腎臓の健康維持には、食生活で何に気をつけるといいか。練り物を食べることで血液をサラサラにする効果などが期待できるが、おでんを食べるときは注意したほうがいいという。
内科医の工藤孝文さんが監修した『「腎臓にいいこと」、ぜんぶ集めました。』(青春出版社)より、紹介する――。
※本稿は、工藤孝文(監修)、ホームライフ取材班(編)『「腎臓にいいこと」、ぜんぶ集めました。』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
■ハムやソーセージを買う前にみるべき表示欄
ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉はあまりヘルシーな食べものではない。こういうイメージを持っている人もいるだろう。どこが体に良くないかと問われたら、塩分や脂肪分が多いという答えが返ってきそうだ。
血圧を上げる塩分や、肥満につながる動物性脂肪の多さは、確かに気になるところだ。それに加えて、腎臓の健康を考えたら、食品添加物由来の無機リンが大量に含まれていることも見逃せない。
先の記事でお伝えした通り、食品に含まれるリンを摂り過ぎると、腎臓の調子が悪くなり、全身が大きなトラブルに見舞われる。一般的な食品に含まれる有機リンに対して、特に体内に吸収されやすい無機リンは要注意だ。
日本人の1日のリンの摂取量の基準は、男性が1000mg、女性が800mg。
これに対して、加工肉には100gあたり200~300mgほども含まれている。
ときどき、少し口にするのなら問題はない。しかし、たびたび大量に食べたら、吸収率の高い無機リンの摂り過ぎになる。ほどほどにしておくのが肝心だ。
食品添加物が使われた食品は好きじゃない。だから、ハムやソーセージなどを食べたいときは、買う前にパッケージを必ずチェック。「無塩せき」の表示があるものだけをカゴに入れる。
こんな買い方をすれば、加工肉から無機リンを摂取しないで済むような気がするかもしれない。ところが、まったく効果がない場合もあるので注意が必要だ。
「無塩せき」とは、イコール「無添加」ではない。肉のくすんだ色を鮮やかなピンク色にする「発色剤」を使っていないだけなのだ。発色剤の具体的な成分は「亜硝酸ナトリウム」や「硝酸カリウム」で、腎臓の負担となるリンとは関係ない。

つまり、無塩せきをうたっていても、リン酸塩を添加していることは十分あり得る。無機リンの摂取を抑えたいのなら、食品表示欄をもっと細かくチェックしよう。
■腎機能維持に試したいソーセージの調理法
ソーセージのシンプルな食べ方は、大きく分けて焼くかゆでるか。焼くと皮がパリッとして香ばしく、ゆでるとふっくらしてジューシーになる。どちらを選ぶかは好みだが、腎臓の健康を考えると、軍配が上がるのはゆでる調理法だ。
一般的な製造方法のソーセージには、リン酸塩が添加されており、相当な量の無機リンが含まれている。ゆでると、その一部がお湯の中に溶け出すので、体内に摂り込む量を減らすことができるのだ。
ソーセージのゆで方や時間を変えて、リンが失われる量を調べた実験がある。それによると、丸のまま3分間ゆでると9%、10分間ゆでると18.7%が溶け出した。
また、縦半分に切ってからゆでた場合、3分間で21%も減った。うま味も少々なくなるが、腎臓の検査数値が気になるのなら、試す価値は十分ある。
■血液サラサラ効果のある「ちくわの問題点」
魚のすり身を原料とするかまぼこや魚肉ソーセージ、揚げ物、ちくわ、はんぺんなどの練り物。
オメガ3系多価不飽和脂肪酸の「EPA(エイコサペンタエン酸)」と「DHA(ドコサヘキサエン酸)」が含まれ、食べると血液をサラサラにする効果などが期待できる。
とても体にいい食品のように思えるが、残念ながら問題点もある。食感を良くするために、添加物として無機リンが使われていることがあるのだ。
このため、練り物を食べるときも、やはり下ゆでをして食べたほうがいいだろう。また、煮物やおでんなどにした場合、煮汁やだしにリンが溶け出しているので、飲まないほうが無難だ。
腎臓の具合が気になるのなら、食べる回数を減らすのも重要で、毎日のように食卓に出すのはやめておこう。
■食べるときには、前もって下ゆでを
多くの加工食品には保存性を高めたり、食感を良くしたりするために、相当な量の塩が添加されている。
では、塩分の多そうな加工食品といえば、何を思い浮かべるだろう。ハムやソーセージなどの肉の加工品、漬物やキムチ、干物や塩ザケといったところではないか。
これらに加えて、忘れてはいけないのは魚のすり身を使った練り物だ。かまぼこやちくわを食べても、あまり塩味は感じないが、アジの干物や塩ザケと比べて、塩分が30%以上も多いことがある。毎日食べれば、塩分摂り過ぎにつながってしまう。

練り物には製造工程で、腎臓の負担となる無機リンが使われていることも少なくない。そこで、食べるときには、前もって下ゆでをしよう。お湯のなかに塩とリンが溶け出すので、腎臓にとってヘルシーな食べものになる。

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工藤 孝文(くどう・たかふみ)

内科医

工藤内科院長。福岡県みやま市の同医院で地域医療を行う。糖尿病内科、ダイエット外来、漢方医療を専門として、テレビや雑誌などでも活躍。著書に『痩せグセの法則』(枻出版社)ほか多数。

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(内科医 工藤 孝文)
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