2026年7月20日、シンガポールの英字紙「The Straits Times(ストレーツ・タイムズ)」は、同国の国家公園局(NParks)がSNSを通じた違法なリクガメ販売を摘発したと報じた。摘発対象となったのは、TikTokやTelegram上で保護対象のリクガメを販売していた複数の個人で、当局は動物保護法違反の疑いで捜査を進めている。


その他の写真:リクガメ イメージ

 報道によると、NParksは数週間にわたりSNS上の販売グループを監視し、購入希望者を装って販売者に接触した。販売されていたリクガメは、ワシントン条約(CITES)で保護される種であり、許可なく取引することはシンガポール国内法で禁止されている。押収されたリクガメは保護施設に移送され、販売者には最高5万シンガポールドル(約630万円)の罰金と最長2年の懲役が科される可能性があるという。当局関係者の発言として「SNS上での違法取引は巧妙化しており、監視体制の強化が急務だ」と伝えている。

 シンガポールでは、希少動物の違法取引が近年増加傾向にある。特にSNSを利用した販売は匿名性が高く、取引の追跡が困難だ。Telegramでは閉鎖的なグループ内で販売が行われることが多く、取引相手の身元を特定するのが難しい。NParksは警察や税関と連携し、違法取引の摘発を強化している。今回の摘発は、SNS上での違法動物販売に対する警告として位置付けられている。

 リクガメはペットとして人気が高いが、野生個体の取引は生態系に深刻な影響を与える。専門家は、違法取引が続けば絶滅危惧種の保護が困難になると警告している。シンガポールは国際的な動物保護協定の加盟国であり、違法取引の防止に積極的な姿勢を示してきた。
今回の摘発は、国際的な保護活動の一環としても注目されている。

 また、SNS企業に対しても監視体制の強化を求める声が高まっている。TikTokやTelegramなどのプラットフォームは、違法取引の温床になりやすいとの指摘があり、当局は企業側に協力を要請している。「違法販売の投稿は削除されてもすぐに再投稿されるケースが多く、根本的な対策が必要」と報じた。

 シンガポール政府は今後、違法取引防止のための法改正を検討している。動物保護団体は、教育活動を通じて市民の意識向上を図る方針を示しており、違法取引の根絶には社会全体の協力が不可欠だと強調している。今回の摘発は、法執行だけでなく、倫理的な問題としても議論を呼んでいる。
【編集:af】
編集部おすすめ