視して那覇市内で街頭演説。「徹底的に応援する」「裏切ったら知りませんよ」と言いたい放題だった。そうでなくても、県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦をめぐって「日本軍は県民を守りに来た」と主張し、県民の神経を逆なでしている。


「県医師会は反ワクチンで台頭した排外主義の参政党を警戒。外国人医療政策や歴史認識、平和教育に関する質問状を突きつけられた古謝氏は釈明に追われました」(地元メディア関係者)


 反転攻勢を期す高市首相は今月中にも内閣改造・党役員人事を断行するとみられたが、先延ばし。人気取りで強行した消費税減税などを盛り込む与党税制大綱がまとまらず、閣議決定が9月15日ごろにずれ込むためだ。沖縄で黒星を喫すれば、政権刷新どころか退陣が現実味を帯びる。


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