2026年7月28日、ロシア国防省はウクライナ首都キーウ近郊にあるドローン製造関連施設を標的にした攻撃を実施したと発表した。ウクライナ国営通信「ウクラインフォルム(Ukrinform)」は、攻撃によって複数の建物が損傷し、死傷者が発生したと伝えた。
ロシア側は「軍事目的の施設を破壊した」と主張しているが、ウクライナ政府は「民間人を巻き込んだ不当な攻撃」と非難している。

その他の写真:イメージ

 ウクラインフォルム(Ukrinform)によると、攻撃はキーウ郊外の工業地区で行われ、ドローン製造企業「General Chereshnya」の施設が被害を受けた。同社共同創業者ヤロスラフ・フリシン氏は「生産拠点の一部が損傷したが、死傷者は出ていない。修復を進めながら生産を継続する」と声明を発表した。現場では爆発による火災が発生し、周辺の住宅にも被害が及んだとされる。ウクライナ検察当局は「ロシアによる民間施設への攻撃は国際法違反」として調査を開始した。

 ロシア国営タス通信は、国防省の声明として「キーウ周辺の複数の無人機製造施設を精密攻撃で破壊した」と報じた。「これらの施設は前線で使用される攻撃型ドローンを生産していた」と伝え、軍事的正当性を強調した。一方で、ウクライナ側は「ロシアの主張は誇張されており、実際には民間人が犠牲になっている」と反論している。ウクラインフォルムは「攻撃によって少なくとも11人が死亡し、数十人が負傷した」と報じ、現場の惨状を伝えた。

 今回の攻撃は、ウクライナ国内で進むドローン開発に対するロシアの警戒を反映している。ウクライナは前線で小型攻撃ドローンを大量に投入しており、米国防総省の推計では年間600万~700万機規模の生産能力を持つとされる。
これに対しロシアは、ウクライナのドローン供給網を断つことを目的に、製造施設や関連インフラを繰り返し攻撃している。タスは「ロシア軍はウクライナの軍需産業を無力化するため、今後も標的を拡大する」と伝えた。

 専門家は、今回の攻撃がウクライナの防衛力に与える影響について慎重に分析している。キーウ・インディペンデント(Kyiv Independent)は「ウクライナのドローン産業は分散型であり、1つの施設が損傷しても全体の供給能力に大きな影響はない」と報じた。さらに「ロシアの攻撃は心理的効果を狙ったものであり、ウクライナの技術開発を止めることはできない」と指摘。ウクライナ政府も「生産は継続され、前線への供給は途絶えない」と強調している。
【編集:af】
編集部おすすめ