タイ有数の世界的リゾート地として知られるパタヤ。色鮮やかなネオンと歓楽街の喧騒からわずかに離れた、線路脇の雑草が生い茂る泥と草むらの空き地で、その衝撃的な「事件」は発覚した。
現地捜査員の手によって回収された真っ黒な大型スーツケース。固く閉ざされたファスナーが開けられた瞬間、現場には凄惨極まりない空気が立ち込め、警察官らも絶句したという。

その他の写真:パタヤ イメージ

 そこに折り曲げられ、押し込められていたのは、衣服を一切身につけていない全裸の少女――わずか17歳のタンチャノック・ドンホムラさん(愛称ケーキ)の冷たくなった遺体だった。

 事件が発生したのは2026年6月25日の未明のこと。事件発生からわずか1日後の翌26日夜、バンコクのスワンナプーム国際空港で、パース行きのフライトに乗り込み母国へと高飛びを図ろうとしていたオーストラリア人の男、サイモン・ピーター・カーマン容疑者(45)の身柄が当局によって電撃的に拘束された。

 ABC NEWSやThe Guardian Australia、SBS News、1Newsなど豪州および国際主要メディアも、この「鬼畜の所業」というべき凶行を連日トップニュースで大々的に報じている。

 現地警察が明かした司法解剖の結果はあまりにも凄惨だった。少女の遺体には直視できないほど激しい暴行の痕跡が残されており、首には強い圧迫痕、腕や体には痛々しい外傷が無数に確認された。防犯カメラ(CCTV)の映像には、事件当日の未明、男と手をつないでマンションのエレベーターへと消えていくタンチャノックさんの姿が鮮明に記録されていた。

 そしてその数時間後、カメラが捉えたのは、一人で大型の黒いスーツケースを重そうに引っ張り出し、バイクの荷台に縛り付けて夜の街へと走り去る男の冷酷な姿だった。警察当局は当初から「計画的な殺人および不法遺棄」とみて追及を強めている。

 事件発覚後、豪州メディアや現地報道陣の取材に応じた被害者の父親と義母は、言葉にならない深い絶望と激しい怒りを露わにした。
父親のトンチャイさんは、悲報を聞いて駆けつけた警察署の廊下で膝から崩れ落ち、娘の名を叫び続けながら嗚咽したという。

 海外の報道等で最も世間を激怒させているのは、加害者側および現地での取引交渉の過程で示されたとされる、あまりにも侮蔑的な「対価」の提示だった。男側は金銭による示談を画策し、生理中であったことなどを言い訳にあげつらい、わずか数千タイバーツ(日本円にして約2,500円程度に相当する額)で過失をうやむやにしようとしたとされるのだ。

 この信じがたい鼻くすりほどの提案に対し、父親は怒りに体を震わせ、血の涙を流しながら叫んだ。
「娘は物ではない! 17年かけて大切に育ててきた愛娘の命と尊厳が、たったの2500円で買えると思っているのか。娘の尊厳と引き換えにするような金など、一ペニーだって要らない。私が望むのは、あいつが法の裁きを受け、死ぬまで服役するか死刑になることだけだ!」

 義母もまた、「あの子は物のように扱われ、服も着せてもらえず、暗い箱に詰め込まれて捨てられた。絶対に許すことはできない」とボロボロと涙をこぼした。

 容疑者は逮捕後の取り調べや現地メディアの取材に対し、「あなたの娘に起きたことは気の毒だ。しかし、あれは私の制御を超えた出来事だった」「不可抗力だった」と語り、遺族に対して身勝手な謝罪の言葉を口にしながらも、殺意については一貫して否認。自分の手で少女の首を絞め、動かなくなった遺体を浴室へ運び、スーツケースに詰め込んで捨てたにもかかわらず、男は「自分も悲しい」と呆れた自己保身の言葉を並べ立てたのである。

 男は警察の事情聴取において、「少女が台所のナイフで脅してきたため、自衛のために抑え込んだ」と主張した。
しかし、豪『SBS News』が警察幹部への取材で明らかにしたところによると、男の首や腕に残されていた無数の傷痕は、自衛の痕跡などではなく、抵抗できない17歳の少女が死の直前に必死で生存をかけて男を引っ掻いた爪痕であった可能性が極めて高いと分析されている。男の巨体と少女の細い体格差を見れば、どちらが暴力の主導権を握っていたかは火を見るより明らかだった。

 さらに、防犯カメラの時系列データは男の計画性と冷血さを強く裏付けている。少女をマンションに連れ込んでから遺体を遺棄するまでの間、男は動揺することなくスーツケースを用意し、バイクを手配し、ごみ捨て場同然の線路脇に遺体を投げ捨てた。そしてその足で何事もなかったかのように自室のシーツを剥ぎ取って清掃し、国際空港へと向かって母国オーストラリアへの高飛びを図っていたのである。

 現地捜査当局は、殺人罪、遺体遺棄罪、および猥褻目的での未成年者連れ去り罪など複数の重罪で男を起訴した。タイの法律において、有罪が確定すれば最高刑である死刑または無期懲役が科される見通しだ。

 父親のトンチャイさんは、現地報道のカメラに向かってこう訴えた。
「娘の人生は、ここで終わってしまった。裸で暗い箱に閉じ込められ、どれほど恐しかっただろうか。どんな金を積まれても、娘が戻ってくるわけではない。被告が受けるべきは寛大な処置ではなく、その冷酷な罪に見合った厳罰だけだ」

 この「母国の恥」というべき凄惨な事件は、オーストラリア国内でも大バッシングを巻き起こしている。
SBS Newsや1Newsは現地市民の怒りの声を過熱報道。「オーストラリアの恥晒しだ」「タイの法律に従って死刑に処すべきだ」といった過激な書き込みがSNS上に殺到し、国際的な非難の嵐が吹き荒れている。
【編集:af】
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