2026年7月24日夜、タイ南部ナラティワート県で武装集団が治安部隊の検問所を襲撃し、兵士5人が死亡、民間人3人が負傷した。負傷者には子供も含まれ、病院に搬送されたが命に別状はない。
現地メディア「マティチョン」や「バンコク・ポスト」によれば、事件は県内スリヨン地区の幹線道路沿いで発生し、武装した男らがピックアップトラックで接近し、自動小銃と爆発物を使用して攻撃した。

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 襲撃は午後8時過ぎに始まり、約15分間にわたり激しい銃撃戦が続いた。治安部隊員5人が即死し、民間人3人が負傷した。犯行後、武装集団は現場から逃走し、国境に近い森林地帯に潜伏した可能性がある。タイ警察と陸軍は現場を封鎖し、周辺地域で大規模な捜索を開始した。

 治安当局は、南部で活動する分離主義勢力「バタニ・マレー民族解放戦線(BRN)」の関与を疑っている。BRNは過去にも同地域で治安部隊を標的とした襲撃を繰り返しており、今回もその延長線上にあるとみられる。国軍報道官は「犯行は組織的で、事前に周到な準備が行われていた」と述べた。

 ナラティワート県は、隣接するパッタニー県やヤラー県とともにイスラム教徒が多数を占める地域で、長年にわたり分離独立を求める武装勢力と政府軍の衝突が続いている。2004年以降、南部紛争による死者は約7,500人に上る。今回の襲撃は近年で最も犠牲者の多い事件の一つとされる。

 事件当時、検問所は地域の安全強化のため設置されていた。
治安部隊は夜間の交通を監視し、武器や爆発物の搬入を防ぐ目的で検問を行っていた。現場からは使用済み弾薬や爆発物の破片が多数見つかり、犯行グループが軍用レベルの装備を使用していたことが確認された。

 タイ政府は事件を受け、南部3県に非常警戒を発令した。プラユット首相は声明で「民間人を巻き込む暴力は断じて許されない」と非難し、治安維持のため追加部隊を派遣する方針を示した。政府は地域住民に協力を呼びかけている。

 専門家は、今回の襲撃が和平交渉の停滞と関連している可能性を指摘する。タイ政府とBRNは2023年以降、マレーシアを仲介とする和平対話を断続的に続けてきたが、進展は乏しい。「バンコク・ポスト」は、交渉停滞の中で一部過激派が強硬路線に転じ、治安部隊への攻撃を再開したと分析している。

 事件後、ナラティワート県内では学校の一時閉鎖や夜間外出の自粛が呼びかけられた。住民は「銃声の後に爆発が起き、子供たちが泣き出した」と語った。「マティチョン」は、地域社会が長年の紛争に疲弊し、平和的解決を求める声が高まっていると伝えている。

 今回の襲撃は、タイ南部の不安定な治安情勢を改めて浮き彫りにした。
政府は和平交渉の再開を模索しているが、武装勢力の分裂や過激化が進む中、安定への道のりは依然険しい。「ネーション・タイ」は「南部の平和は銃ではなく対話によって築かれるべきだ」と論評した。
【編集:af】
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