2026年7月21日、台湾の海岸巡防署は、基隆市のCSBC造船所で新型巡視船「澎湖(Penghu)」を正式に受領した。現地紙「タイペイ・タイムズ」は、この船が2018年に始まった総額426億台湾ドル規模の造船計画の一環であり、2028年までに141隻を整備する計画の第5隻目にあたると報じた。
台湾政府は南部海域の警備態勢を強化し、中国海警局による活動の増加に対応する方針を示した。

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 「ディフェンス・ポスト」によると、「澎湖」は排水量1000トン級で、最高速度24ノット、航続距離6000海里を誇る。強力な放水砲を備え、長時間の海上作戦に対応可能とされる。さらに「オーストラリアン・ネーバル・インスティテュート」は、この船が遠隔操作式70ミリロケット砲を搭載し、従来型より火力が大幅に強化されたと指摘した。台湾沿岸警備隊は今年に入り、すでに451隻の中国漁船を排除したと発表しており、新巡視船の投入はその最前線での活動を一段と強化するものだ。

 台湾がこうした大型巡視船を相次いで導入する背景には、中国の海上活動の急増がある。「マニラ・スタンダード」は、台湾沿岸警備隊関係者の話として、2026年6月に中国の政府船舶263隻が台湾周辺海域で確認され、前年同月の171隻から大幅に増加したと報じた。これらは軍艦を除いた数字であり、海警船や調査船が「グレーゾーン」活動を展開しているとされる。中国側は台湾東方海域で「法執行」と称する巡視を開始し、貨物船に対して乗員や目的地の情報を無線で要求するなど、事実上の封鎖を試みる動きも見られた。

 台湾政府はこうした中国の圧力を「挑発的で拡張主義的」と非難し、海上交通の安全確保と補給路維持を最優先課題に位置付けている。海洋委員会の管碧玲主任委員は「澎湖」の受領式で、海域監視能力の強化、国際協力の深化、海上交通路の安全保障、平時から有事への即応態勢の確立を戦略目標として掲げた。台湾は沿岸警備隊の増強を単なる治安維持にとどまらず、国家防衛の一環と位置付けている。


 中国が軍艦や海警船を日常的に展開する現状では、台湾の「白い船体」=沿岸警備隊の存在が、軍事衝突を避けつつ領海を守る重要な役割を担う。新たな「澎湖」の配備は、台湾が自らの海域を守り抜く強い意思を示す象徴的な一歩であり、今後も中国の圧力に対抗するための体制整備が続く見通しだ。
【編集:af】
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