夏のセール、真っ盛りです。そんな中、先日「パルコが夏の大型セールを中止」というニュースが話題になりました。

半世紀続く名物セールを、書き入れ時に、なぜやめるのか。株式会社パルコ・経営企画部の小川恵美莉さんに聞きました。

「セール中止」報道に、ひたすら訂正の日々

株式会社パルコ・経営企画部 小川恵美莉さん

一番最初にリリースされたところで、セールを中止というふうに大々的に出されてしまったっていうところがあって。我々としては「グランバザール」を中止しましたっていうところであったので、「セールはやめてないんです」っていうのを今皆様にお伝えしてる段階なんですよね、まさに。今皆さんに訂正をして回っているというか、お問い合わせいただいた方にひたすら訂正をしているという。少し誤解されやすくなってしまったかな。

やめたのは、セールではなく、全国一斉の「グランバザール」です。

グランバザールは、毎年7月初め、全国のパルコが同じ時期に始める夏の一大セールです。ちょうど今頃やっていた、2週間つづくセール期間で、50年以上続いていましたが、今年からは、セールをする時期も内容も、それぞれの店やテナントが決めます。

きのう、渋谷パルコに行くと、入り口には「SALE」の文字がありました。ただ、「グランバザール」の看板は、どこにもありませんでした。

暑さでセール3週間遅れ。シーズンの終わりという常識が消えたの画像はこちら >>
<渋谷パルコでは今年、映画「ちいかわ」とのコラボイベントを開催予定(7月17日~8月2日)。7月13日現在も、「SALE」の文字はありました!>

では、なぜ「全国一斉」の値下げをやめたのか。

理由の一つとされるのが、ここ最近、長引く暑さです。

これまで洋服のセールは、夏と冬の年2回。季節の終わりに在庫を値下げし、次の季節の商品に入れ替えてきました。ところが今は、夏物が9月、10月まで売れます。

3週間後ろ倒しを実施した背景

「まだこれから着る服を、7月初めに値下げするのは早い」。実際にセールの時期をずらしたところも出てきています。2年前から、夏のセールを3週間遅らせた、松屋銀座、広報部の福原裕紀さんです。

松屋銀座・広報部 福原裕紀さん

様々な理由があるんですけれども、一番は夏が長くなっているっていう、気候変動が一番大きな要因だと思っています。決断としてはすごい決断だったと思います。今だからやるって、そのときの商品担当の副店長の女性が、一番それを中心に推進していたんですけれども、3週間も後ろ倒しにするということに対して、迷いがなかったわけじゃないんですが、やっぱりみんなこれから着る服を今セールにするなんてっていう気持ちはあったんですよ。本来はシーズンの終わりにセールをして、シーズンを切り替えるっていうのがおそらく正しいやり方なので。

松屋銀座のセールは、以前は6月の末からでした。今年は7月17日からです。

東京で30度を超える日は、50年前より、年間でおよそ3週間分増えました。セールも、その分だけ後ろにずらした形です。おなじく、渋谷109も、今年は2週間遅らせました。

一方で、服を作る側も、季節の分け方を変え始めています。大手アパレルの三陽商会は、おととしから、1年を「五季」にしました。春、夏、夏、秋、冬。長い夏を、前半と後半に分けたんです(同じ夏でも、時期に合わせて色や素材を変え、売り場を入れ替えます)。

さらに、あるメーカーは「二季」。1年を「暑い時期」と「寒い時期」の二つに分けています。

各社工夫してます!

季節の境目が曖昧になる中、増えているのが、長い期間着られる服です。どんな工夫をしているのか、再び福原さんです。

松屋銀座・広報部 福原裕紀さん

半袖がずっと売れるからと言って、ずっと同じものを店頭におくっていうことはやっぱりないので、そうすると、少し9月の前になったら、ボルドーとか茶色系とか黒を出すとか。

あとは2WAYで着れるとか、袖が取れるとか。重ね着ができるとか。究極はジレだと思うんですよ。ジレは、袖なしのジャケットのようなものです。それのロングジレとか、すごく最近、去年、一昨年とか流行っていて、もう定番のアイテムになったりはしてますよね。

9月は、売り場では秋です。でも、外はまだ真夏です。そこで各社、「見た目は秋、着心地は夏」。秋らしい色に、通気性の良い素材を組み合わせた服が増えています。

中でも定番になっているのが、袖のないジャケット「ジレ」です。紳士服大手の青山商事も、9月の店頭ではジレを増やすそうですが、各社、暑さによって販売戦略を工夫しながら、環境に適応しようとしていました。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』より抜粋)

編集部おすすめ