スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】

幾何学パターンでありつつ、しなやかな有機性を感じる独自のシルエットに新たな解釈を加えた。可視化された初のスケルトンスタイルに、研ぎ澄まされたムーブメントが浮かぶ。

[エルメス]
HERMÈS
[エルメスH08 スケレット]
HERMÈS H08 SQUELETTE

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©Joël Von Allmen

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】
©Joël Von Allmen
クッションケースと文字盤に描かれた円と正方形のフォルムを、中央のミニッツトラックや数字タイポグラフィにも展開する。スケルトナイズされたムーブメントは3年をかけて開発され、ローターも全体のフォルムに合わせて設計された。コレクション名は無の0と無限の8に由来し、時に対するブランド哲学を込める。ケース径39㎜、自動巻き、チタンケース、ラバーストラップ、100m防水。予定価格346万5000円(エルメス/エルメスジャポン)

“エルメスH08”のコレクション
2021年
フルブラック


スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】
©Joël Von Allmen
デビュー時には超軽量の新素材を採用し、そのデザインを飾った。ケース径39㎜、自動巻き、グラフェン複合素材ケース×セラミックベゼル、ラバーストラップ、100 m防水。161万7000円(エルメス/エルメスジャポン)

2023年
カラーバリエーション


スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】
©Joël Von Allmen
アルミ加工グラスファイバーに樹脂とスレートパウダーを配合したケースに、ベゼルはセラミック。ケース径39㎜、自動巻き、複合素材ケース、ラバーストラップ、100 m防水。140万8000円(エルメス/エルメスジャポン)

2026年
スケルトンのカラーバリエーション

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】

©Joël Von Allmen

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】

©Joël Von Allmen

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】

©Joël Von Allmen

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】

©Joël Von Allmen

 インデックスにはブルーまたはグレーのルミノバを施し、編み込みデザインのラバーストラップには、ブラック、ブルー・ザンジバル、ブルー・アビス、デューンなどのカラーバリエーションを揃える。

スケルトンの構造美が
新たなスタイルを構築する

今年、37年にわたって〈エルメス〉のメンズの世界を率いてきたアーティスティック・ディレクターのヴェロニク・ニシャニアンが退任した。自身は、いいものを作るためには時間をかけるというスタンスを崩さず、流行を追わない主義はメゾンと呼応すると語っている。

〈エルメス〉にマーケティングはないといわれる。

クライアントの要求に応えるのではなく、思いもよらないものを新たに作り出すことであり、それが孤高の存在たらしめる理由のひとつだろう。

ヴェロニクのデザインは、唯一無二のスタイルを語る象徴となり、ファッションを超え、バッグやアクセサリーとも一体感を育んできた。時計もその完璧な円環にあるのは言うまでもない。“エルメスH08”はまさにそこから生まれた。

円と正方形という相反するフォルムが織りなす独自のシルエットは、絶妙なコントラストと調和が楽しめる。2021年の登場以降、多彩な素材やカラーを展開し、新作はスポーティなデザインに初のスケルトン仕様を加えた。

文字盤を省き、ケースと統一したチタン素材を用いたムーブメントには大胆なオープンワークを施す。丸みを帯びた正方形をシンボリックにあしらい、ブリッジは建築物のトラス構造を思わせ、柱や梁、床などの構造躯体だけを残した建築用語のスケルトンと呼ぶにふさわしい。

すべてを取り払った美しき骨格からどんな発想が生まれ、創造性豊かなスタイルが築き上げられていくのだろう。それこそがヴェロニクが思い描いた男性像なのかも知れない。

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】
©David Marchon
コレクション初のスケルトンに対し、ムーブメントも新たに開発された。搭載するH1978Sはメゾン初のチタン製の地板とブリッジを採用し、ローターのフォルムもケースと統一された。
 

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】
©David Marchon
エルメスH08のスケルトン専用ムーブメントとして、ケースと同じクッション型に別体のセコンドトラックも同形で設計する。地板にはトラス構造状にオープンワークが施され、堅牢性と機械美を両立する。

スポーツエレガンスな“エルメスH08”がスケルトンへ進化〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.3】
©Vincent van de Wijngaard
スケルトンは内と外の世界を繋ぎ、その光と影を一体化する。そこにメゾンの美学が注がれる。


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INFORMATION

●エルメスジャポン
TEL:03-3569-3300
※『Urban Safari Prestige Watch vol.4』40~41ページ掲載

●『Safari』公式 Instagram(@safarimagazine_official)もチェック

文=柴田 充 text: Mitsuru Shibata

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