ゲストは栄研化学株式会社 代表執行役社長 瀨川雄司(せがわ・ゆうじ)さん。
1939年創立、臨床検査薬のパイオニアとして日本の公衆衛生を支えてきた企業です。

大腸がん検査で国内約70%のシェアを誇る「便潜血検査」をはじめ、結核の遺伝子検査システムなどを展開する検査技術についてお話をうかがいました。

培地からはじまった臨床検査薬のパイオニア

西田 業界では、臨床検査薬のパイオニア的存在とうかがっています。

瀨川 はい。もともとは「培地(ばいち)」を扱う会社としてスタートしました。

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西田 培地とは、どういうものでしょうか。

瀨川 培地とは、細菌などの微生物を人工的に増やすための栄養を含んだ環境のことです。目に見えない菌を増殖させることで、その種類や性質を調べ、感染症の診断に役立てるために使われます。

西田 なるほど。

瀨川 その後は、微生物検査用試薬の開発に取り組んできました。

西田 身近なところでは、どのような検査に使われているのでしょうか。

瀨川 手に取る機会は少ないですが、大腸がん検査や人間ドックなどで使用されています。

西田 つまり、薬局で販売されるOTC医薬品※ではなく、病気を発見するための検査薬を開発している会社なのですね。

※医師の処方箋なしで薬局・ドラッグストアで購入できる薬。

瀨川 その通りです。病気を早期に見つけ、適切な治療につなげるための検査薬を提供しています。

世界死亡原因第2位でも受診率40%!? 大腸がんで命を落とさない世界を目指す

大腸がん検査では国内シェア約70%

西田 大腸がん検査で使われる「便潜血(べんせんけつ)検査」において、国内でどのくらいのシェアを占めているのでしょう。

瀨川 およそ70%です。

西田 それだけ信頼性が高いということなんですね。大腸がんは、がんの中でも多い病気なんですか?

瀨川 はい。世界でも日本でも、がんによる死亡原因の第2位に入る重大な疾患です。

西田 大腸がんは、どのような病気と考えればよいでしょうか。

瀨川 比較的進行が緩やかなのが特徴で、早期に発見できれば9割以上の方が治癒するといわれています。ただ、その事実はあまり知られていません。

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西田 一般的に年1回の検診が推奨されているそうですが、日本の受診率はどのくらいですか?

瀨川 病気のリスクに対して40%台と低い水準です。受診率の向上が大きな課題になっています。

西田 早期発見・早期治療のためには、まず検査を受けることが大切ですね。

国境を越える検査技術

西田 瀨川さんご自身は、どんな考え方を大切にされているんですか?

瀨川 社長になって3つのことを伝えています。 1つ目は「ポジティブ・カルチャー」。前向きに挑戦する組織でありたいという思いです。 2つ目は「EIKEN Value」。栄研化学の技術を世界の人々に届けることです。 最後は「Valuable Experience」。社会に貢献する達成感を社員一人ひとりに実感してほしいという意味を込めています。

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西田 なるほど。そのような思いをもとに事業を展開されているのですね。今後の展望についても教えてください。

瀨川 大腸がんのスクリーニング検査をさらにグローバルへ展開し、大腸がんで命を落とすことのない世界の実現に貢献していきたいです。

西田 結核対策にも取り組まれているそうですね。

瀨川 はい。途上国では今も結核が大きな課題です。そのため、結核を迅速に検出できる遺伝子検査システムを提供し、感染拡大の抑制に力を入れています。

西田 どのくらいの国と協力しているのですか。

瀨川 50カ国以上です。

西田 世界規模で展開されているのがよくわかりますね。

瀨川 臨床検査薬のパイオニアとして時代のニーズをいち早く捉え、病院市場にとどまらず、将来的には一般の方々が生活の中で受けられる検査など、新しい検査の形も視野に入れています。

西田 本日の話をきっかけに、大腸がん検診の重要性を改めて感じられた方も多いと思います。年に1度の検診が命を守ります。今日は栄研化学株式会社 代表執行役社長の瀨川雄司さんにお話をうかがいました。ありがとうございました。

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(TBSラジオ『見事なお仕事』より抜粋)

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