スウィフト衛星を救うために旅立った旧世代旅客機、ロケットを送り出すことに成功!
ロケットを高高度に運んだロッキード社旅客機の生き残り、Image credit:NASA/Ron Beard

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 2026年6月、大気圏落下が迫るNASAの観測衛星スウィフトを救うため、旧世代旅客機の最後の生き残り、スターゲイザーがロケットを抱えて旅立っていった。

 その後の展開がついに明らかになった。

 スターゲイザーは2026年7月3日、南太平洋マーシャル諸島の上空約1万2000mで、ついにロケットを送り出すことに成功した。

 切り離されたロケットは点火し、スウィフトの軌道を押し上げるロボット宇宙機LINKを軌道へ届けた。

 製造から52年がたった老兵の旅客機が、同じ空で活躍している仲間のため、特殊な任務をやり遂げたのだ。

落下が迫るスウィフト衛星を救う史上初の作戦

 NASAの観測衛星スウィフトは、2004年11月にアメリカ・イギリス・イタリアが共同開発した宇宙望遠鏡で、宇宙で最も強力な爆発現象であるガンマ線バーストを21年間観測してきた。

 ところが、スウィフトの軌道は11年周期で活発化する太陽活動の影響で予想以上の速さで低下していた。

 スウィフトには自力で軌道を立て直す推進装置がない。このまま放置すれば2026年内に地球の大気圏へ突入するおそれがある。

 そこでNASAは米アリゾナ州のカタリスト・スペース・テクノロジーズ社に救出を依頼し、2026年5月、ロボット宇宙機LINKが完成した。

 LINKがもつ3本のロボットアームでスウィフトをつかみ、スウィフトを元の軌道の位置まで押し上げる計画だ。

 整備を想定していない衛星を後から押し上げるのは史上初の試みとなる。

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 LINKを宇宙へ運ぶのはノースロップ・グラマン社のペガサスXLロケットだ。

 高高度で空中から放たれてエンジンを点火する空中発射式で、1994年の初飛行以来、地上の発射場からは届きにくい特殊な軌道へ小型衛星を送り込んできた。

 使い捨て型で、2016年を最後に製造も打ち上げも途絶えたため、今回使う1本が最後の在庫となる。

 地上から自力で飛び立てないペガサスXLを高高度まで運ぶのが、ロッキードL-1011トライスターの「スターゲイザー」の役目となる。

 1974年に製造され、1994年にロケット運搬機へ改造されたロッキード社旅客機最後の生き残りで、今年で52歳になる。

 ロケット運搬機となって以来、ペガサスXLとは32年にわたってコンビを組んできた。

 最後の1本となったペガサスXLは、長年の相棒スターゲイザーに乗せられて引退飛行に臨む。

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スターゲイザーがロケットを送り出すことに成功

 さてここからが続編となる。

 2026年6月18日、ペガサスXLロケットを機体下部に抱えてアメリカ・バージニア州を発ったスターゲイザーは、南太平洋マーシャル諸島のクワジャリン環礁へ向かった。

 マーシャル諸島は、ハワイとオーストラリアのほぼ中間に浮かぶ島国だ。

 切り離しは当初6月27日に予定されていたが、天候の悪化で何度も先送りされた。

 7月2日の試みも、ロケットの航法システムに関わるソフトウェアの不具合で中止された。

 技術者がプログラムを更新して問題を解決し、翌日ようやく本番を迎えた。

 2026年7月3日、マーシャル諸島時間の午後8時36分、スターゲイザーはクワジャリン環礁の上空約1万2000mまで上昇した。

 そして狙った位置で、抱えていたペガサスXLを空へ送り出すことに成功したのだ!

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ロケットが点火し、LINKが軌道に到達

 スターゲイザーの手を離れたペガサスXLは、自由落下したのちエンジンを点火した。

 3段式のロケットが順に燃焼し、約10分でLINKを目指す軌道へ運び上げた。ペガサスにとっては通算46回目の打ち上げであり、これが最後だ。

 軌道に到達したLINKは、地上チームとの通信確立にも成功した。

 カタリスト社はまず、LINKの太陽電池パネルが開き、電力システムが正しく動いているかを確認する作業に入っている。

本当の難関はこれから

 打ち上げの成功は、救出作戦の入り口にすぎない。ここから先、LINKはいくつもの「初めての作業」を積み重ねていく。

 LINKはまず2~3週間かけてスウィフトを観測し、機体のどこをつかむのが最適かを見極める。

 スウィフトは20年以上も宇宙にあり、機体を覆う多層の断熱材が傷んだりずれたりしているおそれがあるからだ。

 かつてハッブル宇宙望遠鏡の修理でも、似た覆いがガラスのようにもろくなり、触れると砕ける状態になっていた。

 つかむ位置が決まったら、LINKは全長約3.9m、重さ約1452kgのスウィフトを3本のアームで確保する。

 そして3基のイオンエンジンをゆっくり噴かし、2~3か月かけて軌道を元の約600kmまで押し上げる。

 すべてが計画通りに進めば、スウィフトは今秋にも本来の観測を再開できる見込みだ。

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 整備を想定していない政府の衛星を、民間のロボット宇宙機がつかんで押し上げるのは史上初の挑戦になる。

 ただし、太陽が突然活発になってスウィフトの高度がさらに下がれば、作戦が狂うおそれもある。

 それでも、老兵スターゲイザーとペガサスXLは自分たちの仕事をやり切った。

 彼らに託されたバトンを持ったLINKの新たな戦いはこれから始まる。

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References: Mission To Boost NASA's Swift Launches From Marshall Islands - NASA Science[https://science.nasa.gov/blogs/swift/2026/07/03/mission-to-boost-nasas-swift-launches-from-marshall-islands/]

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