9月13日投開票の知事選に、過去最多の8氏が名乗りを上げている。うち有力3氏が政策を発表した。

 現職で3期目を目指す玉城デニー氏(66)と、いずれも新人で元那覇市副市長の古謝玄太氏(42)、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(65)は、米軍基地問題で異なる立場を取る。
 とりわけこれまでも大きな争点となってきた米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設で、違いが鮮明だ。
 一貫して反対する玉城氏は、「県民の民意を守り抜く」との姿勢を崩していない。普天間の早期閉鎖・返還を求め、政府との対話や地域外交で解決策を探る。
 古謝氏は「普天間の危険性除去が最優先」として、辺野古移設を現状で最も現実的な手段と容認する。返還時期の明確化などを政府に強く求める考えだ。
 下地氏は、現行計画を見直し、軟弱地盤を埋め立てずに「民軍共用やんばる国際空港」とする独自案を打ち出す。7年で完成させると目標を明記している。
 対立軸は単純な「反対か容認か」ではない。日米の返還合意から30年が経過する中、普天間飛行場の危険性を早急に除去する政策実現力が問われている。
 SACO最終報告は日米同盟強化と沖縄の負担軽減を柱とする。しかし、負担軽減は実感に乏しいどころか、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練や旧駐機場使用など、合意に反する動きも目立ってきた。

 目に見える負担軽減の道筋を政府に迫る毅然(きぜん)とした姿勢も求められる。
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 物価高対策も争点だ。食料品やエネルギー価格の上昇は生活を直撃している。
 玉城氏は「おきなわゆいまーる基金事業」の創設を目玉とする。現行制度の対象外となる非課税世帯などを支援し、社会保障の隙間を埋めるという。
 古謝氏は県民所得を10年後に500万円へ引き上げると数値目標を示す。物価高に苦しむ世帯へクーポンなどの給付を実施する他、手取り倍増も目指す。
 下地氏は家計負担を直接軽減する政策を前面に出す。地元企業ファーストで公共事業の受注機会を中小企業に広げ、地域経済の活性化を主張している。
 暮らし支援の具現化は待ったなしである。
 また、中小企業は仕入れ単価の上昇や価格転嫁の難しさで厳しい現状にある。
 賃上げと、足腰の強い経済の実現へ方向性を示してほしい。

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 沖縄の平和教育も岐路に立っている。3月に名護市辺野古沖で起きた船転覆事故を受け、平和学習や修学旅行で基地問題を避けるところも出てきた。
 しかし、沖縄戦と戦後の米軍統治、そこから現在の基地問題は地続きである。
 沖縄戦に特化し、基地問題を触れないのであれば、沖縄独自の歴史的視点を欠いたものになりかねない。
 「平和とは何か」を実践的に学ぶ場として、沖縄独自の平和教育を守り、育てていく必要がある。
 知事選ではその手だてを明示してもらいたい。
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