2026年7月28日午後5時45分・米東部時間、29日午前6時45分・日本時間、イランの精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊(IRGC)が、ヨルダン北東部アズラク付近のムワッファク・サルティ空軍基地や米軍指揮統制センターに向けて複数の弾道ミサイルを発射した。

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 米中央軍(CENTCOM)は声明で「飛来したすべてのミサイルを防空システムで迎撃し、基地施設への被害や米兵の死傷者は一切出ていない」と強調。
今回の発射を「イランによる奇襲攻撃の試み」と非難した。

 一方、イランの有力通信社ファルス通信は、革命防衛隊航空宇宙部隊が「10発の弾道ミサイルを発射し、米軍の指揮統制センターと空軍基地を完全に破壊した」とする公式声明を報じた。さらに「米国が再び侵略的行動を取れば、中東各地の米軍基地も激しい攻撃の対象となる」と強硬な警告を伝えている。国営通信IRNAも同様に「米国の行動への報復」と位置づけ、軍事的戦果を強調している。

 両者の主張は真っ向から食い違い、事態は緊張を一層高めている。

 背景と狙い

 イランは近年、シリアやイラクの親イラン武装組織を通じて米軍を間接的に攻撃してきたが、今回のように革命防衛隊が自国領から直接米軍基地に弾道ミサイルを発射するのは重大な段階の引き上げだ。

 直前には、米国のトランプ大統領がイラン関連施設への集中的な軍事作戦を展開していた。これは今月上旬、ヨルダンで発生した無人機攻撃により米兵2名が死亡した事件への報復だった。その後、米軍は作戦を一時停止していたが、イランはその隙を突き、自国の弾道ミサイル能力を誇示する狙いがあったとみられる。

 ヨルダンの立場

 ヨルダンは親米的外交路線をとり、米軍に基地を提供しているが、自国領土が大国間の軍事衝突の舞台となることに強い危機感を抱いている。今回の攻撃はヨルダンの主権を侵害する行為であり、周辺アラブ諸国からも非難が相次いでいる。ヨルダン防空部隊も迎撃に参加したとされ、地域全体が最高レベルの警戒態勢に入った。


 今後の見通し

 専門家は「全面戦争への即時発展は慎重に見るべき」と指摘する。イランは強硬派国民への報復実績を示しつつ、致命的被害を避けるよう攻撃規模を調整した可能性がある。米国も「被害なし」と強調することで大規模報復を回避し、外交交渉の余地を残そうとしている。

 ただし、迎撃に失敗し米兵が犠牲となっていれば、報復の連鎖は止められず、中東全域を巻き込む戦争に発展していた危険性は高い。弾道ミサイルは時速数千キロで落下するため迎撃には高度な技術と瞬時の判断が不可欠である。今回は防空システムが機能したが、中東の火種は依然として残っている。イランの核開発疑惑やイスラエルとの対立など根本的問題は未解決であり、偶発的衝突から再び緊張が高まる恐れは常に存在する。
【編集:af】
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