憧れの高校に入学した香穂は、高校生活に期待をふくらます。新しいクラス、部活、友情、そして恋愛――。
「顔」がわからない暮らし
リモートワークで一番やっかいだなと思ったのは、会議中に相手の顔が見えないことだった。仮に相手が画面をオンにしていても、さほど画質のよくない小さな四角い窓の中に、もっと小さな顔がある。賛成なのかイマイチなのか何も考えていないのか、表情が読めない。コミュニケーションの粒度がみるみる荒くなるのでなんだか感心してしまった。どれだけ顔頼みで私は生きてきたんだよ、と。ただ、そうも言ってられないので、問いかけたり相手の名前を呼んだりして、がんばってカバーしていくしかない。つまり、顔が見えていようが、そうでなかろうが、やりたいことややらなきゃいけないことは決まっている。
『香穂ちゃんは顔がわからない』の“林香穂”も、やりたいことは決まっていた。高校生活を楽しみたい。
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みんなのことを「よく知る」
人の顔や表情を識別できない相貌失認の特性は、本書によると成人の1~5%が該当するのだという。(※割合は程度により、諸説あります)
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新生活で「友だちができるかな、あの子と仲良くなれるかな」とドキドキするのは、おそらくみんな同じで、香穂も同じ。そんなときに彼女は何をするか。
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ということで、香穂の高校生活はスタート早々いろんなものと激突する。まず「香穂のノート」が大きな誤解を生んでしまう。判別のヒントのために自己紹介のキーワードや外見の特徴を必死にメモしていたものだったが、見ようによっては火種の宝庫のような存在だ。
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原作 : 青空 青豆
著 : 綾野 綾乃
高校生活に期待をふくらます。
新しいクラス、部活、友情、そして恋愛――。
しかし、彼女にはある特性があった……。
それは「人の顔や表情を判別できない」=『相貌失認』。
でも、人ってきっと顔だけじゃないから。 詳細を見る 既刊・関連作品
レビュアー
花森リド
ライター・コラムニスト。主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」などで執筆。
X(旧twitter):@LidoHanamori
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