2026年9月2日、米国のトランプ政権が表明したカナダ産自動車および自動車部品に対する50%という高率関税の方針は、北米自動車市場に巨大なショックを与えている。

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韓国の聯合ニュースによると、トランプ大統領は100年以上も使われていなかった関税法338条を発動し、差別的な貿易慣行に対抗するという理由で、2027年1月1日からの課税を予告した。
この突然の発表により、米国の隣国であるカナダから車や部品を輸入してビジネスをしてきた主要メーカーは、大幅な戦略の見直しを迫られている。

特にこの事態で頭を抱えているのが日本車メーカーである。カナダのCBC(Canadian Broadcasting Corporation・シービーシー)の報道によれば、カナダ国内の全自動車生産の約77%を日本のトヨタ自動車と本田技研工業(ホンダ)の2社が占めている。トヨタは年間約50万台、ホンダは年間約40万台の生産能力を現地に保有しており、その多くを米国市場へ輸出してきた。これらに加えて米国のゼネラル・モーターズやフォード、ステランティスといった米大手メーカーもカナダに主要工場を持つため、コスト増の大打撃を受けることは避けられない。

一方で、今回の事態を最大の好機と捉えているのが、韓国の現代自動車(ヒョンデ)グループである。韓国の東亜日報(Donga Ilbo・トンアイルボ)は、現地に完成車工場を持たない現代自動車と傘下の起亜(キア)が、ライバルたちの失速によって相対的な価格競争力を向上させる可能性が高いと分析している。現代自動車グループは近年、米国ジョージア州に大型EV工場であるメタプラント・アメリカを建設したほか、アラバマ工場や起亜のジョージア工場など、米国本土での生産体制を急速に強化してきた。関税の影響を受けにくい米国産車の比率を引き上げていたことが、ここにきて大きな強みとなっている。

さらにタイミングの良さも重なる。現代自動車グループは2026年下半期から北米市場で大規模な新車投入計画を控えているためだ。同グループの高級車ブランドであるジェネシスは、現地の販売店から強い要望を受けていた戦略モデル「GV80ハイブリッド」を北米に投入する。
米国ではEV向け補助金の縮小などを背景にハイブリッド車の人気が急速に高まっており、主力SUVである「ツーソン」の全面改良モデルもガソリン車とハイブリッド車を揃えて売り出す予定である。現代自動車の公表データによれば、新型ツーソンのハイブリッドモデルは従来の内燃機関モデルと比べ最高出力が27%、最大トルクと燃費がそれぞれ43%向上しており、2026年7月には米国で1万9714台を売り上げて単一車種としての販売トップに躍り出た。このほかにも「アバンテ」や「セルトス」、大型電動SUVの「GV90」など、強力なラインナップで市場の切り崩しを狙う。

しかし、事態はそう単純ではないという見方も強い。カナダの主要紙であるグローブ・アンド・メールは、現代自動車や起亜の米国工場も、エンジンの構成部品や金属加工品など多くの部品をカナダのサプライヤーから調達している点を指摘する。北米自由貿易協定の締結以来、30年以上にわたり米国とカナダの自動車産業はひとつの大きな巨大市場として密接に融合してきた。完成車の組み立て工程が米国にあっても、国境を何度も往来して届く部品に50%の関税がかかれば、現代自動車グループの製造コストも跳ね上がることになる。

棚からボタモチのような追い風に沸く韓国勢と、現地生産の再編という難題を突きつけられた日本勢。歴史的な貿易政策の大転換は、北米市場における自動車メーカーの勢力図を大きく塗り替えようとしている。
【編集:af】
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