住宅ローンの中でも、全期間固定金利型ローンの代表格といわれる【フラット35】。住宅金融支援機構が、2025年度(2025年4月~2026年3月)の【フラット35】利用者の調査結果を公表した。
【今週の住活トピック】
「2025年度 フラット35利用者調査」を公表/住宅金融支援機構
住宅ローンの金利は、変動金利型も全期間固定型も上昇を続けている
まず、【フラット35】についておさらいしておこう。
【フラット35】は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して、ユーザーに提供している住宅ローンで、35年などの長期間にわたって金利が変わらないのが特徴だ。
提携先の民間金融機関によって、実際に借りるときに適用される金利や融資手数料は異なるが、2026年8月の適用金利は、3.29%(借入期間21年以上、融資率9割以下の最頻金利)となっている。金融市場の長期金利が上がり下がりを繰り返しながらじわじわと上昇しているため、長期金利に連動する【フラット35】の金利もじわじわ上がっている状況だ。
一方で、日本銀行のマイナス金利政策で長期間にわたり超低金利が続いていた「変動金利型」も、日本銀行の度重なる利上げによって、上昇を続けている。2026年8月の適用金利は、おおむね1%台前半となっている。
超低金利時代は、「変動金利型」の利用者が多かったが、金利上昇局面に入ったことで、金利を固定する期間が長いローンを選択する人も増えつつある。調査対象の2025年4月~2026年3月は、まさに金利上昇局面を実感した時期だった。
2025年度は中古住宅で【フラット35】の利用割合が増加!
さて、2025年度の【フラット35】利用者の調査結果を見ていこう。
【フラット35】の利用者を「融資区分=住宅の建て方」別に見ると、注目したいのは、中古住宅(中古マンション・中古一戸建て)の比率が年々増加し、今回35.9%に達したことだ。住宅金融支援機構によると、中古住宅での利用割合が全融資区分の中で最多になったのは、2004年度の調査開始以来初めてだという。
【フラット35】を利用するには、その住宅が一定の技術基準を満たしていることが求められるので、新築住宅ではほぼ対象となるものの、中古住宅では対象外となるものも多い。そうしたなかでも中古住宅の利用比率が増加したということは、それだけ中古住宅を選択する人が多かったといえるのだろう。
逆に、利用比率が下がったのは、注文住宅(土地の同時取得ありも含む)だ。
融資区分(建て方)別利用割合の推移(出典/住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」より転載)
なお、利用者の「平均年齢」は43.3歳で、2023年度の44.3歳→2024年度の44.5歳よりも下がり、30代以下の利用比率が高まった。若い世帯が住宅取得に積極的に動いたということだろう。
また、「平均世帯年収」は716万円で、2023年度の661万円→2024年度の669万円よりも、一段と上がる結果となった。どの融資区分でも平均世帯年収は増加しており、特に、中古マンション(対前年+95万円の745万円)の増加が大きかった。
所要資金、年収倍率、住宅面積で【フラット35】利用者に変化
次に、【フラット35】利用者の「所要資金」を見ていこう。所要資金とは、自己資金や【フラット35】の借入額、その他の資金(銀行からの借り入れ等)を合わせた住宅取得にかかった費用のことだ。平均額(全国)が最も高かったのは、新築マンションの5882万円、次いで土地付注文住宅の5313万円だった。
どの融資区分でも所要資金は増加しているが、伸び率が特に大きかったのは、中古マンション(3602万円)で対前年569万円増だった。なかでも首都圏と近畿圏で、伸び率が20%を超えるなど上昇が目立った。
所要資金(融資区分別)の推移(出典/住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」より転載)
「年収倍率」を見ると、最も高いのは土地付注文住宅の7.8倍。次いで、新築マンションの7.5倍となる。
一方、年収倍率が低いのは、中古住宅(マンション・一戸建て)で、おおむね5倍台で横ばいに推移している。そのため、同じマンションでも新築と中古の年収倍率の開きは、さらに拡大した。
年収倍率(融資区分別)の推移(出典/住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」より転載)
では、「住宅面積」はどうなったのだろうか?
今回注目したいのは、わずかながらマンション系(新築・中古マンション)で平均面積が広がったことだ。一戸建て系(注文住宅や新築・中古一戸建て)で平均面積は縮小傾向が続いているのとは対照的だ。なお、マンション・一戸建て共に、中古のほうが新築より面積が広くなっている。広さを求めるなら、中古に分があるようだ。
住宅面積(融資区分別)の推移(出典/住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」より転載)
いま、世界情勢は先を見通しにくい状況となっている。さまざまな要因が、住宅価格や住宅ローンの金利に影響を与えるので、住宅の取得環境も不透明な時代になっている。返済中の金利を固定し、返済額を安定することができる【フラット35】を利用したいという人と、金利の変動が読みづらいものの「変動金利型」を選ぶ人では、考え方に違いもあるので、その変化は同じとは限らない。ただし、所要資金の増加、世帯年収の増加は同じ傾向にあるだろう。
金利上昇局面での住宅ローンの借り方は、基本的に「無理をしないこと」だ。
●関連サイト
住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」

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