北海道・東北を地盤とする食品スーパーのアークスグループ。近年、業界大手が撤退する一方で、ディスカウンターなど新興勢力との競争が激化している。
前期(2026年2月期)は、過去最高売上を更新するなど増収増益。昨年11月には「グループ売上高1兆円構想」を発表し、アークス設立30周年に向けさらなる高みを目指す。横山清会長・CEOに現下の事業環境やグループの将来像への思いを聞いた。

 横山会長は「北海道・東北は『第2次流通革新』の時代に突入した」と語る。1970年代にダイエーや西友が北海道に進出し、2020年代に再編・撤退するまでを「第1次流通革命」、トライアルやロピアなど新興のディスカウンターが北海道・東北へ進出し始めた2020年代以後を「第2次流通革新」と見立てている。

 「新インフレを凌ぎ 新参入とも共進 新納得価格で 明るく楽しく 前むきに邁進」。令和8年の年頭所感で横山会長は、インフレ下におけるグループの方向性を示した。賃金の伸び悩みで節約志向が強まる中、いかにして「第2次流通革新」の時代を生き残るか。「新価格体系のもと、生産者も消費者も納得できる価格(=納得価格)を追求する」とした。

 ディスカウンターの参入について、「新興勢力の商売手法は過去われわれがやってきたことと同じ」と余裕の構えを見せる。アークスが展開する「ビッグハウス」業態は、道内1号店(太平店)の至近距離に競合が出店した際も売上は伸び続けたという。

 「ビッグハウスはアイテム数を絞り、まとめ買いするほど単価が安くなる価格設定(=一物三価)が支持された。
しかし、夫婦共稼ぎや少子化など消費環境が変わり、例えば刺身の柵など量を半分に加工したほうがよく売れる。アイテム数を拡大するなどお客様のニーズ、時代の変化に対応して商売のやり方を変える必要がある」。

 こうした商売手法の革新は、「納得価格」の追求につながる。食品の味、鮮度を重視しながら、生産者・取引先・消費者のそれぞれが「納得」できる価格設定を進め、ゆとりのある中間層や高齢者からの支持を得ようというものだ。「納得価格」は2024年から使い始めた横山会長独自の造語であり、単なる低価格路線とは一線を画する。

 「食品スーパーとして、生産性向上によるコスト競争力の裏打ちのない安売りは長続きしない。私は『新価格体系』と言っているが、美味しさにこだわった鮮魚寿司、生鮮惣菜など単価アップを少しずつ進めている。しかし、『高く売る』が当たり前であってはならない。『アークスグループのお店に行けば、トータルで見れば損はない』とお客様に信頼いただけてこその『新価格体系』と思っている」。

 「ビッグハウス」から「スーパーアークス」への業態転換も急ピッチで進んでいる。「ビッグハウス」はもともと、青森・岩手・宮城で店舗展開するベルジョイスが1号店を出店。その後、ラルズ等が道内で展開し拡大してきた。


 「スーパーアークス」への業態変更により、生鮮食品の鮮度、品揃えやサービスを充実。食品アイテム数を大幅に拡大し売上伸長を狙う。

 「業態変更後の売上は平均して3割増となっている。今後も新店の出店より『スーパーアークス』への業態変更含めた改装に注力する」と力を込めた。

(つづく)

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