製粉協会は1日、第76代会長に就任した横山敏明氏(=日清製粉社長)と業界専門紙との懇談会を開いた。
横山新会長は「製粉会社は何のために存在しているのかと言えば、主要食糧である小麦粉について、国民に安心して、安全な製品を安定的に継続的に届けるため。
製粉業界をとりまく環境について「小麦粉市場はここ1~2年、人口減少や少子高齢化が進んでいるにもかかわらず、市場自体は前年を上回る状況だった。インバウンド効果や米価の高騰の影響が大きかったと思う。では今年度はどうなのかというと、インバウンドは中国からの旅行客は回復の見通しはなく、米価は徐々に下がってきている。さまざまな物でコストアップが生じているが、小麦粉の価格も上がり、小麦粉関連産業の皆さんの商品も値上がりしている」と述べた。決して順風ではない中で、製粉業界の課題として3点挙げた。
第1に食料安全保障の確保と国際経済協定への対応。「私は平成5年(1993年)入社だが、先輩には小麦が自由化されたときに生き残れるように生産性向上などに取り組まなければいけないと言われ続けてきた。確かに当時は米価は米価審議会で決められていたし、タバコや乳などいろいろな物の価格を国が決めていた。しかし今や、国が価格を決めているのは(輸入)小麦くらいではないか。一方で食料安全保障が法律に明記された。
足元の輸入小麦の調達に関して、小麦相場について、昨年度は5ドル台くらいで推移していたが、直近ではロシア・ウクライナの戦闘激化の影響で上がってきている。「今日の相場でいえば7ドル後半だ。中東情勢は小麦に直接影響はないがフレート(海上運賃)の上昇につながっている」と地政学リスクによって小麦相場や需給動向は先行き不透明な状況にあるとした。
他方作柄について「米加豪の作柄は昨年に比べれば減少するだろうが、在庫が十分にあるとされている。日本向けの小麦が物量的に滞ることはない」とした。
重要課題の第2として、増加するコストに対する適正な価格転嫁を挙げた。「小麦のサプライチェーン全体が適切な価格体系をつくっていかなければ、その産業は衰退していく。消費者心理もあり、価格政策はとても難しいが、安定して商品を届けるためには適正な利潤を得ることが必要だ。
第3として、国内産小麦の生産の安定と品質向上を挙げた。「食料安全保障と食料自給率の向上という観点から、しっかり取り組まなければならない課題だ」とした上で、「難しいのは輸入小麦に比べて、いろいろな制約があることだ」と述べた。例えば「その年産の麦は(輸入小麦はスペックで購入しているため品質が安定しているのに対して)買い切らなければならないといったことがある。また年によって生産量が増減すると安心して使えないというリスクもある。生産者には安定的に生産してほしい」と指摘した。
国内産小麦については「個人的には」として次のようにも語っている。「入社して東京以外で勤務したのが北海道の札幌に2回で合計7年、九州の福岡に4年と日本の主産地で仕事をさせてもらった。最初の札幌勤務は入社3年目でホクレンや各地区の農協などからいろいろなことを学ばせてもらった。それだけに国内産小麦に対する思い入れは強い方だと思っている。半面、意見もたくさんある」。
入社当時からの国内産小麦の進化の変遷に触れつつ、「北海道のきたほなみは収量も安定しており、豪州のASWよりもいいという人もいる。
〈米麦日報 2026年9月2日付〉









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