フィリピン最大の航空会社(LCC)を運営するセブ・エア(セブ・パシフィック航空:CEB)は、傘下の高級リゾート路線を担う「AirSWIFT(エアスウィフト)」の全フライトオペレーションを2026年7月1日付で地域運航子会社「Cebgo(セブゴー)」へ移管すると発表した。これにより、2024年に実施されたアヤラ・グループ(ALI Capital Corp.)からの買収案件に伴う最終的な運航・組織統合が完了する。


その他の写真:資料写真 セブ・パシフィック社長兼最高商務責任者アレクサンダー・ラオ氏

 セブ・パシフィック航空は2024年、アヤラ・コーポレーションの完全子会社ALIキャピタルからAirSWIFTの全株式を17億5000万ペソで取得した。最大の狙いは、独自のターボプロップ路線網を持ち、国内外の富裕層や外国人観光客に人気を誇るパラワン島北部エルニドへのアクセス権確保であった。当時、同社はプエルト・プリンセサやコロン(ブスアンガ)への路線を展開していたが、滑走路制限のあるエルニド直行便は持たなかった。AirSWIFTの完全子会社化により、国内最大規模のネットワークを有する航空会社としての地位を固めた。

 「マニラ・ブレティン」などによれば、今回の統合は企業構造における「最終統合フェーズ」を意味する。独立ブランドとして運営されてきたAirSWIFTは、Cebgoの地域運航ネットワークに完全吸収される。

 セブ・パシフィックの公式運航情報発表および「ポートコールズ・アジア」によると、利用客が最も注意すべきは航空会社コードの変更である。7月1日以降、従来のAirSWIFTコード「T6」は廃止され、Cebgoの「DG」へ移行する。既存予約の「T6 XXX便」は自動的に「DG XXX便」へ書き換えられ、空港ディスプレイやアナウンスも「Cebgo」名義に統一される。新たに発行される旅程表や売上インボイスも「DG」コードで記載される。一方、運航スケジュールや発着時間、機材構成には変更はなく、エルニド発着便は計画通り運航される。

 「エアロルーツ」などによれば、移行対象となるAirSWIFT路線網はエルニドを中心に国内主要リゾートを網羅する。
2026年7月中旬の週あたり運航数は以下の通りである。クラーク~エルニド週40便(既存週9便)、クラーク~コロン週27便(既存週16便)、エルニド~ボラカイ週7便、エルニド~セブ週14便(既存週7便)、エルニド~コロン週5便、エルニド~ボホール週3便。クラーク~エルニドは1日4~5往復が維持され、セブやボラカイ、ボホールとの直行便もCebgoのATR機材で提供される。

 背景には燃料高騰と需要変動に対応した「規律あるキャパシティ管理」がある。「フィルスター」「サンスター」によれば、セブ・パシフィックは高止まりする燃料費や運航コスト上昇に直面し、需要が落ち込む雨季(第3四半期)を前に慎重な経営を迫られている。2026年5月の総旅客数は前年同月比1%減の240万人、国内線は183万人で横ばい、国際線は5%減の57万5000人。1~5月累計旅客数は前年同期比約5%増の1221万人だが、座席供給に需要が追いつかず、ロードファクターは前年同期85.0%から80.7%へ低下した。

 セブ・パシフィック社長兼最高商務責任者アレクサンダー・ラオ氏は「需要が軟化する第3四半期に向け、需要に見合った機材供給と収益管理に規律あるアプローチを取る。これにより健全な搭乗率を維持し、燃料費などのコストを管理しつつ、手頃な運賃を提供し続ける」と述べている。
【編集:Eula】
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