ゲストは、日本農業新聞 協同事業局企画統括部の二宮功(にのみや いさお)さん。1928年に創刊し、もうすぐ100周年を迎える日本農業新聞は、世界唯一の「日刊農業専門紙」。

昨年7月に「アグリスタートアップフォーラム」を立ち上げるなど、農業に取り組む若者のことも応援しているんだとか。画期的な活動を世の中に広め、ジャーナリズムから「食と農」を支える取り組みをうかがいます。

世界唯一の「日刊農業専門紙」

西田 日本農業新聞の紙面を見ると、お米の価格や作物の管理についてなど、かなり専門的な記事が並んでいますね。

二宮 世界唯一の日刊農業専門紙として、農家のみなさんを中心にお読みいただいています。

西田 創刊はいつごろですか?

二宮 1928年に創刊しました。2028年3月には100周年を迎える予定です。

西田 歴史は昭和のはじめにまでさかのぼるんですか。

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二宮 全国の農家さんに、農産物の価格や市場の動向を伝える新聞としてはじまりました。現在では電子版も発行していて、リアルタイムで価格の変動を把握できます。

西田 市場の動向がわかると、農家さんはどんなふうに活用できるんでしょうか? 

二宮 たとえば、「今日よりも、来週収穫したほうが高く売れるかもしれない」といった戦略を立てる参考になります。

西田 なるほど。農業も商売ですから、それは重要な判断材料だ。

二宮 日々の紙面で報じてきた市場の動向を、わたしたちは100年分蓄積しています。

この膨大なデータは、非常に価値があるんです。

西田 大量のデータから「こういう出来事が起こると値段がこう変わる」というふうに、価格を予測できるようになるということですね。

東大生も農業に取り組む

西田 ここ十数年ほどで、若者の農業への関心が高まっているような気がします。 

二宮 おっしゃるとおり。いま若者たちのあいだでは“農業ブーム”が起きているんです。

西田 食料自給率の低さやお米の価格急騰など、食と農業の問題が学生にも“自分ごと”になってきたんでしょうね。そんななか、若者と農家をつなぐ取り組みをはじめたんだとか?

二宮 昨年7月に「アグリスタートアップフォーラム」、通称「アグらむ」を立ち上げました。

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西田 農業を新たにはじめる“スタートアップ”のひとたちを、応援してくれるということでしょうか。

二宮 そのとおりで、若手の農家や大学のサークルが行う農村での活動やビジネスを助成する事業です。

西田 大学のサークルも農業に取り組んでいるとは、おどろきました! 

二宮 文理や農学部の有無にかかわらず、いろいろな大学で農業系のサークルが生まれているんですよ。

西田 若者のあいだでそれだけ関心が高まっているんですね。

二宮 今年3月に初開催した「アグらむアワード」では、東京大学の農業サークル「東大むら塾」が優れた活動としてグランプリに選ばれました。

西田 東大生も農業に取り組んでいると。

二宮 「東大むら塾」は100人を超える学生が参加していて、耕作放棄地での活動が評価されました。

西田 近年問題になっている、使われずに放置されている農地のことですね。

二宮 「むら塾」は、そんな水田を再生してお米をつくり、そのお米をブランド化してふるさと納税の返礼品として出品しているんです。

西田 学生が農業を体験するだけではなく、率先して地域に貢献する姿勢がすばらしいです。

二宮 全国各地のこうした取り組みを、「アグらむ新聞」と題したLINEの無料配信でも紹介しています。

最近の給食は“コッペパンばかり”じゃない

二宮 最近は、学校給食も力を入れて取り上げています。

西田 給食は、子どもたちが食や農業に関心を抱く入口ですもんね。

二宮 まさに“食育”の基本です。日本農業新聞では「給食百景」という特集を100回以上掲載してきました。

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西田 どんな特集なんでしょうか? 

二宮 “地産地消”のメニューなど、すぐれた食育の取り組みを紹介しています。

西田 わたしたち世代の給食といえば、コッペパンなど定番メニューばかりで、画一的な印象でした。いまどきの給食は地域ごとに特色があるんですか。

二宮 子どもたちに地元のお米や野菜を食べてもらおうと、各地で農家や農協、自治体や学校が連携しています。

西田 カロリーや栄養のことだけじゃなく、給食を通じて「地元」をより知ってもらおうということですね。

二宮 画期的な活動を表彰して多くのひとに知ってもらうべく、「学校給食アワード」もはじめました。

西田 つぎの100年に向けては、どのような展望をお考えですか?

二宮 わたしたちが大事にするのは「知ることは、未来を切り拓く。」という思いです。食料安全保障への関心が高まるなかで、正しい情報を社会に届けつづけていきます。

西田 ジャーナリズムの面から食と農を支える、日本農業新聞。今後も応援しています!

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(TBSラジオ『見事なお仕事』より抜粋)

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