看板に偽りありだ。政府は来年3月から導入するOTC類似薬の一部保険適用除外について、薬剤費の4分の1にあたる追加負担を患者に課さない「配慮措置」を検討中。
OTCの保険外しに向け、厚労省の検討会は先月6日、「中間とりまとめ」を公表。その中で〈こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方等に対しては、別途の負担を求めない配慮を行うこと〉と明記した。
ところが、である。厚労省は今月3日の医療保険部会で、低所得者の判断基準に関し、「国会の審議等を踏まえ、『低所得者』として別途の負担の対象外とするのは生活保護受給者とする」との方向性を提示。上野賢一郎厚労相も4日の会見で、「低所得者に該当する住民税非課税世帯はなぜ配慮されないのか」との質問に、こう言い放った。
「所得区分に応じて一律に別途の負担の対象外とすることはせずに、対象医薬品を使用する場合には、原則として別途の負担をお支払いいただくことと考えている」
■「低所得者は生活保護に限定」という異様な考え方
つまり、低所得であっても生活保護受給者でなければ追加負担を課されるということ。生活困窮者がさらに追い込まれる恐れがある。
「住民税非課税世帯の低所得の被保険者数は約1770万人。そのうち約700万人は現役世代です。高齢者だけでなく、幅広い層が追加負担を課されることになる。
ただでさえ、配慮のハードルは高い。内服薬の場合、対象薬剤を「年50週以上服用している患者」は追加負担を免れるが、そもそも、そんな患者は5%程度に過ぎない。裏を返せば、95%が配慮対象外なのだ。
「政権与党の日本維新の会が旗振り役として医療費の削減をゴリ押ししている以上、厚労省は政治決定に従わざるを得ない。追加負担を課さない『配慮』の網の目を広げたら医療費を削減できないため、どんな理屈をこねても配慮対象者を絞りたいのです」(霞が関関係者)
根底にあるのは配慮ではなく、排除の論理。病人や低所得者の身を切る改革に他ならない。
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日刊ゲンダイが繰り返し追及してきたOTC類似薬の「保険外し」については、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。





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