7月28日に発生した熊本地震では、真夏の猛暑の中、停電・断水し『暑さ対策』が大きな課題として浮かび上がった。特に体温が高い乳幼児はどのような備えが必要なのか。

防災士と一緒に考える。 

■「すごく怖い」乳幼児がいる家庭はどう備える?

【防災の日】“乳幼児”守る日頃の備え 授乳への不安・暑さ対策「避難所は何でも揃っているわけではない」防災士に聞く備蓄や衛生管理
NST新潟総合テレビ

8月25日、新潟市西蒲区の子育て支援センターを利用していた0歳~2歳の子どもがいる家族に災害時の不安な点について話を聞くと、「子どもが産まれてから、災害がすごく怖く感じた」「熊本地震では水や電気が何日も使えなかったり、避難所で何日もとなると大丈夫かなと、より心配になった」「何にも準備していないので、何から準備したらいいのかなと思って参加した」などの声があがった。

乳幼児は災害時へのどのような備えが必要なのか…。

この日、防災士の青柳麻紀さんが開いた防災講座で投げかけられたテーマが『真夏に停電した場合の熱中症対策について』だ。

■停電でクーラー使えない場合は…

【防災の日】“乳幼児”守る日頃の備え 授乳への不安・暑さ対策「避難所は何でも揃っているわけではない」防災士に聞く備蓄や衛生管理
日本防災士会新潟県支部 青柳麻紀さん

7月28日に発生した熊本地震の被災地では40℃を超える酷暑日もあった中、停電で電気が使えなくなる事態に。

30日には車中泊をしていた70代の女性が熱中症の疑いで死亡しているのが見つかった。

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NST新潟総合テレビ

日本防災士会新潟県支部の青柳麻紀さんは「車は数時間ならいいが、一晩過ごすとなるとリスクが高い」と注意を呼びかける。

クーラーが使えない中で効率的に体温を下げるために「保冷剤などで首・脇の下を冷やすことが大切」だと、その方法を紹介する。

日頃から8割ぐらいまで水を入れた500ミリのペットボトルを1人1日につき最低2本ストックしておき、その凍らせたペットボトルで首・脇・太ももの付け根や手のひらを冷やすことで体温を下げられるのだ。

1児の母・杉山萌奈アナウンサーが「子どもは冷房が効いた部屋でも汗をかきながら寝ているので、寝ている間の熱中症対策も気が抜けない。できる対策はあるか?」と青柳さんに尋ねると、「冷却シートや瞬間で凍る保冷剤・冷感シーツなどを用意しておくと役立つ」と様々な暑さ対策へのグッズを教えてくれた。

■「避難所は何でも揃っているわけではない」

【防災の日】“乳幼児”守る日頃の備え 授乳への不安・暑さ対策「避難所は何でも揃っているわけではない」防災士に聞く備蓄や衛生管理
NST新潟総合テレビ

また、水分や食事は熱中症対策に欠かせないが、青柳さんによると、液体ミルク・ベビー麦茶・離乳食などは新潟市の備蓄品に入っていないという。

「避難所に行けば何でも揃っていると思っている人もいるが、そうではない。おむつもないし、おしりふきもない。ないものだと思って日頃から用意しておくといい」

離乳食はレトルトパウチや瓶詰めのベビーフードの用意が必要。

日頃から使った分だけ新しく買い足し、一定量を家に備えるローリングストックが有効だ。

■授乳への備え「最近は液体ミルク活用」

【防災の日】“乳幼児”守る日頃の備え 授乳への不安・暑さ対策「避難所は何でも揃っているわけではない」防災士に聞く備蓄や衛生管理
佐久間沙都美さん

一方で0歳児の母親から多く聞かれたのは授乳に対する不安の声だ。

「私完全に母乳であげているので、あげられる場所とかも気を遣うし」「自分も(母乳が)出るのかどうか、精神的な感じで出なくなるとも聞いているから」

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液体ミルク

助産師で防災士の佐久間沙都美さんは災害時の授乳についても備えを呼びかけ、特に衛生管理には細心の注意を払ってほしいと話す。

「ミルクを溶くときのお湯は絶対に70℃以上。災害時であっても70℃以上のお湯で溶いて冷まして飲ませるのが基本。なかなか水がない、電気がないと難しいので、最近は『液体ミルク』が活用されている」

【防災の日】“乳幼児”守る日頃の備え 授乳への不安・暑さ対策「避難所は何でも揃っているわけではない」防災士に聞く備蓄や衛生管理
NST新潟総合テレビ

調乳する必要がなく、常温で保存できる『液体ミルク』は便利なものとして用意している家庭も多いと思うが、液体ミルクはアタッチメント・哺乳瓶用の乳首を付けて飲ませる必要があり、災害時でももちろんアタッチメントも哺乳瓶用の乳首も洗浄・消毒が必要だ。

熊本県八代市では1カ月経っても一部で断水が続いていた。

佐久間さんは十分に洗浄・消毒ができない時には『使い捨て紙コップ』で飲ませることを勧める。

「ミルクは紙コップに半分以上入れたほうが傾けやすいのでいい。まず赤ちゃんの下唇にカップの縁を添える。そして、傾けて上唇にミルクが触れると赤ちゃんがこっくん、こっくんと飲み始める。飲み始めたらカップは支えるだけで赤ちゃんのペースで飲むのをサポートする。無理に流し込むことはせず、コップを赤ちゃんの口に添える」

また、離乳食を与える月齢ではなくても、大きめの使い捨てスプーンを使って飲ませることもでき、産まれたばかりの赤ちゃんも飲めるという。



日頃から練習しておくことが、いざという時に役立ちそうだ。

■災害時でも普段どおりの授乳を

【防災の日】“乳幼児”守る日頃の備え 授乳への不安・暑さ対策「避難所は何でも揃っているわけではない」防災士に聞く備蓄や衛生管理
NST新潟総合テレビ

佐久間さんは2024年の能登半島地震で石川県輪島市の実家が被災した。

避難所ではプライバシーが確保できず、母乳をやめてしまうケースもみられたと言うが、「急激な緊張・不安・睡眠不足でどうしても母乳分泌が悪いと感じる場合があるが、水・電気・ガスがなくても母乳は続けられるので、母乳で育てているお母さんは災害だからといってミルクにするのではなく、普段どおり母乳を続けてほしい」と話す。

災害時でも普段どおりの授乳ができるように…周りにも衛生管理やプライバシーに配慮した空間づくりへの協力が求められている。

■子どもを抱っこするためにも避難時は両手を使える状態に

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そして、災害時こそ赤ちゃんを抱きしめてスキンシップをとることが大切だ。

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子どもを抱っこするためにも避難する際などに基本となるのは、両手を使える状態にすること。

懐中電灯ではなくヘッドライト、雨の場合はすぐに着られるポンチョの雨具を用意しておくと便利だ。

青柳さんは、大荷物を持っていくのは子どもと一緒だとなおさら大変なので「とりあえず1泊・一晩しのげる分を用意しておくととてもいい。あらかじめ考えたり、準備したりすることが、災害が起きた時に自分と子どもを守ることにつながっていく」と話す。

自分や子どもの命を守るためには備えや知識が大きな力となる。

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