ニチレイフーズは8日、2026年秋季新商品・リニューアル品計91品発表し、同日、本社で発表会を開いた。家庭用冷凍食品では新商品19品・リニューアル品31品を9月1日(一部8月1日)発売する(everyONe meal除く)。
新商品19品の内訳はチキン1品、ワンプレート5品、個食麺3品、米飯2品、お弁当品2品、スナック3品、冷凍野菜3品(うち米飯2品、お弁当品1品、冷凍野菜2品は価格対応型商品)。発表会で家庭用冷凍食品について、清川吾朗執行役員家庭用事業部長が説明した。

市場環境について、2025年度の家庭用冷凍食品市場は8,870億円と推計され、11年連続で過去最高の市場規模を更新し、過去10年で3,500億円以上市場が拡大した。各食品カテゴリーの成長率で多くのカテゴリーが数量面で伸び悩むなか、冷凍食品は単価、数量ともに伸長している数少ないカテゴリーとなっている。

ただ、足元では長引く物価高騰や実質賃金の低下の影響で、数量の伸びはやや鈍化傾向にある。また、ユーザー別の利用状況を見ると、既存の冷凍食品ユーザーの利用頻度や購入量は拡大を続けている一方で、未利用者やライトユーザーの新規獲得が鈍化していることも課題となってきた。こうした環境を踏まえ、既存ユーザーに対しては「安心して選び続けられる価値」を提供、同時に未利用者に対しては「購入の心理的なハードルを下げる価値」を提供することが、今後の市場拡大において重要だとする。

このような状況に対応するため、同社は家庭用冷凍食品における2026年秋の新商品コンセプトを「多様なくらしの変化に目を向け、冷凍の力で“一人ひとりの食卓”を支える」と定めた。このコンセプトに基づき、新商品の開発テーマとして〈1〉本質的価値の追究〈2〉パーソナライズへの特化〈3〉さらなる満足度の向上――の3点を掲げた。

■主菜としての満足度「ニチレイ 鶏から」


開発テーマ【〈1〉本質的価値の追究】では、市場を牽引するトップブランドカテゴリーを中心に、さらなる品質向上に挑戦するとともに、人気商品同士の組み合わせによる新しい提案を通じて、確実に満足できる価値の磨き上げを図る。

このテーマに基づく商品として、冷凍から揚げの新商品「ニチレイ 鶏から」(240g)を発売する。冷凍から揚げ市場は、大型商品の投入などにより成長を続け、足元では惣菜利用が伸長する傾向にあるものの、冷凍から揚げ自体もむね肉を中心とした健康需要や大容量規格に支えられ、市場規模は堅調に推移しているという。

利用シーンとしては弁当のおかずとしての活用が最も多いが、夕食のおかずなどの主菜としての活用にはまだ伸びしろが残されており、今後の広がりが期待される。
消費者の利用実態を見ると、手軽さという点では支持されているものの、専門店のようなおいしさや主菜としての満足度という点ではまだ十分に応えきれておらず、利用シーン拡大のためには品質やおいしさの向上が不可欠だった。

「ニチレイ 鶏から」は、専門店の品質を徹底的に追求し、醤油の香ばしさとあふれる肉汁による鶏の旨みにこだわり、商品名に「ニチレイ」を冠した点にも同社のこだわりと覚悟を込めたという。

専門店の品質を再現するため、3つの独自製法を採用。1つ目は、異なる塩分濃度で2段階に味を染み込ませることで鶏の弾力とジューシー感を引き出す「二段仕込み製法」、2つ目は、衣に醤油を含ませることで揚げた際の香ばしい香りを再現する「香ばし醤油製法」、そして3つ目は、鶏肉の旨み成分を加えることでより深い味わいを実現する「旨み重ね製法」だ。これらにより、香ばしさ、弾力、ジューシー感、旨みを高次元で両立させた。

なお、価格はオープン価格だが、高付加価値型商品であり、ユニット単価としては既存「特から」より高価になる見込みだ。

■No.1商品を組み合わせた最強セット


また、「本質的価値の追究」のもう1つの目玉として、「『本格炒め炒飯』&『特から』(トレイ入り)」(300g)を発売する。多くの食卓で支持されているナンバーワン商品同士を組み合わせたワンプレート商品であり、手軽に楽しめるようトレイ入りの形態を採用した。また、容器入りの米飯商品は若年層を中心に人気が高いことから、新たな客層の獲得にも期待する。
ニチレイフーズ26年秋季新商品、家庭用冷食は新商品19品・改良品31品 開発テーマは本質的価値の追求・パーソナライズ特化・さらなる満足度向上
本格炒め炒飯&特から
本格炒め炒飯&特から

■パーソナルユース8品で「個」に対応


開発テーマ【〈2〉パーソナライズへの特化】では、多様化する食の嗜好に対応し、個々のニーズに合わせた商品展開を強化していく。

パーソナルユース商品の市場規模は年々伸長しており、とくにワンプレートやパスタを中心に拡大し、2025年度は過去3年間で250億円増(約40%増)の880億円と推計される。その内訳は個食米飯20億円増96億円、グラタン10億円減112億円、個食麺類20億円増136億円、ワンプレート140億円増250億円、パスタ80億円増290億円増とみられる。同社でも、ワンプレート「三ツ星プレート」シリーズや個食麺を発売し、市場拡大に貢献してきた。


世帯別に見ると、特に単身世帯での伸びが顕著で、さらに男女別・年代別で分析すると、ワンプレート市場は単身女性の購入がけん引しており、今後は単身男性を取り込むことで、さらなる市場拡大が期待できる状況にある。そしてワンプレート商品に対する消費者の不満点を調査したところ、男女ともに「量の少なさ」や「選択肢の少なさ」を挙げる声が最も多かった。特に男性においては、ボリューム感に対する不満が女性よりも大きいという。

ターゲットごとに細分化するニーズに応えるため、単身男性に向けて「主食と主食」を組み合わせる発想で開発されたのが、新シリーズ「麺と米」だ。第1弾として、外食でも定番のうどんを主軸とした組み合わせである「ぶっかけうどん&カツ丼」「ぶっかけうどん&カツカレー」(各400g)の2品を投入する。「2つ食べたいけれど、なかなか食べられない」という消費者の満たされない思いに応え、両方を楽しめる満足感の高い一食を冷凍食品で実現した。一般的なワンプレート商品が300~350g程度であるのに対し、同品は400gと、しっかりとしたボリューム感にこだわった。
ニチレイフーズ26年秋季新商品、家庭用冷食は新商品19品・改良品31品 開発テーマは本質的価値の追求・パーソナライズ特化・さらなる満足度向上
麺と米 ぶっかけうどん&カツ丼400g
麺と米 ぶっかけうどん&カツ丼400g
加えて、単身女性を中心に評価が高い「三ツ星プレート」シリーズにも新商品を追加。今回は自家製生パスタ使用の「チキンのクリーム仕立て&ボロネーゼ」「チキン南蛮&あさりバター醤油のパスタ」(各300g)の2品を発売する。

新商品の投入に合わせ、既存商品を含めてパッケージの統一感を高めるリニューアルも実施し、売り場での展開力を強化して消費者に訴求していく。

また、麺カテゴリーにおいては、節約志向も相まってパスタ、うどん、ラーメンを中心に市場が拡大。2025年度はパスタ類が前年比10%増、うどん・そば類が10%増、ラーメン類が6%増と推計される。
特に容器入りの商品が大きく伸び、過去3年間で容器有りが33%増、容器無しが15%増となった。

そして近年のトレンドとして「濃厚」というキーワードが他カテゴリー含め支持されていることから、味、コク、満足感にこだわった新商品「これぞ濃厚」シリーズを展開する。「辛旨チゲ味噌ラーメン」「金胡麻担々麺」「香ばし味噌ラーメン」(各300g)の3品をラインナップし、味噌のコクや金ごまを使用した濃厚なスープ、辛味や香ばしさなどを加えることで、それぞれ満足度の高い一品に仕上げた。いずれもトレイ入りで電子レンジ調理できる。
ニチレイフーズ26年秋季新商品、家庭用冷食は新商品19品・改良品31品 開発テーマは本質的価値の追求・パーソナライズ特化・さらなる満足度向上
これぞ、濃厚 金胡麻担々麵1人前(300g)
これぞ、濃厚 金胡麻担々麵1人前(300g)
開発テーマ【〈3〉さらなる満足度の向上】では、価格と価値のバランスを最適化し、消費者に選ばれる理由をより明確にしていく。

1つはお弁当おかず商品の品質リニューアルを一斉に実施。各商品の配合や製造工程を見直すことで、肉感や素材感、ジューシー感、食感を向上させ、弁当を作る人にとっても食べる人にとっても選ばれる理由にさらに磨きをかける(追って詳報)。

さらに新商品として「卵とじカツ」(5個150g)を発売する。弁当のおかずとしてはもちろん、ご飯にのせてカツ丼風にアレンジすることもできる便利な一品だ。

「レンジで専門店の味」シリーズについても、衣のサクサク感や素材の食感を高めるリニューアルを行う。定番の美味しさに加え、品質と安心感で日々の食卓やお弁当市場を引き続き支えていく。

スナックカテゴリーでも、新たな提案を行う。
シニア層を中心に根強い人気を誇る今川焼シリーズからは、毎年好評を得ているチョコレートフレーバーとして「今川焼 とろける生チョコ仕立て プレミアム」(4個248g)を発売する。また、幅広い世代に愛される不二家とのコラボレーション商品として「今川焼(ミルキー)」(同)を新たに投入する。

そしてたい焼きシリーズ第2弾として「たい焼き カスタード」(5個310g)を発売。カスタードはファミリー層の支持が高く、もっちりとした生地とカスタードクリームの豊かな風味にこだわって開発した。

〈冷食日報2026年7月9日付〉
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