こ(5)まつ(2※ツー)な(7)という語呂合わせにより、5月27日は小松菜の日に認定されている。そんな小松菜の栽培で有名なのが、東京都の江戸川区。

区のホームページ「農業・水産情報」によると、江戸川区は3570tの収穫量を誇り、地区別では日本一の産地だという(平成17年のデータ)。なんと、今では全国の食卓に並ぶ小松菜の発祥地も、江戸川区にある小松川付近なのだ。区のホームページ「小松菜と金魚と花のまち江戸川」では、こんな逸話がアップされている。

「享保4年(1719年)、将軍徳川吉宗が、鷹狩の際、香取神社(中央4丁目5番23号 旧西小松川村)に立ち寄られました。そのときの神主・亀井和泉が、これといって差しあげられるものも無かったので、餅の澄まし汁に青菜を少々いろどりにあしらって差し出すと吉宗公はたいそう喜ばれて、『この汁の菜をなんと申すか』と訪ねられました。返事にこまった神主に『それではここは小松川だから小松菜と呼べ』と命名したということです」

徳川吉宗といえば、暴れん坊将軍としてテレビドラマなどでも有名な歴史的名君。小松菜は立派な人物によって名付けられた由緒ある江戸前野菜なのだ。

また、そんな小松菜の発祥地である江戸川区の歴史も深い。現在、江戸川区内に残る最も古い神社「篠崎浅間神社」の創建は、なんと938年。946~967年に在位した村上天皇の御守剣や、1428~1464年に在位した後花園天皇の連歌など、天皇ゆかりの宝物が納められていることからも、そのありがたさがうかがえる。2年に1度実施される7月1日の大祭式「のぼり祭り」では、長さ20m以上、幅約1.5mという日本一巨大なのぼり10本を掲げる祭りも実施。人の力だけで重さ1t以上ののぼりを立てるというのだから圧巻だ。

さらに区内には、東西約30m、南北約28mという広範囲に枝を伸ばす善養寺の「影向(ようごう)のマツ」も。ウィキペディアによると
「600年以上の樹齢に加え、繁茂面積の広さと整った樹形で『日本で最も古いマツ』『日本一の名マツ』と長く名声を博し、1926年4月には東京都の天然記念物に指定された」

とある。しかし1970年代後半になり、香川県志度町の真覚寺にある「岡野マツ」との日本一争いが勃発。このように説明がされている。

「2本の名木をめぐる争いは、マスコミにも注目された。テレビの情報番組が影向のマツを『日本一』と紹介したことに対して真覚寺側が抗議し、善養寺側もラジオ番組に出演して『影向のマツこそ日本一』と訴えた。双方とも一歩も譲らず、論争は1年余りにわたって続いた。この論争は、思わぬ形で1980年5月に決着を迎えた。善養寺で大相撲の行司の法要が執り行われた際、参列した志度町出身の行司と住職がマツをめぐって口論になってしまった。それを見かねた立行司の木村庄之助が仲裁に入った。庄之助は、『どちらも日本一につき、双方引き分け』と裁いた」

と、まるでテレビドラマの“大岡裁き”のような美談が残るのも感慨深い。

小松菜の誕生秘話から、昭和に勃発した日本一のマツ争いまで、おもしろエピソードが満載の江戸川区。

都心の側にも関わらず豊かな自然が残っており、また子育てサービスが充実しているのも魅力的だ。

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