清楚で親しみやすい雰囲気が魅力の俳優・奈緒さん(31)。

 しかし彼女のキャリアを振り返ると、同じ場所にとどまることなく、常に新しい役に挑み続ける“ドラスティックな俳優”と言えるかもしれません。


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 2024年に放送されたドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)では、婚約者に逃げられボクシングの道へ進む“崖っぷちヒロイン”を熱演。2023年のドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)では、セックスレスに悩む妻という繊細かつ難しい役どころをリアリティたっぷりに演じ、多くの視聴者の共感を集めました。

 数々の話題作で複雑な事情を抱える女性たちを見事に体現してきた奈緒さんですが、そのキャリアは決して順風満帆なものではありませんでした。

地元・福岡でスカウト。デビュー作で見せた強烈な存在感

 地元・福岡での活動時代から、上京後の下積み生活、そしてブレイクまで――。今回は、奈緒さんが現在の活躍をつかむまでの軌跡を振り返ります。

 生後7ヶ月で父親と死別し、母親の手で育てられたという奈緒さん。幼い頃から懸命に働く母の姿を見て育ったこともあり、「早く働いて母を支えたい」と考えていたといいます。

 そんな彼女が芸能界に足を踏み入れたのは高校1年生のとき。地元・福岡でモデル事務所にスカウトされたことがきっかけでした。

 当初はローカルタレントとして活動していましたが、その約1年後。演技のワークショップに参加したときに芝居に目覚めたそうです。


 そして、記念すべきデビュー作となったのが、福岡の名産品誕生秘話を描いた作品、2013年に放送されたドラマ『めんたいぴりり』(テレビ西日本 開局55周年記念ドラマ)でした。主演は博多華丸さん。戦後の福岡を舞台に、いまや博多土産の定番である「明太子」を生み出した夫婦の人生を描いたヒューマンドラマで、福岡出身の俳優たちが数多く出演しています。

 奈緒さんは主人公の妻の友人役として登場。作品内で、今ではレアな歯切れのいい博多弁を披露しています。制服に身を包み、仲間と話すときの少女らしい弾んだ口調がフレッシュですが、その演技はデビュー作と思えないほど堂々としたものでした。かわいらしい雰囲気なのに“なぜか目が離せない”強烈な存在感は、この頃からすでに垣間見えていたのです。

 福岡で経験を重ね、俳優としての基礎を築いた奈緒さんは、さらに大きな舞台を目指して高校卒業を機に上京を決意します。

マネージャー業務と兼任の末につかんだ、朝ドラでのブレイク

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画像:クラシエ株式会社 プレスリリース
 上京後、すぐに俳優の仕事だけで生活できたわけではありませんでした。所属事務所の支援もあり、奈緒さんは社員としてタレントマネージャーの業務をこなしながら、俳優としての夢を追い続けていたといいます。

 そんな努力の日々に大きな転機が訪れたのが、2018年放送のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』への出演でした。上京からおよそ3年後のことです。


 奈緒さんが演じたのは、永野芽郁さん演じる主人公・鈴愛(すずめ)の高校時代の友人、木田原菜生(きだはらなお)。主人公を支えるしっかり者でありながら、弓道部の引退試合では隣の的を射抜いてしまうなど、どこか抜けている愛すべきキャラクターです。その人間味あふれる魅力は、多くの視聴者の印象に残りました。

 当初は役の細かな人物像が固まっていなかったそうで、奈緒さん自身の雰囲気や魅力が反映されながら「菜生」というキャラクターが形作られていったといいます。

 この朝ドラ出演を機に、彼女の名は全国区へ。長い下積み時代を経て、ついに大きな飛躍の瞬間を迎えたのでした。

『あなたの番です』の怪演で証明した、クセのある役への適性


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