毎週月曜日は東京新聞との紙面連動企画が始まります。

第一回目の今朝は、昨年の連動企画の最終回、9月27日にお伝えした「大田区選管の開票不正」、その後についての記事を取り上げます。

「え?何言ってるの??」本当に驚きました!

昨年の参院選で、大田区の選管で開票作業の際に、期日前投票の数を二重計上るというミスがあり、無効票を水増しして、その票数の帳尻を合わせた、という問題でした。しかも、その事実が第三者のSNSへの投稿で明らかになったということも驚きでした。

今回は、その発端となったSNSを投稿したご本人にお話を聞くことが出来ました。

大田区選管職員OBで、現在は、全国の選管のサポートをする会社、株式会社ユニポール代表の見波裕哉さんに投稿当時のお話を伺いました。

株式会社ユニポール代表 見波裕哉さん

「私がXで発信したのが発端と言いますか、元同僚ということで、参院選終わって慰労会をやるっていうので、そこで話を聞いたっていうのが始まりですね。そうです普通にお酒を飲みながらの中でのちょろっと出た会話の中で、めちゃめちゃ驚きました。

まず何を言ってるんだろうっていうのが、今言っている全ての言葉が違法だよっていうところで、選管が捕まるというと、過去、基本的にはほとんどがそれだと思ってるんで、票を操作したってことですね、その行為をやったんだっていうところが、まず驚きだったってことですね。

そう、で、なんで私に話すんだろうっていうところで、その罪の意識と言いますか、ことの重大さっていうのも認識してなかったんで、私に話したのかな、と思いますね。

私が話を聞いたのが7月末、二週間くらい間があいている。その段階で、「合わなかった。原因は究明中です」みたいな一報を出していればまだよかったんですけど、それも無かったので、これ、このままだともみ消されるんじゃないか、と思ったので出したって形ですね。」

改めて聞いても、やっぱり信じられない、という思いですよね。見波さんは、全国の選管の方とお仕事をしている。古巣がこうした不正をしているのを知っていて黙っているわけにいかないと思った、とも話していました。

第三者委員会の提言を今後守り続けることができるのかが大事

そして、その後、どうなったのかというと、2月26日の東京新聞紙面で、昨年10月から開かれていた、原因究明と再発防止策を検討する第三者委員会が、2月25日に『選挙事務に関わる不適正処理の再発防止に関する提言』を、大田区に提出した、との記事がありました。

前回から取材を続けている、東京新聞社会部記者の佐藤航さんにお話を伺いました。

東京新聞社会部 佐藤航記者

「不在者投票を二重に計上してしまったというミス、そのミスの辻褄を合わせるために無効票を水増ししてしまったという二つがありました。で、それぞれについて再発防止策として提言しているという内容になりますね。

衆議院選挙が2月8日投開票というところで、まさに議論してる最中で、もう少しで結論が出る、その直前の選挙だったので、どこまで対応できるのかという所が、注目はしていたんですけれども、区の説明によると、既に実行できるものというのはいくつかあったわけなんですね。そういったものについて、見直そうという対策は講じたというところで、同じような不正は起きなかったという風に説明しています。

ホントに今計画されている通りに必ず遂行されればそういったことは起きないだろうというところで、あとはそれを使う人がどういう風に徹底できるかというところにかかっているのかなという、教訓が、ミスがあったその時の人たちは反省をもって慎重にやるというところですけど、月日が流れてもずっとこれを守り続けることができるか、というところが大事になると思います。」

再発防止策を検討中に、衆院選があったんです。佐藤記者も、議論の最中に衆院選で大丈夫か?と思ったそうですが、区によれば、その時点で決まっていた再発防止策を実際に使って不正もなく開票作業を終えることができた、と。

再発防止策としては、期日前投票の二重計上については、投票締め切りまでに何度も数えることがミスを招いたとし、必要最低限とする。また、無効票水増しについては、手入力で票数を入力する際は、上の人の許可を得た人しか入力が出来ないようにする、といった対策となっています。

職員のみで完結せず、誰が見ても不正が無いのが分かる状況を!!

当たり前のことと言えば当たり前。とはいえ、具体的ではあるのかな、と思ったのですが、先ほどの見波さんは、あんまり意味がないのでは?これでは足りない、と厳しい反応でした。

株式会社ユニポール代表 見波裕哉さん

「区民のみならず国民の信頼を失ったという所もあるので、その信頼回復という面でも、職員だけでダブルチェックを済ませても信用と信頼は回復しないと思ってますので、第三者が見て納得いく、透明性の部分の言及がなかったというのは思ってますね。

職員がやった行為を、それがまた職員の中で完結をする、ダブルチェックをしても、またやってんじゃないかって言われたときに言い返せないというか、職員だけで完結せず、例えば、YouTubeのライブ配信とかシステムのパソコンの画面をモニターに映し出すとか、誰が見ても分かるような、不正をしてないというのが分かる状況まで作ってほしいなって思いますね。

開票だけに限らず、例えば、投票箱、保管の状況が見えないから不正してるんじゃないかな、というそういう話もあると思うんですけど、例えば、ライブカメラ置いておけば、投票所閉まって、期日前で言うと、翌朝まで投票箱を誰も開けてないのが可視化できれば、それは不正選挙って言われる余地はなくんるんじゃないかなと思いますね。」

たしかに。職員の中だけでいくらダブルチェックと言われても・・・という話には納得。

何をすれば、区民の信頼を回復できるのか、を考えて、対策を積み重ねてほしい、と見波さんはおっしゃっていました。

現在、投票所は選挙人が映るので個人情報の観点からもちろん写せませんが、開票場をライブ配信している自治体もあります。また、投票箱の保管状況なども、個人情報は写らないので、ライブ配信でネットで人が見ていてくれている方が、監視の目となると思う、ということでした。

これだけデジタル技術が広まっている世の中なんだから、もっと選挙にもそうした技術が入ってもいいですよね。新しい選挙の在り方を考えるきっかけになるといいですね。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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