世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令が確定した。最高裁が東京高裁の決定を支持し、教団側の特別抗告を棄却する決定を下したのだ。

 安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに高額献金被害が再び社会問題化し、進められた解散命令の司法手続きは、これで終結となる。しかし問題が全て解決したわけではない。
 最高裁は(1)1973~2022年の長期間、多額の財産被害が発生(2)日本の信者らに無理な援助を求める創始者の方針(3)献金勧誘の数値目標を定めるなどの組織的関与-といった点を指摘。その上で「法令に違反し、著しく公共の福祉を害した」と認定した。
 宗教法人法が要件とする「法令違反」を理由とした解散命令は、オウム真理教、明覚寺に続き3例目。民法上の不法行為を理由にしたのは初めてだ。
 解散命令が憲法20条が保障する「信教の自由」に反するとの教団側の主張に対しては、「命令は法人格を失わせるにとどまり、宗教団体としての存続は妨げられない」と説明する。
 信教の自由との兼ね合いを巡っては、オウム裁判でも論点となった。
 今回、最高裁は教団が不適切な勧誘行為を防ぐ実効性のある措置を講じなかったことも挙げ、「信者らの精神・宗教的側面への影響を考慮しても、解散は必要でやむを得ない」と結論付けたのだ。
 被害の大きさ、深刻さを考えれば、妥当といえるだろう。
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 今後の焦点は速やかな被害救済に移る。
 25年3月の東京地裁決定では、献金被害は少なくとも1500人超、約204億円に上るとされた。

 被害者らへの弁済などに向けた教団の清算手続きは既に始まっている。先月20日の受け付けから1カ月で61人の債権申し出があったという。
 亡くなった被害者の家族、信者を親に持ち損害賠償を求める「宗教2世」も対象になる。
 2世の中には、多額の献金のため困窮し進学を諦めたり、信仰や活動を強いられ精神的虐待を受けた人も少なくない。
 経済的被害だけでなく、精神的被害の回復も含め、広範な救済を目指すべきだ。
 潜在的被害者も放っておけない。一人でも多くの人が声を上げられるよう環境整備も求められる。
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 懸念は法人格が剥奪されても、宗教団体としては活動が続けられることである。別法人を使って違法献金勧誘が行われないか。
 解散命令が骨抜きにされないよう、関心を持ち続け注視しなければならない。
 被害が長期化、大規模化した背景に、政治の「お墨付き」が指摘される。
 裁判ではほとんど論点にならなかったが、教団と自民党議員の密接な関係が、被害を見えにくくしてきたのではないか。

 安倍氏ら歴代首相を含め、教団と政治の関わりという重要な問題をうやむやにしてはならない。
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