韓国の金融当局は、ロッテカードに対し個人情報流出事件の責任を問う形で、事業停止1.5か月と50億ウォン(約3億7000万円)の罰金を科した。流出は約300万人分の顧客情報に及び、韓国金融史上でも大規模な事例となった。


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 The Korea Herald 2026年8月1日報道によれば、金融委員会(FSC)は前日の定例会合で、ロッテカードに対し「新規会員募集と新規カード発行業務の停止」を命じ、期間を8月1日から9月15日までと決定した。既存会員のカード利用やサービスは継続可能とされ、日常生活への影響を最小限に抑える措置が取られた。罰金は50億ウォン(約3億7000万円)に設定され、信用情報保護法違反に基づく行政処分としては異例の規模となった。

 事件は2025年9月に発生した。外部ハッカーがロッテカードのオンライン決済システムに侵入し、顧客のクレジット情報や住民登録番号、パスワードなどを暗号化されない状態で取得した。金融監督院(FSS)の調査では、システム更新の怠慢、ウイルス対策ソフト未導入、暗号化義務違反など複数の法令違反が確認された。監督当局は当初、事業停止4.5か月を勧告したが、金融委員会は「過去事例との公平性」「会社の改善努力」「顧客への影響」を考慮し、停止期間を1.5か月に短縮した。

 この事件は、韓国の金融機関における情報管理の脆弱性を浮き彫りにした。金融委員会は「顧客は責任を負わないにもかかわらず不利益を受けるべきではない」と強調し、停止範囲を新規業務に限定した。既存顧客はカード利用を継続できるが、信用情報が流出した事実は深刻であり、金融市場全体の信頼性に影響を与えると指摘されている。

 さらに、当局は制度改革の必要性を訴えた。電子金融取引法の改正を通じ、重大な情報流出に対しては「年間売上高の最大3%」を罰金として科す新制度を導入する方針を示した。
また、金融機関の最高情報セキュリティ責任者(CISO)の権限を強化し、組織全体でサイバー防御を主導できる体制を整えることを目指す。これにより、再発防止と国際的な信頼回復を図る狙いがある。

 ロッテカードは公式声明で「顧客に深く謝罪する」と表明し、セキュリティ強化策を進めると約束した。しかし、韓国国内では「企業の怠慢が招いた事件」との批判が強く、金融機関に対する監視強化を求める声が高まっている。今回の処分は、韓国金融史上初めてハッキング事件に対して事業停止を科した事例であり、今後の金融業界における規制の方向性を示すものとなった。

 この事件は、単なる企業の不祥事にとどまらず、韓国社会全体の情報セキュリティ意識を問うものとなっている。個人情報の保護は金融取引の根幹であり、顧客の信頼を失えば市場全体が揺らぐ。今回の処分は、金融機関に対し「情報管理の不備は重大な経済的制裁につながる」という強い警告を発したと言える。

 ロッテカードは韓国の大手クレジットカード会社で、ロッテグループの金融部門を担う中核企業である。2002年に設立され、ソウル市中区に本社を置き、クレジットカードやデビットカードの発行を中心に、ローンやリースなど幅広い金融サービスを展開している。グループの百貨店やスーパー、免税店などと連携した「L.POINT」プログラムを通じ、顧客に割引やポイント還元を提供する点が特徴である。2025年末時点で売上高は2兆6615億ウォン、純利益は814億ウォンと報告されている。
海外展開にも積極的で、ベトナムに「ロッテファイナンス」を設立し現地で事業を展開している。国際ブランドではVISAやマスターカードと提携し、国内外で利用可能なカードを発行しており、韓国市場における主要プレイヤーの一角を占めている。
【編集:af】
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