2026年08月24日、日本でも稀に視野の狭い頓珍漢な教授がいるが、どうも中国にもおバカな大学教授は存在する。中国中央テレビCCTVが今月中旬に放送した経済番組で、北京大学国家発展研究院の副院長を務める張丹丹教授が語った「単発労働は福祉の一種だ」という発言が、中国国内で大きな炎上を引き起こしている。
番組が放送された直後から、現地の通信社である新華社が「視聴者から強い反発が出ている」と報じ、続いて中国の有力紙である環球時報も「到底受け入れられないとの声が広がっている」と伝えた。さらに政府系ポータルサイト中国網(China Internet Information Center / チャイナインターネットインフォメーションセンター)や、上海のテレビ局・上海電視台も、国民の怒りが急速に拡大していると報じている。

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問題となったのは、特定の企業に縛られず短時間で働く「柔軟な就業」についての議論だ。張教授は番組内で、正社員は時間の自由が少ない代わりに年金などの保障を受けている一方、単発で働く人は保障が少ない代わりに自分の時間を自由に使えると説明。そのうえで「働く時間を自由に決められること自体が、労働の仕組みとしてひとつの福祉だ」と語った。この発言が、生活に苦しむ現場の労働者の感情を強く刺激した。

新華社は、番組放送後に寄せられた視聴者の声として「定職に就けず苦しんでいる人の気持ちを踏みにじる発言だ」との批判を紹介。環球時報も、配達員や清掃員などの現場労働者から「毎日休む間もなく、配達アプリの計算プログラムと競争しながら自転車を走らせている。好きでやっているわけではなく、これしか食べる方法がないだけだ」といった悲痛な声が寄せられていると報じた。

中国網は、今回の炎上が単なるネット上の騒ぎではなく、社会に蓄積してきた不安と不満が一気に噴き出したものだと分析している。中国では景気減速が続き、学校を卒業しても就職先が見つからない状況が深刻化している。中国新就業形態研究センターがまとめた最新の数字によると、契約を結ばず単発の仕事で生活する人は2025年の2億8000万人から、今年は3億2000万人に達する見込みだ。
これは中国の就労人口の4割以上にあたり、アメリカの人口に匹敵する規模である。

上海電視台は、街頭インタビューで「ギグワークは自由ではなく、選択肢が無い人が追い込まれて選ぶ最後の手段だ」と語る市民の声を紹介。さらに「本来なら労働者の生活を守る仕組みを研究する立場の学者が、現場の苦しみを理解しないまま“自由な働き方は恵まれている”と語ったことが、国民の怒りを増幅させた」と指摘した。

今回の騒動は、単発労働の増加が「自由な働き方の広がり」ではなく、「安定した仕事が得られない社会の苦しさ」を象徴していることを浮き彫りにした。新華社は「生活の不安が広がる中で、国民の感情は極めて敏感になっている」と報じ、環球時報も「社会の底に溜まった不満が、今回の発言をきっかけに一気に噴き出した」と分析している。

中国網は、今回の炎上を受けて政府が労働者保護の制度を見直す可能性があると指摘し、「単発労働者の増加は、社会の構造変化を示す重要なシグナルだ」と結んだ。上海電視台も「国民の不安を解消するためには、安定した雇用の確保と生活保障の強化が不可欠だ」と報じている。

張教授の発言は、単なる一学者のコメントにとどまらず、今の中国社会が抱える深い不安と緊張を映し出す鏡となった形だ。生活に追われる人々が増え続ける中で、今回の騒ぎは中国社会の現実を鋭く突きつけているといえる。
【編集:af】
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