フィルムカメラで撮る台湾美女と絶景が唯一無二の絵を生み出しました。

昨今、フィルムカメラや往年のコンパクトデジタルの人気が再燃しています。
精細さを極めた最新機材とは対照的に、やわらかく曖昧さを含む描写が、記憶や感情に静かに触れ、ノスタルジックな余韻を生むためでしょう。

フィルムの魅力は、光のにじみや粒状感、階調のゆらぎといった偶然性にあります。そうした要素が被写体の空気感まで写し出し、さらに1枚ごとの制約が「ここだ」という瞬間に集中させる。撮る行為そのものに、デジタルにはない濃密さが宿ります。

2026年5月中旬から取材等で1ヶ月近く台湾に滞在したので、その間に撮影した台湾の思い出をご紹介します。

今回持参したのは、1956年に発売された当時の国内最高峰RFコンパクトフィルムカメラ「トプコン35S(レンズ一体型)」、1950年代に発売された映画用35mmフィルムを写真機に応用して小型で持ち運びやすい形に仕上げた現在カメラの原型と言われる「バルナックライカIIIf」(レンズはズミタール)です。どちらもロマンを感じさせてくれるフィルムカメラの往年の名機です。

台湾の街並み
台湾は近代的な街並みと、レトロな建物が残る風景が共存する、多彩な表情を持つ街です。なかでもレトロなエリアは、ヴィンテージ調のフィルムで撮影することで、その魅力がより際立ちました。

台湾の象徴のひとつである台北タワーや、通勤ラッシュ時に現れる「バイクの滝」など、見どころのある風景が数多く楽しめます。

台湾最大級の同人イベント
5月16日と17日の2日間、台湾台北市の花博公園争艶館で同人イベント「Petit Fancy 開拓動漫祭44(通称、台湾PF)」が開催されました。コスプレ撮影エリアを見渡すと、その場で仕上がりを確認できないフィルムカメラを使うカメラマンはほとんどいません。
実際、ピント合わせや露出調整など瞬時の判断が求められる現場では、不利な点が目立ちます。それでも、撮れた写真はネガという物理的な証とともに、唯一無二の1枚として残りました。

台湾版『鳴潮』二周年オフラインイベント
2周年を迎えたオープンワールド・アクションロールプレイングゲーム『鳴潮』を記念し、オフラインイベントが世界各地で実施されました。台湾では、5月22日(金)~24日(日)の3日間、台北流行音樂中心文化館で、『鳴潮』 2nd Anniversary Fes.「於繁花盛放時赴約(花が咲き誇る頃、約束の場所へ赴く)」が開催されました。

当日は多くの公式コスプレイヤーが出演し、来場者との撮影に応じていました。撮影時間は非常に限られていましたが、ポートレートフィルムの代表格「Kodak Portra」で捉えた野外の一枚は、澄んだ空気感まで写し取ったような味わいに仕上がっています。

スタジオで漢服撮影
台湾にある高級漢服レンタルスタジオで撮影しました。暗い環境下なので、ISO感度が高く映画のような青みの色合いが持ち味の「CineStill 800T」を使ったところ、大変雰囲気のある仕上がりになりました。

今回の台湾の旅では、限られた条件の中で捉えた一瞬に、フィルムならではの価値を改めて実感しました。不自由さと引き換えに得られる表現こそが、その醍醐味と言えるでしょう。デジタル全盛の今だからこそ、フィルムでしか辿り着けない表現が確かに存在していました。

撮影:乃木章
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