2026年7月29日、紅海南端のバブ・エル・マンデブ海峡を通過した原油タンカーは39隻に達し、その多くが空荷または部分的な積載状態だった。イエメン沖を航行する船舶への攻撃が相次ぐ中、各国の海運当局は積荷を避けて航行し、比較的安全な港で石油を搭載する方針を取っている。
海峡周辺ではフーシ派による無人機攻撃が断続的に発生しており、国際的な原油輸送の安全確保が課題となっている。

その他の写真:イメージ

 イエメンの国営通信「サバ通信(Saba News)」は、港湾当局の発表として「7月29日には大型タンカー39隻が海峡を通過し、うち半数以上が空荷であった」と報じた。同通信によれば、フーシ派は沿岸部からドローンを発進させ、航行船舶を監視しているとみられる。現地紙「アルタガリル(Al-Tagheer)」は「フーシ派は紅海の安全保障を政治的圧力の手段として利用している」と指摘し、国際社会の対応の遅れを批判した。

 バブ・エル・マンデブ海峡は紅海とアデン湾を結ぶ要衝で、世界の原油輸送量の約10%が通過する。近年、イエメン内戦の長期化に伴い、フーシ派が海峡周辺で軍事活動を活発化させている。エジプト紙「アルアハラム(Al-Ahram)」は「海峡の安全確保はスエズ運河の安定にも直結する」と論じ、エジプト海軍が紅海北部で哨戒活動を強化していることを伝えた。

 国際海事機関(IMO)は、紅海航路を利用する船舶に対し「夜間航行時の警戒強化と通信装置の常時稼働」を求めている。フーシ派による攻撃は主にドローンや小型ミサイルによるもので、船体損傷や乗組員の負傷を招く事例も報告されている。サウジ紙「アッシャルク・アルアウサト(Asharq Al-Awsat)」は「攻撃の頻度は減少していない」とし、国際的な護衛体制の再構築が必要だと論評した。

 今回の通過増加は、各国が原油輸送を維持するためにリスクを承知で航行していることを示す一方で、空タンカーが多い点は攻撃による損害を最小限に抑えるための安全策でもある。紅海の安全保障は中東全体の安定に直結しており、今後も国際社会の協調が求められる。

【編集:af】
編集部おすすめ