世界各地で重要任務に就く猫は多いが、アメリカ・ニューヨーク州にあるブルックリン骨博物館に、2025年より警備責任者として任命されたのが、黒白ハチワレ柄の元保護猫だ。
その名は骨(ボーン)にちなんで「ボーン・ジョヴィ」という。
ボーン・ジョヴィは、人間の骨格標本が大量に並ぶ博物館の中で、来館者を虜にしながら、骨を守ったり守らなかったりしながら、愛想を振りまいている。
骨目当てに来た人もふわふわの毛皮の虜になってしまうという。
譲渡会で博物館に見初められた保護猫
この黒白のハチワレ柄の保護猫は元々、アメリカジョージア州にある動物保護施設にいたが、その後、ニューヨーク州の動物保護団体「ベストフレンズ・アニマル・ソサエティ(Best Friends Animal Society)」に移送された。
2025年6月、ニューヨーク市ブルックリン骨博物館で、保護猫の譲渡会が開催された。
譲渡会に参加したこのぽっちゃりとしたハチワレ猫は、保護猫たちの中で一番落ち着いて堂々としていた。
骨博物館では、前任の猫が引退し、ちょうど新しい警備主任を探していたところだった。
博物館のスタッフは、まったく物怖じしないこの猫を新たな施設の一員として迎え入れることに決めた。
一般投票で「ボーン・ジョヴィ」と命名
ハチワレ猫の就任が決まると、名前を授けるための一般投票が行われた。
2万人以上もの投票の結果、 骨格標本を展示する博物館にちなみ、世界的ロックバンド「ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)」と骨(Bone)を掛け合わせた「ボーン・ジョヴィ(Bone Jovi)」という名前に決まった。
ボーン・ジョヴィは博物館にやってきた直後から、まるでずっと昔からそこに住んでいたかのように骨に囲まれた風景に溶け込んだ。
現在は、骸骨の形をした魚のおもちゃで遊びながら、この博物館に完璧に適応している。
全米最大級の骨格標本を見守る現代の博物館猫
ボーン・ジョヴィが働くブルックリン骨博物館は、一般公開されているものとしてはアメリカ最大級の人間骨学(Osteology)コレクションを誇る施設だ。
館内には人間の脊椎の巨大なコレクションを含む、何百もの人間や動物の骨格標本が所蔵されている。
軟骨無形成症や巨人症などの希少な症状を示す標本や、医療用骨取引の歴史に関する展示も用意されている。
展示されている品物はすべて、19世紀後半から20世紀にかけて倫理的に調達された医療用標本である。
博物館などの公共施設において、猫を常駐させる歴史は古くから存在している。
かつて猫は、貴重な展示物をネズミなどの害虫から守るための対策として重宝され、同時に人々の心を和ませる役割も担ってきた。
ボーン・ジョヴィは、この歴史ある「博物館猫」の伝統を現代に受け継ぐ後継者として活動している。
骨目当てで来た人もふわふわの毛皮に魅了される
ボーン・ジョヴィの日々の業務のメインは、展示室のギャラリーをパトロールし、標本コレクションに異常がないか監視することだ。
パトロールに疲れたら受付にある専用の椅子でくつろぎ、のんびりと昼寝をする。
愛情深く、良く人間に話しかける。来館者やスタッフに対して「撫でろ」と要求するのも重要な任務の1つだ。
今では骨格標本と同じくらい、この猫を目当てに訪れる来館者が後を絶たない。
真剣に骨を見に来た人が、最後はふわふわの毛皮に魅了されて帰っていくというのも面白い話だ。
たくさんの骨に囲まれた空間で、ボーン・ジョヴィは自分に与えられた役割をこなしながら、多くの人々に癒しを与え続けている。
References: Bone Jovi — The Bone Museum[https://www.thebonemuseum.org/bone-jovi]











