※本稿は、中野ジェームズ修一『大人気フィジカルトレーナーが本気で考えた 疲労回復の習慣』(日経ビジネス人文庫)の一部を再編集したものです。
■ハードルを下げて「趣味」を探す
本書で取り上げたストレスコーピングのひとつ、「ストレスを忘れる」では、ストレスを忘れられる趣味、娯楽、スポーツなどを持つことを勧めています。
講演で私がそんな話をすると、「私にはこれといった趣味がなく、気晴らしもありません。どうしたらいいですか?」という質問が出ることもあります。
心理学では、好奇心、興味、関心がまったくゼロという人はいないというのが定説になっています。“趣味”という言葉を使ってしまうとハードルが上がり、「紅茶が好きと言えば好きだけれど、TVドラマ『相棒』の杉下右京ほどマニアックではないし……」と謙遜したくなるのかもしれません。
“趣味”なんてないと思ったら、ハードルを下げて、自分の好奇心、興味、関心の在り処はどこだろうと考えてみてください。考えるだけではなく、一歩進んで手帳やスマホなどにリストアップして“見える化”してみましょう。
■スイーツ作りに挑戦してみた
自らの好奇心、興味、関心の在りかが明らかになったら、いちばんやりやすいものに取り組んでください。それで達成感が得られたら、脳内でドーパミンが分泌されますから、ストレスを忘れられます。
本来、ストレスによる疲労を、達成感でマスキングする(隠す)のは、決して褒められた行いではありません。疲れているのに、疲労を感じなくなったら、疲れへの対策を立てる気がなくなり、疲れが募るばかりです。
私自身、何回生まれ変わってもトレーナーになりたいと思っているくらい、この仕事が大好きです。ただ、好きすぎるあまり仕事に没頭する悪いクセがあり、疲れているという自覚がなくても、疲労が溜まっていることがあります。
私はスイーツを食べることが大好き。スイーツづくりには好奇心も関心もありましたが、自分にはできないと決めつけていました。ところが先日、自宅で仕事が早めに終わったので、ふと思い立って雑誌のレシピを参照してアップルパイをつくってみました。
夜遅かったので1切れしか食べられなかったのですが、想像以上にうまくできたので、大きな達成感が得られて仕事のストレスも忘れられました。
それまでストレスを忘れたいときは、ランニングをしていました。ランニングは肉体的な疲労を伴いますが、スイーツづくりは肉体的疲労とは無縁。これからも機会があれば、ストレスを忘れる手段としてスイーツづくりにチャレンジしたいと思っています。
TODO
ストレスを忘れられる趣味、娯楽、スポーツなどを持ってみよう
趣味というほどでなくても、自分の関心があることなら何でもいいからやってみる
“趣味”がなければ、興味を持った物事について、自分がどう捉えたかを書き出そう
■ストレスを「軽くできる可能性」のある食材
ストレスを消してくれる魔法の食べ物はないのですが、野菜や果物の摂取量を増やせば、ストレスを軽くできる可能性があります。
カギを握るのは、ビタミンC。
体内でビタミンCが大量に使われるのは①副腎、②免疫細胞、③眼球の3カ所であり、置かれた場所でそれぞれ疲労と戦っています。
①副腎は腎臓のうえにちょこんと乗っている小さな臓器。コレステロールを原料として、ホルモンをつくっています。
副腎が合成するホルモンの1つに、ストレスに対抗するコルチゾールがあります。ストレスが大きいとコルチゾールの必要量も増えますが、ビタミンCが足りないと、コレステロールがあってもコルチゾールの合成が滞るようになり、ストレスに対応できなくなって疲労からの回復が遅れるのです。
■キウイフルーツ、ピーマン、ブロッコリー
②免疫細胞は、体外から侵入してきたウイルスや細菌などの外敵に立ち向かい、病気を防いでくれる細胞です。彼らが外敵と戦うときには、大量の活性酸素が発生します。活性酸素は疲労の元凶ですが、ビタミンCには活性酸素を無力化する働きがあるため、免疫細胞が活発に働くほど、ビタミンCの必要度は高まります。
③眼球は、紫外線を含む日光に、皮膚のようなガードがなく、むき出しになっている唯一の臓器です。紫外線の直撃を受けると、やはり活性酸素が発生して疲労に結びつくため、抗酸化作用を持つビタミンCの助けが必須です。
ビタミンCは緑黄色野菜や果物などから摂れます。比較的手に入りやすいビタミンCの供給源をリストアップしました。ビタミンCは水に溶けやすい水溶性ビタミンです。摂り溜めはできませんから、日々の食事でコツコツと摂取してください。
●疲労軽減に役立つビタミンCを多く含む食材
赤ピーマン、黄ピーマン、ピーマン、ニガウリ(ゴーヤ)、ブロッコリー、カリフラワー、レッドキャベツ、キウイフルーツ、イチゴ、柿など
TODO
ビタミンCの摂取を毎日心がけよう
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中野 ジェームズ 修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)
フィジカルトレーナー
1971年生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士。アディダス契約アドバイザリー。日本では数少ない、メンタルとフィジカルの両面を指導できるスポーツトレーナー。トップアスリートや一般の個人契約者の、やる気を高めながら肉体改造を行うパーソナルトレーナーとして数多くのクライアントを持つ。現在は大学駅伝チームのトレーナーも務めつつ、講演会なども全国で精力的に行っている。
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(フィジカルトレーナー 中野 ジェームズ 修一)

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