2026年7月20日、フィリピンのセブに滞在する、または渡航予定の日本人に向け、現地のセブ日本総領事館が安全対策に関する注意喚起を発表した。夏休みシーズンが本格化し、旅行や語学留学で多くの日本人がセブを訪れる時期を迎えているが、日本人を狙った詐欺や窃盗などの犯罪が多発しているためである。
日常から離れた解放感から警戒心が薄れ、その隙を突かれ大きな被害に発展するケースが後を絶たない。「自分の身は自分で守る」という強い意識を持ち、防犯対策を徹底することが求められている。

その他の写真:マクタンセブ空港 イメージ

 現在、セブ周辺で日本人が巻き込まれるトラブルは主に3つの手口が目立つ。第1は、マッチングアプリやナイトクラブを利用した高額詐欺や恐喝である。「Tinder」などのアプリで知り合った女性や、繁華街で親しく声をかけてきた女性に誘われ、ホテルや別の場所に同行した結果、暴行を受け数十万円を脅し取られる事件が相次いでいる。犯行は女性1人に限らず、複数人のグループが組織的に狙う場合も多い。見知らぬ相手の誘いには決して乗らず、部屋に招き入れないことを徹底すべきだ。第2は、観光客を狙ったスリや置き引きなどの窃盗である。特にセブ市のITパーク周辺やマンダウエ市、ラプラプ市で被害が集中している。現金やパスポートだけでなく、最新のスマートフォンも狙われることが多い。第3は、ネット予約による現地ツアー会社のトラブルである。事前に料金を支払ったにもかかわらず、当日迎えが現れず、連絡も途絶え、返金されない事例が報告されている。
さらに、安全管理意識の低い会社を利用した結果、ドライバーの無謀運転で事故に遭う事例もある。

 日本人が頻繁に狙われる背景には、日本特有の良好な治安環境に慣れきっている問題がある。日本では席を確保するため荷物を置いたままにしたり、歩きながらスマートフォンを操作する光景が日常的に見られる。しかし海外では、そうした行動は犯罪者に「警戒していない」と示すようなものである。観光地では窃盗グループが常に隙をうかがっている。混雑した場所では一瞬でも荷物から目を離してはならず、席を立つ際は必ず全ての荷物を持ち歩くことが鉄則だ。多額の現金やパスポートを無造作に持ち歩くことも避けるべきである。深夜の外出や人通りの少ない場所を1人で歩くことは、強盗などの凶悪犯罪に遭遇する危険を高めるため厳禁だ。

 若者を中心に普及するマッチングアプリを通じた被害には、心理的な隙が大きく影響している。異国で親しげに声をかけられると「特別な体験」と錯覚しがちだが、犯罪グループは旅行者の高揚感や孤独感を巧みに利用する。最初は親切に振る舞い、相手が完全に警戒を解いた瞬間に牙をむく。異国での出会いでは常に最悪の事態を想定し、不審を感じたら即座に関係を断つ勇気が必要だ。
ツアー会社による被害を防ぐためにも自己防衛が欠かせない。安さだけで選ぶのではなく、観光省認可の正規業者かを必ず確認すべきである。口コミに不自然な点がないか、返金規定など契約内容が明確かを十分に確認する必要がある。

 夏休みの海外渡航は、新しい文化に触れ視野を広げる貴重な機会だ。セブは美しい海や豊かな自然、英語学習の留学先としても魅力的な場所である。しかし犯罪に巻き込まれれば、一生消えない苦い記憶となる。言葉の通じない海外で被害に遭えば、警察への届け出や病院での治療など、想像を超える時間と労力を要する。日本国内の常識は通用しないという現実を理解し、常に適度な緊張感を保つこと。一人ひとりが防犯知識を身につけ、事前に行動を見直すことこそ、安全で充実した海外滞在を実現する唯一の道である。
【編集:Eula】
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