6月21日、大阪・BIGCATにて「ツタロックDIGライブvol.20-OSAKA-」が開催された。今、チェックしておきたい次世代のシーンの主役を集結させる「ツタロックDIG」。
大阪での開催は今年で5回目となり、ライブシーンで注目の6組が出演した。当日はW杯の日本対チュニジア戦があり、MCなどでそこに触れる出演者も多数。ただこちらもこちらで、今後このバラエティ豊かな6組が日本を代表する音楽を鳴らすと確信できる日になった。その様子をレポートする。

【写真】「ツタロックDIGライブvol.20」(全50枚)

セブンス・ベガ「上品でロックな新時代の魔法使い、参上」

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

セブンス・ベガ(Photo by キタムラショウタ)

トッパーは4ピースシティロックバンド、セブンス・ベガ。ショーのようなSE、麗人という言葉が相応しい白の衣装に身を包んで登場した彼女達は、早速ハイブリッドマイマイ(Dr)の演奏と、サコティッシュフォールド(Gt)とソラ(Ba)が前に出ていくなどして会場を沸かせると、シブヤカンナ(Gt.Vo)が右手でその喧騒をスッと止め「セブンス・ベガと申します。ツタロックDIG、楽しんでいきましょう!」と「卵と牛乳とレコード」を始める。シャレているメロディに、<レコード>と歌うコール&レスポンスが合わさる。その歌う輪はどんどん広まっていき、サビではフロア全体がクラップして飛び跳ねた。ソラも飛び跳ねたり、回転したり。曲中のポエトリーパートでは「大阪の皆さん、楽しんでますか?」とセリフも変え、きっちり心を掴むと、だんだんと季節が合ってきた夏歌「君とParadiso」へ。80年代の香りのするサウンドはビーチに誘いつつ、シブヤカンナのラップ調も入った力強くファンキーなボーカルは「その時代っぽさもありながら新しい」という、このバンドにしか出せないものを作るというこだわりを感じさせたし、<今日は帰さない>という歌詞は、本日のトッパーとして最高なイベントにする強い意志も感じた。
3曲目「Hey!Crush!」もソラのレクチャーもあって、全体からしっかりコール&レスポンスが起こる。あぁワンマンライブもこんな感じで楽しいんだろうなと容易に想像ができ、既にワンマンツアー完売してることが悔しい。ノリノリな雰囲気から良い味変となるサコティッシュフォールドのギターソロもカッコよかった。

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

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次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

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MCに入り、シブヤカンナとソラが感謝を伝え、ドラマ『多すぎる恋と殺人』に4月リリースの楽曲「魔法がとける前に」が主題歌として起用されていることを伝え「大阪の皆さんに魔法をかけたいと思います」とホーリーなギターを響かせて曲をスタート。ミステリアスな雰囲気を携えながら広がっていくサウンドと、時に素直な純愛が覗く歌詞のバランス、2番に入ると変化する展開があって、このバンドの引き出しの多さと惹きつけ力の高さに驚く。ここに「魅惑のバニラ」を投入してきたものだから、より甘美な世界から抜け出せない。それを可能にするハイブリッドマイマイの繊細な音のコントロールを感じるドラムに代表される4人の音の緻密さ。それがあるからシブヤカンナがボーカルや演奏にパワフルさを出すタイミングではグッとくる。フロアもそれを五感で味わい、クラップやワイパーもして楽しんでいた。

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ソラからニュースレター会員についてや、その会員限定ワンマンライブ(12月7日・東京キネマ倶楽部)のことなどを伝えた後、多くの人に知られるきっかけになった1曲「東京ラブストーリー」を演奏。一瞬で、そして一気に全員をシャレたオープンカーに乗せ、大阪の昼の屋内に本来あるはずのない、東京の気持ちの良い夜風を吹かせた。浴びたフロアはもちろん身体全体でリズムを取る。
ソラとサコティッシュフォールドのソロプレイでも沸かせた。そして最後は「Slump!」。前曲の深夜高速ドライブのスピード感をより加速させたようなエモーショナルな曲で、印象的なアウトロもあって右肩上がりに力強い印象を残したままライブは終了。随所に品格やアイデアを溢れさせながら、トッパーを務めるロックバンドとして勢いをつける役目を見事完遂した。

【セットリスト】
1. 卵と牛乳とレコード
2. 君とParadiso
3. Hey!Crush!
4. 魔法がとける前に
5. 魅惑のバニラ
6. 東京ラブストーリー
7. Slump!

the bercedes menz「痛快!J-POP日本代表の得点力」

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the bercedes menz(Photo by キタムラショウタ)

上手からドラム、ベース、ギターと並べてセッティングし、アンプの位置も普通より近くに感じる攻撃的布陣。リハーサルから感じたその轟音は、どのような35分をもたらしてくれるのかワクワクしていると、3人は板付のまま田中喉笛(Ba)がまずベースを響かせて、「the anomaly」でライブスタート。ワダカズナリ(Vo.Gt)のオートチューンのかかった歌声と田中のコーラスのハーモニーは意外にも優しく、ヤマ(Dr)のドラム始め、もちろん迫力のある音ではあるが、しっかり心の繊細な揺らぎにも寄り添ってくれるような楽曲であり、フロアも心を預けてクラップして応えていた。演出上、客電は完全に落とし、ステージの照明も暗めなので、後方からは3人の表情こそ見えないが「楽しい」という感じは早くも伝わった。続く「pile bunker」は真っ直ぐ硬質的な音が貫いてくる。田中の曲紹介で「邦ロックの盛り上がる感じのやつをやろうとした」とあったが、シャウトも含めここまできっちり中心を狙い撃てるのは、さすがハードコア”J-POP”バンドを掲げて活躍しているだけあると感じた。「行為する惑星」も激しさの中に丁寧に段階的に痛快さが増していく展開だから常に興奮させられる。ワダも昇天的に気持ち良さそうに歌ったり、クラップを促したりし、最後は「サンキュー!」と伝えた。


次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

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Photo by キタムラショウタ

MCでは改めてワダが「めっちゃありがとう!」とディレイをかけながら伝える。「日本代表が試合をやっている中でこれだけの人が見てくれているのが、とてもすごいことだと思います。僕たちも世界大会に向けて、the bercedes menzの選抜メンバーを揃えました(田中「え?」)。僕たちがあなたの心にゴールを決めたいと思います! そんなメンバーを紹介します。赤色担当、ワダカズナリです」「水色担当、田中喉笛です。黄色担当ドラムス、ヤマ!」「ヤマでーす!」と挨拶して即「little black dress」を演奏。歌詞が届くと、どこか今日の出会いの強い喜びを感じさせた。

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Photo by キタムラショウタ

ここからはノンストップで駆け抜けていく。「SMAP」のJOYの成分はきっちり広まって体を揺らし、「only god discotheque」は爽やかで晴れやかなサウンドが止めどなく届いてきて会場の心拍数が上がっていく一方。「あーもう」は、この<あーもう!>と歌う部分がキャッチーで、フロアも一緒に歌っていた。「幸福な子供たち」はワダの歌い出しから全体を引き込むと、その慈しみのある曲の温度がしっかり包む。このバンドはアングラなイメージも強いものの、楽曲もワダの歌声も本当に感情豊かに素直に煌めいて、聴いていくといつの間にか心の付き物が落ちている感覚がある。
そして「最後の曲はもちろん!」と言って「thunder love」で締め。痺れるビートで脳髄までしっかり届き渡る。どこまでも上っていくようなクライマックスを歌い切ると「ありがとうございましたー!」と言って、3人はステージを後にした。

期待した35分はハードながらも、脈々と受け継がれるJ-POPのDNAが入った日本人のツボを押さえ続けられ、宣言通りゴールを決め続けた35分だった。

【セットリスト】
1. the anomaly
2. pile bunker
3. 行為する惑星
4. little black dress
5. SMAP
6. only god discotheque
7. あーもう
8. 幸福な子供たち
9. thunder love

Cloudy「4年後はスタジアムで」

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Cloudy(Photo by キタムラショウタ)

小柴タケト(Vo.Gt)がいつものように不敵に両手を広げながら登場し「Cloudyです。どうぞよろしく」と言い、ピンスポットの下で「捧ぐ」の歌い出しを弾き語る。そしてステージ全体に照明が当てられると、待ってましたかのようにキノシタハルト(Gt)と守屋浩次(Ba)が前に出て音を届ける。Bメロの情感がこもっているからこそ冷たく感じるメロディから、堰を切ったようなサビの勢いには、フロアも力強い拳で応えざるを得ない。同居する味わい深いストーリー性のある歌詞に、小柴も没入しながら歌い、演奏する姿と、どんな起伏のある感情でも受け止める強固な土台となっているおおつかつばさ(Dr)の演奏は、生々しい男の生き様をより伝えて熱くさせる。続く「安い映画」でも小柴はフロアや空を指差して、このバンドの物語に聴き手を参加させてくれる。このただひたすらにカッコいいと思えるロックの衝動を、自分事のようにしてくれるのが、このバンドの魅力だと感じた。

「孤軍奮闘歌」は古き良き時代劇にも合いそうなイントロが魅力的で、戦前に士気を上げる武士の姿が見えた。
一転「サミダレ」は物憂げなメロディ。どんどん激しくなる粒立った、いや雨粒立ったとも言えるサウンド展開も心を打つ。フロアも誰かの声を思い出しながら拳を上げている表情。最後のおおつかの激しいビートと照明の合わさりは豪雨そのもの。そこにセンチメンタルに絡むギターとベースの音、その雨に濡れるように歌う小柴も絵になっていた。

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

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Photo by キタムラショウタ

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

「あんまり対バンイベントではMCしないんですけど、なんで今日こんな風にしゃべっているか。それはそう、W杯があったから」と小柴が話す。小中高サッカー部でサッカーが大好きな小柴は出番ギリギリまで見ていたと言い、勝利をフロアと喜ぶ。「そういうことで非常に機嫌が良いので、Cloudy史上初、カバーをやりたいと思います!」と告げ、サッカー日本代表の応援歌でお馴染みの「VAMOS NIPPON」をしっかり彼ららしいロックサウンドに乗せて、<オー! 日本!>とフロアと一緒に大声で歌った。

そこから「エルザ」に入るという恐らく今日だけのリレー。キノシタと守屋もサッカーの応援のように飛び跳ねて演奏する。今回はより次戦への結束を高めるような曲にも聴こえ、最後方まで笑顔が広がっていた。
そこからの「絶望通り」も縦横無尽にロックメロディが駆け巡る。メロディの運動量が豊富だ。絶好調の彼らは「バンドマンと金髪女」「優しさを失くした」にもノンストップで入って猛攻が止まらない。最後はショートチューン「さめない夢」もブチ込んでハットトリック。いや、何点取ったかは数え切れないか。「またやろうぜ!」と言ってライブを終了していたが、その場所を積み重ねた結果、4年後は互いにサムライブルーのユニフォームを着て、スタジアムの大観衆の中で歌っているかもしれない。

前半は情感たっぷりに物語に没入させ、後半は圧倒的突破力で魅せてくれたライブだった。

【セットリスト】
1. 捧ぐ
2. 安い映画
3. 孤軍奮闘歌
4. サミダレ
VAMOS NIPPON(サッカー日本代表応援歌カバー)
5. エルザ
6. 絶望通り
7. バンドマンと金髪女
8. 優しさを失くした
9. さめない夢

ちゃくら「全員全身全霊は変わらず、全力進化中」

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

ちゃくら(Photo by キタムラショウタ)

ツタロックDIG初出演の喜びはリハーサルから爆発。本編の登場も気合十分で、ワキタルル(Ba.Cho)は早速ステージから身を乗り出して、フロアのお客さんの腕を掴んで叫んでいた。オリジナルSEで全体の一体感を早くも高めると、「ちゃくら始めまーす!」とワキタが叫んで「19才」をメンバー4人がアカペラで歌い出す。フロアも美しい拳が多く上がり、「せーの!」の合図で<19才!>と全体で叫んでからは、そのまま全員が全身を動かしながら全力で骨太のロックを楽しむ。「もういいよ、おやすみ」に入ってからも煽りは止まらず、サクラ(Vo.Gt)とまお(Gt)も前に出てグルーヴを高める。真っ直ぐに熱気を高めていく、いつものライブハウスでの姿勢をBIGCATのツタロックDIGという場面でも変わらず貫き通していた。「まるで駄目な女子高生はバンドマンになった」は「19才」からの流れもあってか、彼女たちがバンドマンとして成長していく過程がより伝わってきた。勢いだけでなく、まおの闇夜の中で”君”という僅かな光を頼りに前へ進むような、ストーリー性を感じる繊細なギターソロからもそれを感じ取れた。

「改めて初めましてツタロックDIG。ちゃくらです。よろしくお願いします!」と挨拶をすると大きな拍手。「今日ちゃんとあなたと出会って帰れるような1日にしたいです! よろしくお願いします!」と伝えると、発売されたばかりのメジャーデビューミニアルバムから「ドール」を披露。危険性さえ感じる色気のある楽曲で、葉弥のドラムにも大人の品を感じるし、ワキタのベースもスモーキーで、捉えどころがなくて底知れない女心を表現しているようだった。そこからの「inst 2」は一転、あの青春のひと夏に戻るようなノスタルジックなギター。これで心が完全にあの夏に戻って始まったのは新曲「夏をかける少女」。もちろんライブハウスバンドという下地は変わらないが、サクラの歌声の表現力の幅も含め、きっちりドラマチックな世界に誘うこの展開は、メジャーアーティストという肩書きを背負ったアーティストとしての創作の意地を感じた。そんな姿をセブンス・ベガの4人もじっくり聴いていた。

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

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次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

最終盤は再びガツンとロックモードへ。「御守りの歌」という「いびつな愛ですが」は歌詞通り、その手を本気で取って離さない気持ちが伝わってくる。バンド側から良い意味でここまで一方的に絆を繋ごうとしてくれるのは単純に嬉しい。そして最後は「ガールズバンドは死なない」。真っ赤な照明に照らされる4人はガールズバンドとして燃え盛る情熱の炎にも見えるし、常に全力でギリギリで生きている傷だらけの生命のアラートにも見える。そんな何もかも曝け出したロックバンドからの<君が君を忘れないために 私に助けてと言って欲しいよ><ガールズバンドの未来は続く>という力強い決意を込めた歌詞が届くと、今後の人生に安心感が確実に足されたし、真っ直ぐに自分の人生を頑張りたいと思えた。「君と泣いて、君と生きていくガールズロックバンド」の真骨頂をしっかり見せつけた1日だった。

【セットリスト】
1. 19才
2. もういいよ、おやすみ
3. まるで駄目な女子高生はバンドマンになった
4. ドール
5. inst 2
6. 夏をかける少女
7. いびつな愛ですが
8. ガールズバンドは死なない

Dannie May「最高の日曜日」

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Dannie May(Photo by キタムラショウタ)

1曲目「ええじゃないか」からタオルを回すパーティタイム! マサ(Vo.Gt)、田中タリラ(Vo.Key)、Yuno(Vo.Kantoku)のフロントの3人はもちろん、成瀬太智(Sup.Dr)、西月麗音(Sup.Ba)のサポートの2人も煽る。個人的にベースを入れた5人体制の彼らを見るのは初めてだったが、西月の心からクリエイティブポップを楽しみながらプレイする様子は、さらにDannie Mayの出す多幸感を引き上げていた。フロアも<フッフー♪>と楽しく声を出す。マサも「大阪ー!」と叫び、最後は美声あり、シャウトありで盛り上げた。「踊ろう、大阪!」という言葉で止まらず始まったのは「アストロビート」。5人に合わせて全体がサイドステップする光景は圧巻。巧みなマイクワークから生まれるカラフルなサウンドは、フロアのコール&レスポンスも引き出し、時間が進むにつれて会場にキラキラを充満させる。マサもギターソロで沸かし、タリラは成瀬のシンバルをぶっ叩いていた。続く「ダンシングマニア」はさらに狂乱性を増したダンスビート。時に”静”を使ったり、緩急もあるから、「跳べ」の合図で、よりサビで体を飛び跳ねさせちゃうんですね。圧倒的な支配力を見せ「俺たちがDannie Mayです。どうぞよろしく」と締めると、大歓声が起こった。

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

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MCに入ると、週の始まりは何曜日か?トークと「2年前に誘われていたけどワンマンと被っていて……ツーステでも出たかった! 2年越しに出れて嬉しい」という念願の気持ちを伝える。W杯勝利にも触れ、それについて30分話せるというマサは「今日は血が滾っているわけですよ! バンド的にも今日で忙しさが一段落するので、ライブが終わったら大阪の酒を全部無くそうと思っています。その前に皆さんと最高の時間を作りたいと思いますがいけますか!」と煽り、「エッチなとこ見せます」と「色欲」を演奏。言う通り腰にもクる艶かしいビート。サビではワイパーもして体を揺らす。音程の階段を行ったり来たりする3人のマイクワークや、セッション的な間奏でも色気を増してくる。そのまま「行こうぜ大阪ー! <数%の胸騒ぎ>」と歌って「ネガティヴジャンキー」へ。こちらは日本語の持つ趣きも特に活かされたようなダンスナンバーで、お祭り騒ぎは止まらない。「未完成婚姻論」も、また大人のミステリアスさを醸し出してからの、サビの<結婚しましょう そうしましょう>というフレーズがキャッチーでついつい歌ってしまう。誰もがつられて契りを交わして踊ってしまう言葉と音楽の強力な魔力を浴びせていた。

最後のMCでマサは「6バンドもいたら、お目当てのバンド以外も「見てみよ」となると思うけど、そういうお客さんに対してもどれだけやれるかだと思うんです。後ろのお客さんもノってくれて嬉しい。よし! もう一踏ん張り。後ろの人も前に詰めようか?」と伝えると、景色が変わり喜ぶメンバー。そこにはトリのリュックと添い寝ごはんにも繋げて、イベントを少しでも良くしたいという気持ちが伝わった。「せっかくの日曜なので、でっかい音を聴いて騒ぎましょう!」と伝えて最後は「カオカオ」。変わらぬ巧みなボーカルコンビネーション、加えてYunoのダンスでも盛り上げた。Yunoが「楽しかったかー! 笑顔になれたかー! 最高の日曜日にして帰れよ!」と叫んでからのラストスパートももちろん狂乱のダンスタイム。このまま夜明けまで、彼らの音楽に乗せて勝利の美酒に酔いながら踊り狂いたいという気持ちになったが、ここで終了。続きは10月の同会場でのワンマンで。

【セットリスト】
1. ええじゃないか
2. アストロビート
3. ダンシングマニア
4. 色欲
5. ネガティヴジャンキー
6. 未完成婚姻論
7. カオカオ

リュックと添い寝ごはん「これからもずっと愛を歌い続ける」

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

リュックと添い寝ごはん(Photo by キタムラショウタ)

トリを務めるのはリュックと添い寝ごはん。松本ユウ(Vo.Gt)はクールにも意気に感じているストーリーを投稿していたし、ぬん(Gt)も登場からフロアを強く煽っていた。

どんどんスケールが広がるイントロを鳴らし「風は山から」を始める。ゴツゴツとした感触のサウンドと、松本の優しいボーカルは、まさに山の雄大さと風の心地よさを同時に表現している。サビでの堂免英敬(Ba)と宮澤あかり(Dr)のコーラスも効果的で、ぬんのギターソロも当然カッコいい。4ピースバンドのできることを余すことなく、意味を持って鳴らしていることがよく伝わった。曲を終えると松本が「リュックと添い寝ごはんです。どうぞよろしく!」と力強く挨拶し「恋をして」へ。メロディに疾走感が増し、クラップが巻き起こると「ツタロックいけるかい!」と言って始まったサビではフロアも手をしっかり振る。そこには長時間ライブを見てきた疲れなど微塵も感じなかった。それは次の「Be My Baby」でも変わらない。それを可能にしたのは、終始力強さと少し脱力感のあるサウンド、それを堂免が体を仰け反りながら全身で鳴らす姿や笑顔でタフな演奏をする宮澤、ぬんのリズミカルなギター、そして松本のフロントマンとして引っ張る姿だった。当然、自然とコール&レスポンスの声は大きくなっていった。

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

MCで松本は感謝を告げた後「今日はいろんな音楽が聴けた1日だったと思います。こういう特別な日に僕らの音楽が届けられて嬉しく思いますし、僕らの時間は自由気ままに踊りまくってほしいと思いますし、W杯も勝ちましたので今日はもうご機嫌モードで、ゆったりと楽しんでいきましょう!」と伝えて「敵いませんかね」へ。まるで友人と叶わない恋の話をカフェでするような穏やかな歌。ただメリハリを利かしたメロディからは、諦められない強い気持ちが伝わった。

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

Photo by キタムラショウタ

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そこからドラムカウント始まりで、心の隙間の奥に入り込むような不思議なメロディが流れ、じんわり会場を掌握すると「恋煩い」へ。そのサウンドとステージ上に合わせてフロア全体もサイドステップを始めるが、同じ動きでもDannie Mayの時とは違う心持ちでの揺れ方に見えるのが音楽の面白いところ。不思議な掌握は続いたまま、今度は中国の宮殿が見えてくるイントロ。「天国街道」だ。松本も宮澤も大きなアクションで鳴らし「Are you Ready⁉︎」と叫んで、ぬんと堂免もお立ち台に登って演奏。放浪感と中国の広大な土地のスケールを感じるサウンドで<踊らなにゃ損々>な天国をフロアと一緒に作っていた。「まだまだ踊れますか?」と畳み掛けるように「会社員」へ。「仕事さえ終われば自分の時間!」というのが、しっかり伝わる軽快な曲で会場の楽しい空気は拡大し、笛の演奏もキマった松本も「最高!」と叫んだ。

最後のMCで松本は「めちゃめちゃ楽しい。ずっと愛を歌い続けています。音楽は踊ってナンボと歌い続けています。きっと日々生きてく中で、AIと向き合うことになると思うけど、僕たちはステージで愛を、音楽愛をこれから先も歌い続けていきます。僕は今すごく心が空っぽなんですよ。だけどこうやってライブができて笑顔で踊ってる姿を見ることができて、なんかその空っぽの心が埋まっていく感覚が今日あります。本当にありがとうございます。今日のような笑顔とあなた達の笑顔を守っていきたい。辛くなったらまた音楽で分かち合っていきましょう。だって人と人だから。それが一番美しいし、それが愛だと思ってます。これからもどうぞよろしくお願いします」と話し、大きな拍手が起こる。そして「ずっと出たかったツタロック、今日の出演者、ここにいるあなた達、そして音楽に大きな愛を込めて歌いたいと思います」と話し「Thank you for the music」を届けた。手作りな音楽、ライブならではの温かみが、この今だからこそより伝わる。<音を繋いでいく 紡いでいく 素晴らしい今日に愛を>という歌詞は、ツタロックDIGの意義や今日1日のことを歌っているようにも聴こえた。そしてお客さんも含め、この場にいる全員がどんな時代でも楽しい音楽体験と愛を未来に繋ぐ日本代表になった時間だった。最後に「また必ずライブハウスで会いましょう。ありがとう!」と伝え、1人1人が温かい拍手を送り、今年のツタロックDIG大阪は終演した。

次世代を担う6組が大阪で鳴らした未来への音楽「ツタロックDIGライブvol.20」現地レポ

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【セットリスト】
1. 風は山から
2. 恋をして
3. Be My Baby
4. 敵いませんかね
5. 恋煩い
6. 天国街道
7. 会社員
8. Thank you for the music
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