発信者のありささんは、トラックの運転や積み込み作業といった仕事風景だけでなく、サウナや美容、休日の過ごし方など、自身のライフスタイルも発信。
YouTubeを始めたきっかけや家族との関係、これから挑戦したいことなどについて語ってもらった。
挫折を経験し、そこから火が付いた
――YouTubeチャンネルを始めたきっかけを教えてください。ありさ:トラックに乗り始めた頃は、ほんまにうまくいかないことばかりで、毎日のように失敗して落ち込んでいました。その時に見ていたのが、女性トラックYouTuberの「ばばし」さんが運営する「ばーしちゃんねる」だったんです。動画を見て、「自分だけじゃないんや」と思えて、すごく励まされましたし、「また頑張ろう」と思えるようになったんです。
その経験があったので、今度は私が誰かの励みになるような動画を発信したいと思って、YouTubeを始めました。YouTubeで元気をもらえたので、私の動画で少しでも元気になってくれる人が増えたらいいなと思っています。
――同じように悩んでいる人の力になれたら、という思いが原点なんですね。
ありさ:そうですね。自分も「これできるんちゃうかな」という気持ちで始めましたし、私の動画を見て、「自分も何か挑戦してみようかな」と思ってくれる人がいたら嬉しいです。
投稿を始め、日常生活にハリが出た
――どのような方に見てもらいたいですか?ありさ:特定の視聴層というよりも、今見てくださっている方が楽しんでくれたらいいなと思っています。今のところ、視聴者さんは男性の方が多いんです。なので、男性の方が見て「面白いな」「頑張ってるな」と思ってくれたら、それだけでも嬉しいですね。
――YouTubeを始めて半年ほどですが、登録者もかなり増えています。
ありさ:本当に気まぐれな感じでやらせてもらっているのですが、ありがたいことに増えてきました。最初はここまで見ていただけるとは思っていなかったので、応援してくださる方がいることが本当にありがたいです。
――YouTubeを始める前と比べて、生活は変わりましたか?
ありさ:すごく変わりました。以前は仕事をして終わる毎日でしたが、今は動画の企画を考えたり、撮影や編集について考えたりする時間が増えて、毎日がすごく充実しています。「今日はどんな動画を撮ろうかな」と考えることが日常になりました。応援してくださる方がいることで、何事にも前向きに取り組めるようになったと思います。
業務の合間を縫って企画を考える
――仕事中も動画のことを考えることはありますか?ありさ:あります。トラックに乗りながら、「今日はこんな動画を撮ろう」とか、「ライブ配信では何を話そう」とか、常に頭の中で考えています。仕事が終わった後に撮影することもありますし、ライブ配信もしています。常に何か考えている状態なので、落ち込むことを考える時間がなくなりました。前よりも、ずっと前向きに元気でいられるようになりましたね。
――仕事で起きた出来事も動画のネタになりますよね。
ありさ:そうなんです(笑)。ありがたいことに、失敗したことや大変だったことも、動画のネタになるんです。あと、同じような仕事をしている方にとっては参考になることもあるかもしれません。
――Youtubeチャンネルに関する作業は、ご自身で全て行っているんですか?
ありさ:企画、撮影、編集、投稿まで全て一人でやっています。最初は編集も全然分からなかったのですが、動画を作りながら少しずつ覚えてきました。撮影機材は、ポケットジンバルカメラと360度撮影ができるGoPro、それからスマホを使っています。編集はiPadで、簡単な編集アプリを使っています。すごく凝った編集をしているわけではなくて、見やすいようにシンプルに作っています。
動画を見た両親の反応は両極端だった
ありさ:本当に応援してくれています。母は動画を投稿したらすぐに見てくれますし、姉も弟も応援してくれています。弟はたまに動画にも出演してくれますし、姉の子どもは私と一緒にするライブ配信を楽しみにしてくれています。家族みんなが協力してくれていて、本当に感謝しています。
――最初からご両親にはYouTubeをやっていることを伝えていたんですか?
ありさ:実は最初は言っていなかったんです。
女性視聴者もじわじわと増えている
――現在の視聴者層について教えてください。ありさ:男性が8割くらいですね。年齢は30、40、50代の方が多いです。最近は、女性の方も少しずつ増えてきたのですが、それがめちゃめちゃ嬉しいんです。
――女性視聴者からの反応も増えているんですね。
ありさ:そうなんです。「何の化粧品を使っているんですか?」とか、「シャンプーは何を使っているんですか?」とか、美容に関する質問をいただくことが多いです。トラックドライバーとして見てくださっているだけではなく、普段の生活や美容の部分にも興味を持ってもらえているのは嬉しいですね。
――トラックだけではなく、サウナに入る動画も投稿されていますよね。
ありさ:そうですね。トラックドライバーの日常はもちろんですが、仕事だけではなく、休日の過ごし方や旅行、趣味など、自分らしい日常も発信していきたいと思っていますし、運送業界を知らない方でも楽しめる動画を作っていけたらいいなと思っています。サウナはほんまに好きで、仕事終わりにも行きますし、休日も行きます。トレーニングだったり、体を動かすことが好きな方も見てくださっているので、ライブ配信ではそういう話題でも盛り上がります。皆さんと一緒に話せる時間がすごく楽しいです。
――運送業界のイメージを変えたいという思いもありますか?
ありさ:できれば変えていきたいですね。女性って、キラキラしたものが好きなイメージがあると思うんです。美容やライフスタイルとトラックドライバーという仕事を掛け合わせて、「こういう働き方もあるんだ」と思ってもらえるような発信をしていきたいです。トラックドライバーという仕事は大変な部分もありますが、それだけではなく、楽しいことや魅力もたくさんあります。そういう部分をもっと知ってもらえたら嬉しいです。
運送業界の魅力を届けていきたい
ありさ:女性ドライバーがもっと働きやすい環境づくりにも挑戦してみたいです。
――弟さんもトラックドライバーとして働かれていますが、将来的にお父様の会社を継ぐ可能性もあるのでしょうか?
ありさ:正直、それしか考えていないと思います(笑)。弟は父の会社を助けるためという気持ちもありますが、それ以上にトラックそのものがほんまに好きなんだと思います。毎日洗車していますし、燃費もすごく気にしています。「これ以上スピードを出したらトラックがかわいそう」と言ったりもしますし、トラックへの愛着がすごいんです。
――弟さんは専用のトラックがあるんですか?
ありさ:そうですね。弟は自分のトラックがあります。私はいろいろなトラックに乗るんですが、弟は自分のトラックを大切に乗っています。デザインを変えたり、いろいろ手をかけたりしていて、結構お金もかけていると思います。トラックイベントなどにも興味があるみたいなので、今度一緒に行ってみたいですね。
――今後の夢を教えてください。
ありさ:夢はたくさんあります。一番の夢は、父の会社をもっと大きくすることです。
今はドライバーとして経験を積んでいますが、将来的には現場だけではなく、会社の成長にも貢献できる存在になりたいと思っています。
YouTubeを通して、トラックドライバーの魅力をもっと多くの方に知ってもらいたいです。「女性でもトラックドライバーになれるんだ」と思ってもらえるきっかけを作れたら嬉しいですし、将来的には自分のブランドやグッズを作ったり、日本全国や海外でいろいろな経験を発信したりすることにも挑戦したいです。
それと、近々オーストラリアにワーキングホリデーに行くことになりました。英語力を身につけながら、海外の物流や運送業について学び、さまざまな文化や価値観に触れながら成長していきたいと思います。
まだまだ夢はたくさんありますが、一つずつ挑戦を続けながら、自分自身も会社も成長していけたらいいなと思っています。
<取材・文/浜田哲男>
【浜田哲男】
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界を経て起業。「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。X(旧Twitter):@buhinton
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