◆「クロスロード ~救命救急の約束~」
今作は、“燃える理想”と“一筋縄ではいかない現実”の狭間で葛藤しながらも、命のバトンをつなぐためにともに立ち上がり、一歩ずつ成長していく若き救命医・救急隊員・警察官の、青くて熱い正義が交差するクロス医療ドラマ。
横浜湾岸病院・救命救急科で働く若き救命医・春木遥役を今田美桜、同じく救命救急科の経験豊富なエース救命医・桐生昴役を磯村が演じる。
◆磯村勇斗、内側に秘めた“熱さ”に共感
― 今回演じる桐生をどのような人物と捉えていますか?また共感できる部分があれば教えてください。
磯村:僕が演じる桐生は、一見クールに見えるのですが、心の中では本当に熱い思いを持って、日々患者と向き合っています。ドラマの後半で明かされる過去があり、それが医師を続けていく上での引っかかりとしてずっと残っています。その中で患者と向き合っているからこそ、“患者の生きることと死ぬこと”、いわゆる“医師がそれを救うか救わないか”という部分を常に自分に問いただし、ずっと葛藤している人です。表面にはそれが見えないのですが、内側では本当にずっともがいています。内側にあるその熱い思いというのは、自分自身と似ているといいますか、共感できる部分です。僕もあまり表に熱さを見せるタイプではないので、そこがすごく共鳴できるなと思いました。
― 救命医としての心の動きや感情、そういった部分はどのように学びましたか?
磯村:今回の自分のキャラクターは、実際に監修で入っている方の人生をモチーフにしているというお話を伺いました。年齢は自分より上の方なので、少しタイプは違うのですが、先生の喋り方を見たりなど、よく観察しています。あまり笑わない方なのですが、時々笑顔を見せてくれる瞬間もあって。
― リアルな現場は演じる上でのベースになっていらっしゃいますか?
磯村:なっていますが、これがまた難しくて。それをそのままやろうとすると、ドラマではエンターテインメントとして成立しなくなってしまう部分もあります。意外と現場では皆さん声を張らないですし、淡々と喋っていて、焦った感じがないんです。ですが、ドラマ的にそれをやってしまうとずっとフラットな状態になってしまうので、そこは少し大げさにといいますか、緊迫感を持った感じでやろう、というのは現場で生まれています。リアルを知っているからこそ、柔軟にその表現ができていると思います。
◆今田美桜と阿吽の呼吸「良い関係値でできている」
― 今田さんとは何度も共演されていますが、今回は先輩と後輩という関係性ですね。改めて今回一緒に演技をされてみて、新鮮に感じたことや、今までと違った新たな発見などはありましたか?
磯村:最初の共演は兄弟役だったと思うのですが、その当時から今も変わらず、現場で明るく振る舞っている今田さんはやはり素敵だなと思います。ですが、お芝居に対してのアグレッシブさやストイックさのようなものは、前よりも今のほうが強く感じています。今回は一緒のシーンが多いので、お互いにやりづらいところがあれば「どういう風にしていこうか」というお話をしたりもしています。
― 「意見を話し合おう」というのは自然となったのですか?
磯村:やはり何か分かるところがあって。お互いに「今上手くいってないよね」というのは分かるので、そういう時は自然と「やりづらくない?」と聞き合っています。それで「じゃあ、監督と話して少し調整しようか」などと進めています。
◆ “アクションと同じ解釈”で挑んだ手術シーン
― 専門用語に加えて手術の所作も苦労する部分なのかなと思うのですが、出演発表時の公式コメントでは“パンチやキックといったアクションと同じような解釈で覚えると、演じやすいことに気づいた”と話していましたね。
磯村:アクションも、右手でパンチを2回して、次に左でキックして、最後に回し蹴りで倒す…というように、手順が決まっていて、その間にセリフが入るか入らないか。手術もメスを入れて、開いて、機材で広げて、さらに内側の内膜を切って…というように、全部手順が決まっているんです。それさえ指先で覚えてしまえば、セリフがどうあったとしても崩れずに済むというのを、途中で気づきました。最初はセリフと手術をどうしてもセパレートに考えてしまっていたのですが、「これって完全にアクションだな」と気づいてからは、すごく自分の中で全部流れるようになりました。
― その解釈は、いつ頃思い浮かんだのでしょうか?
磯村:恐らく、第1話・第2話の医療リハーサルをしている時くらいに気づきました。
― 本作は医療現場で働いていない視聴者であっても、横浜湾岸病院の皆さんが働きながら成長していく姿に共感し、学べる部分が多い作品だと感じました。磯村さんは実際に演じてみて、ご自身の仕事に還元されたものはありますか?
磯村:今は撮影している最中で放送されていないので、自分の中でまだ消化しきれていないといいますか、はっきりしたことは言えないのですが、僕らの役者の仕事とはまた少し違うかもしれないです。
― 現実の医療現場に対して感じたことはありますか?
磯村:救命医の皆さんは強い思いがないと、決して続けられない仕事だと強く感じています。今回のドラマでフォーカスが当たって、「人を救うのに必要な砦なんだ」ということを、皆さんに知っていただけたら良いなと思います。
◆磯村勇斗が意識した目の芝居
― 「スーパードクターではないからこそ感情を大事にしている」というコメントも印象的でしたが、専門用語や緊迫したオペシーンの中で、リアルな感情を乗せるために意識していることを教えてください。
磯村:桐生は感情の起伏があまり見えないキャラクターではあるので、「今、桐生が何を見ているのか」という“目”です。感情を言葉にして投げられない分、目でその思いを伝えられるようにはしています。特に手術中のシーンはマスクを着用しているので、目の芝居を特に大切にしながら演じています。
― 本作は医療現場のリアルとともに、若者たちの葛藤や生き様も丁寧に描かれているそうですね。
磯村:今回の作品は「若者はいつだって正しい」という言葉が1つのテーマとしてあります。
― 磯村さんも現場でコミュニケーションを大事にされている?
磯村:大事にしています。やはり気になることや分からないことは口に出すようにしていますし、他愛もない話などのコミュニケーションを取って、相手がどんな人なのかなというのを見つけるようにしています。
― これまでの人生で「話し合ってよかった」と思うことはありますか?
磯村:学生の頃、校則が厳しい学校に通っていて、特に髪型が厳しかったんです。「これくらいの長さにしないとダメ」「ワックスは禁止だ」と。僕はそれに対してずっと反発していて、「自由であるべきだ」と言い続けていました。もちろんある程度の清潔感は守るけれど、ワックスをつけるつけないで僕らの学生生活は何も変わらないし、頭の良し悪しも関係ないので、「使わせてくれ!」って(笑)。先生たちからは当然反対されて、喧嘩もしたのですが、その次の年からワックスがOKになりました。
― 革命児ですね!
磯村:沼津の革命児です!すごく大げさですが…(笑)。
◆磯村勇斗の夢を叶える秘訣
― モデルプレス読者の中には、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そんな読者に向けて、磯村さんが今思う「夢を叶える秘訣」を教えてください。2023年10月、2025年7月のインタビューでは「口にしていくこと」と話していました。
磯村:自分がなぜ叶ったのかを考えると、やはり「口にしていくこと」というのは変わらなくて。加えて、周りのサポートもあると思います。どれだけ仲間を集められるかというのも、夢を叶えるためには必要な要素な気がします。それは一緒にやってくれる人でもいいですし、自分のできないところを支えてくれる人でも良い。そういう仲間というのは、夢を叶えるプロセスの中で必要なんだなと思います。
― 今思い浮かぶ“仲間”はどなたですか?
磯村:お世話になっている制作スタッフさんや、日々支えてくださっているマネージャーさんです!
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆磯村勇斗(いそむら・はやと)プロフィール
1992年9月11日生まれ、静岡県出身。「仮面ライダーゴースト」(2015)、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2017)などで幅広い層からの支持を獲得。
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