サッポロビール 酒税改正後へ大規模投資 「黒ラベル」「ヱビス」新拠点も 感動のブランド体験に力
会員制ビヤバー「黒ラベルBEER AJITO」(イメージ)
 酒税改正を約1か月後に控え、サッポロビールではビールとRTDのマーケティング方針を明らかにした。このタイミングを次なる成長への最大のチャンスとみて、看板ブランドに集中投資を行う。


 「酒税改正により(カテゴリー間の)価格差が縮まり、(価格よりも)価値を基準にブランドを選ぶ機会が増える。お酒になじみのなかったお客様も含め、新たな需要が広がるだろう。とくにビールへの回帰を最大の成長機会ととらえ、新たな価値を提供していきたい」。

 8月26日の発表会で会見した、中村洋一執行役員マーケティング本部長が表明した。

 ビール事業ではブランド体験の拡大を通じた購買機会拡大へ「黒ラベル」「ヱビス」に過去最大のマーケティング投資を実施する。

 「酒税改正が発表された16年以来、減税となる狭義ビールを強化する方針は大手4社で共通していたが、当社では新商品に頼らず既存ブランドを磨くことに取り組んできた」。

 そう語るのはビール&RTD事業部長の下和田勇氏。各ブランドが持つ「個性」と「物語」を磨くことで、市場を上回る成長を実現してきたことを強調する。

 とりわけ「大人の☆生。」を掲げたブランド活動を15年以上にわたり展開してきた黒ラベルでは、飲食店や体験イベントを通じた顧客接点強化が奏功し10年以上にわたる成長を継続。またヱビスも、24年に開業した体験型ブルワリーなどでのブランド体験を軸に新規ファンを開拓している。

 さらに瓶ビール市場がこの10年で半減するのを横目に、酒場で“赤星”として親しまれる「サッポロラガービール」の出荷数は約3.5倍と異例の躍進を果たした。

 酒税改正後の新アクション第1弾は、新たなブランド体験の場の創出だ。
現存する日本最古のビヤホールがある銀座ライオンビルの4階に、黒ラベル・ヱビスの生ビールが楽しめる拠点を10月27日にオープンする。

 ブランドのファンで構成する「CLUB黒ラベル」会員限定の隠れ家ビヤバー「黒ラベルBEER AJITO」と、日本初のビヤホールを誕生させたヱビスを堪能できる「YEBISU BEER HALL TOKYO」。感動のブランド体験を成長の源泉とする考えだ。

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会員制ビヤバー「黒ラベルBEER AJITO」(イメージ)

 さらに、2010年から続く黒ラベルのCMシリーズ「大人エレベーター」の世界観を拡張させ実在の飲食店を舞台に描く新コミュニケーションや、ヱビスと人気ラーメン店「飯田商店」との共創企画なども予定しているという。

「濃いめ」から「超・濃いめ」へ

 一方のRTDは初の増税となるものの、引き続き成長を継続するとみて多様化する生活者ニーズに新たな価値で応える。

 主力「濃いめのレモンサワー」シリーズがけん引する“濃いめ”チューハイ市場の活性化に向け、「超・濃いめ」へのリニューアルを実施。濃い味わいを追求し「このうまさでこの価格」の満足感を強化することで、強まるコスパ意識に訴えかける。

サッポロビール 酒税改正後へ大規模投資 「黒ラベル」「ヱビス」新拠点も 感動のブランド体験に力
「超・濃いめ」に生まれ変わる
「超・濃いめ」に生まれ変わる

 加速する健康志向に向けても、ノンアルで“濃いめ”の価値を提案する「濃い搾り」ブランドから期間限定「カシスオレンジ」を投入する。

 高付加価値の新提案に向けて、国内売上No.1スコッチウイスキー「デュワーズ」の12年原酒を使用したハイボール缶も11月の発売を予定している。

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