中国メディアの環球網は17日、「日本の『介護危機』は世界への教訓」と題する、中国・天津財経大学財税・公共管理学院の金牛(ジン・ニウ)准教授による文章を紹介した。

文章はまず、2025年初めに日本のある学者が「日本は間もなく『介護崩壊元年』を迎える」と警告したと述べ、「現在、それは現実のものになりつつある。

かつて高齢者介護の手本とみなされていた日本は、介護職員の高齢化という危機に直面している」と指摘した。

そして、厚生労働省の試算として「日本は現在、240万人の介護職員が必要とされているが、すでに25万人の不足となっている。2040年までにこの数は57万人に拡大する可能性がある」と説明。「人手不足の問題で、日本の介護業界では『高齢者が高齢者を介護する』状況が常態化している」と述べ、「高齢化が進む中、高齢の介護職員の健康状態やサービス提供能力が人々の心配を呼んでいる」と説明した。

文章はまた、「こうした状況を生んだ原因は多方面に及ぶ」として、「日本社会では長年、介護職に対する評価があまり高くなく、賃金が低く仕事の負担が大きいため若者を吸引するのが困難」「経済的な要因で仕事を続けざるを得ない高齢者は多く、介護業界は目が向けられやすい就労先の一つになっている」との考えを示し、高齢者が介護職に就くことで短期的には人手不足や高齢者の収入問題が緩和されるものの、介護職員の高齢化現象をさらに進めることにもなっていると説明した。

一方、「こうしたやむを得ない就労は業界の発展にリスクをもたらしている」とも記し、「高齢の介護職員は腰痛などの職業病を抱える人が多く、労災事故の頻発やサービスの質を確保するのが難しいという問題がある。これに対して政府は政策を打ち出しているものの効果は限定的で、業界が抱える構造的な危機は高まり続けている」と指摘した。

文章は、「日本の介護危機は中国のシルバー経済の発展に対しても示唆を与えている」と述べ、「表面的な特徴から見ると、中国は高齢化の加速、高齢者人口の規模が大きい、介護職員の高齢化傾向といった点で日本と似ている」と指摘。その上で、「しかし中国と日本は発展の基盤や制度環境、人口構造の変化のペースに本質的な違いが存在することを明確にせねばならない」と論じた。

文章は「日本の失敗を教訓とし、中国の発展の実情を踏まえれば、中国は高齢者介護サービス人材の基盤強化に向けて四つの方面から着手できる」として、「人材育成体制を整え、キャリア形成の道筋を明確にすること」「賃金保障メカニズムを最適化し、職業への社会的評価を高めること」「テクノロジーの活用強化」「政府と企業が連携して取り組み、多様なサービス体系を整備すること」を挙げた。

また、「日本の介護危機は人口構造、社会制度、業界発展の長期にわたる不均衡がもたらした必然的な結果で、世界は高齢化に対応する上で参考にすることはできる。ただ、過度に心配する必要はない」と述べ、中国は高齢者福祉と介護関連産業を同時に発展させ、シルバー経済の成長機会を取り込んでいくとの考えを示した。

(翻訳・編集/野谷)

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