世界各地で猛威を振るう異常気象の波が、日本列島にも押し寄せています。

北陸地方では「線状降水帯」の発生に伴い、石川県と富山県に一時「レベル5大雨特別警報」が発表されるなど、記録的な大雨に見舞われました。

約18万人に最高レベルの「緊急安全確保」が出されています。

一方で中国・ネパール国境地帯では土石流が発生し、死者は100人を超えています。

なぜこのような事態が起こっているのか――

今回の気象現象の背景やメカニズム、そして今後の見通しについて、MBS前田智宏気象予報士が解説します。

富山県と石川県に「レベル5大雨特別警報」発表 事前の想定を超える大雨に

8月26日夜から、27日朝にかけ、富山県と石川県に線状降水帯が発生し、気象庁は「レベル5大雨特別警報」を発表しました。約18万人に最高レベルの「緊急安全確保」が出されました。

富山県や石川県では27日夜からあすの朝にかけても強い雨が予想されていて、警戒が呼びかけられています。

大雨になるという見通し自体は事前にされていたものの、実際の雨量は想定を超える規模となりました。

警報が出ていない地域でも「線状降水帯」 

【突然の大雨なぜ】石川・富山に一時「レベル5大雨特別警報」台...の画像はこちら >>

27日午前6時の雨雲の動きを見ると、石川県から富山県にかけて西から東へ雨雲が連なるように押し寄せました。この地域で「線状降水帯」が発生したことにより、記録的な大雨がもたらされたのです。

時間の経過とともに発達した雨雲は徐々に南下。レベル5大雨特別警報が出された地域以外の場所でも雨雲がまとまり、石川県の加賀地方でも線状降水帯が発生しました。

さらに、この発達した雨雲は近畿地方にも流れ込んでいます。近畿北部を中心に発達した雨雲がかかっています。

北陸に大雨もたらしたメカニズム 台風が“アクセル”に?

【突然の大雨なぜ】石川・富山に一時「レベル5大雨特別警報」台風が“アクセル役”に?? 湿った空気が流れ込む…前線・高気圧・台風の位置関係がポイント(前田気象予報士解説)
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北陸地方でなぜこれほどまでの大雨となったのでしょうか。その要因は、東西に長く伸びる前線と高気圧、そして台風の位置関係にあります。

季節の変わり目に形成された前線の南側には夏の高気圧が存在し、さらに南西諸島から遠ざかりつつある台風18号が日本の近くに位置していました。

高気圧の周りを吹く時計回りの風に乗って、南からの湿った空気が西回りで北陸方面へ流れ込むような状況となっていました。

そして、台風の周りを吹く反時計回りの強い風が、前線に向かう湿った空気の流れ込みを加速させる「アクセル」のような役割を果たしました。これにより前線の活動が急速に活発化し、北陸地方に大雨をもたらしたのです。

なお、石川県では今年1月の豪雨の際にも、これと類似した気象配置が見られていました。

今後の予報:北陸では引き続き警戒を 近畿では「バケツをひっくり返したような雨」

今後の雨の見通しについて、北陸地方の雨は一時的に小康状態を迎えるものの、27日夜から28日の未明にかけて再び発達した雨雲が流れ込むと予想されています。

レベル5大雨特別警報が出された地域より南ではあるものの、前線の位置がずれる可能性もあるため、大雨特別警報が出されている地域を含め、石川県や富山県では引き続き警戒が必要となります。

雨の予想

27日午後6時から28日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  新潟県 150ミリ
  富山県 180ミリ
  石川県 150ミリ
  福井県 120ミリ
その後、28日午後6時から29日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  富山県 60ミリ
  石川県 80ミリ
  福井県 60ミリ

また、28日の日中からは雨雲が近畿地方へと大きく流れ込む見込みだということです。関西でも局地的にバケツをひっくり返したような激しい雨が降る恐れがあり、北部だけでなく中部や南部でも大雨に対する注意が必要です。

雨の予想

27日午後6時から28日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  近畿北部 150ミリ
  近畿中部 120ミリ
  近畿南部 80ミリ

近畿地方では、土曜日から日曜日ごろにかけて北部を中心に前線の影響が続く見通しです。雨の降るタイミングでは一時的に暑さが和らぐものの、期間の前半を中心に暑さが戻る日もあるため、大雨への備えとともに体調管理や暑さ対策にも十分な注意が必要です。

西日本は深刻な雨不足 早明浦ダムでは取水制限60%へ

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大雨被害が相次ぐ一方で、西日本では深刻な雨不足が続いている地域もあり、極端な状況となっています。

直近1か月半の降水量を平年と比較すると、西日本の広範囲が平年を下回っています。「平年の30%未満」という地域が軒並み広がっていて、近畿地方でも大阪では平年の41%、神戸で20%、奈良では9%と、1割にも満たない降水量にとどまっている地域もあります。

この雨不足の影響は水資源にも及んでいます。四国の水がめとして知られる早明浦ダムでは、貯水率が23.6%まで低下し(27日午前0時時点)、水面下の岩肌が大きく露出する事態となっています。

早明浦ダムは過去にも水不足が度々発生しているものの、ここまでの規模に達するのは極めて珍しいケースだと前田気象予報士は話します。

これまで20%に設定されていた取水制限は、28日から60%へと引き上げられることになっています。

これは18年ぶりの水準で、今後の水不足に対する懸念が強まっています。

中国・ネパール国境地帯では土石流発生 100人以上の死者

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世界各地で水害による被害が相次いでいます。

中国・チベット自治区に隣接するネパールのラスワ郡では26日、大規模な土石流が発生。地元警察などによりますと、少なくとも162人が死亡し、約540人が行方不明になっているということです。

行方不明者の中には外国人観光客も含まれ、現地の日本大使館によりますと日本人5人と連絡が取れていないと明らかにしています。

現地メディアは、地震で山の氷河や土砂が崩れて川がせき止められ、その後決壊したのではないかと伝えています。

また、諸説あるものの、要因の1つとして氷河が溶けて崩落した可能性が指摘されていることから、地球温暖化の影響を懸念する声も上がっています。

(2026年8月27日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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