最近よく耳にする「IPO」。これは「株式新規公開」のことで、未上場企業が証券取引所に上場し、誰でも株を買える状態にすることを指します。

成長企業が資金調達や知名度向上のために行う一大イベントで、投資家からも高い注目を集めています。なぜこれほど話題になるのか、その仕組みや魅力について分かりやすく解説します。


IPO、当選したらどうすればいい?はずれた場合も利益は狙える...の画像はこちら >>

最近話題のIPO、その魅力は?

 株式投資は、通常はすでに上場している会社の株式を、証券会社経由で、株式市場で買うというのが一般的なものです。


 しかしそれ以外に、まだ上場していない株を、新規上場のタイミングで買うことができる機会があります。それが新規公開株(IPO)です。


 直近では、イーロン・マスク氏率いるスペースXの上場(新規公開)に伴うIPO株の申し込みが、楽天証券など国内のネット証券でも受け付けられたことで個人投資家の間で話題になりました。IPO株は初値が公開価格を上回るケースが多く、利益が出ることを期待する投資家も多いでしょう。


 ただし、IPOにはいくつか注意点があります。これを知らずにやみくもにIPOの抽選に申し込みをしていると、利益どころか大きな損失となる可能性もあります。


IPOの抽選はなかなか当たらない

 IPOの抽選はなかなか当たらないと言われます。特に前評判が高く、上場後株価が大きく上がると多くの投資家が思っている銘柄ほど競争が高くなり、当選しづらくなります。


 そこで当選確率をできるだけ上げるため、希望株数を多めに申告したり、幹事証券会社の証券口座を何社も開設し、それぞれの証券会社を通じて申し込みをしたり、という個人投資家の方もいます。


 ただ、証券会社によっても異なりますが、IPO株の購入申し込みの際に資金が必要となり、それがしばらくの間拘束されてしまうことになります。


 つまり、申し込み株数に応じた資金がないとIPO株の抽選を受けられないのです。


 IPO株のために使える資金が少ない個人投資家の方は、当選確率をアップさせる手法(複数の証券会社に同時に申し込みをするなど)もなかなか使いづらいので、当選はかなり狭き門といえます。


IPOに外れた場合、セカンダリーを狙うのはありか?

 IPOの抽選に外れたとしても、その銘柄が上場した後は、証券取引所で取引されますから通常通り売買することができます。


 IPOの抽選に当選して上場前に買うことを「プライマリー(発行市場)」、上場後にIPO株を買うことを「セカンダリー(流通市場)」といいます。


 IPO株の上場後の株価の動きはまちまちです。上場後力強く上昇する銘柄もありますが、上場後軟調な動きになってしまうものもかなり多いです。


 中には、上場初日の株価が最高値になり、その後は株価がどんどん下がってしまうケースもあります。


 こうした銘柄をセカンダリーで上場後に買っても、高値つかみになってしまう恐れがあります。


 筆者はあまり上場直後の株を買うことはしないのですが、もし買うとしたら、通常の株取引と同様、買った後どこまで下がったら売却するかのルールを決め、それに従って行動することで、購入後の株価の大きな下落により損失が拡大することを避けるようにします。


IPOに当選した株はどうすればよいのか?

 IPOに当選し、払い込みを済ませれば、その株は上場初日から売却することができます。もちろん売却せずにそのまま保有を続けることもできます。


 従来から、IPOに当選した株は、上場初日の初値で売却するのが良いとされてきました。これは、かなり高値で初値を付けた後、大きく値下がりしてしまうという銘柄が結構な割合で出現していたためです。


 つまり、上場後さらに株価が上がると思って株を保有すればするほど、株価がどんどん下がってしまうということです。


 もちろん、上場後株価が大きく上昇する銘柄も少なくありませんから、全てのケースにおいて上場初日の初値で売却することが正解とはなりません。でも、ではどうすれば正解なのかを銘柄ごとに事前に予測するのは不可能なので、それなら上場初日の初値で売却するのが無難、という結論にたどり着いたのです。


 さらに近年は、上場初日の初値がIPOの公開価格を下回る、いわゆる「公募割れ」となるケースも目立ってきました。


 このケースでは、上場初日に初値で売却しても損失を被ってしまいますので、しばらく保有を継続して様子を見よう、と考える個人投資家が多いです。


 しかし、上場初日の初値が公開価格より低いということは、この銘柄はあまり投資家に人気がないことの表れなので、保有を続けてもさらに株価が下がってしまう可能性が高いです。


 どこまで下がったら損切りするかなど、大きな損失につながらないような売買のルール設定が重要になってくるでしょう。


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(足立 武志)

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