2026年度に52%増益も金価格動向がカギ、2027年度に利益率悪化の可能性

銘柄名:周大福珠宝集団(チョウ・タイフック・ジュエリー)
現地コード:01929
株価:11.12HKD(6/12現在)


 香港系の宝飾品製販大手、周大福珠宝の2026年度本決算(2026年3月期)は、純利益が前年比52%増の90億400万HKドルと、BOCIの予想通りだった。金価格の高騰による粗利益率の上振れや優れた店舗展開戦略を受けた営業レバレッジ効果が好決算の背景。

BOCIは続く2027年度も店舗の大型化を推進することで、短期的に既存店売上高の伸びが上向くとみる。


 一方、3月以来の金価格の下落は粗利益率と営業利益率に不利に働くと指摘。ヘッジ益による相殺で、2027年度の純利益が前年比21%増加すると予想する半面、一定期間にわたって市場の評価に影響する可能性があるとした。


 それでもバリュエーション面の魅力から、株価の先行きに対して強気見通しを維持。金価格が今後反発すれば、全体相場を大きくアウトパフォームする可能性があるとしている。


 2026年度の好決算を支えたのは、1-3月の金価格の急騰(1トロイオンス=約4,500米ドルから5,000米ドルへ)。年度下期には粗利益率が前年同期比33.6%と、過去最高水準を記録し、純利益が91%増の64億7,100万HKドルに達した。ヘッジ比率の引き下げが寄与し、下期にはヘッジ損失も30億3,700万HKドルに抑えられた。


 3月末時点の小売店舗総数(5,689店)は前年比14%減少したが、既存店売上高の堅調でカバー。4-5月もこの流れが続き、小売販売額は15%増加した。本土の小売販売額と既存店売上高は10%増、20%増。店舗面積の拡大や先端デザインの新規店舗の展開が奏功したことを示唆した。


 今後は金価格の下落が粗利益率に影響する見込み。経営陣は金価格の4,300米ドルへの下落をガイダンスに織り込んだが、BOCIはこの控えめな想定値が懸念を招く可能性を指摘している。


 2027年度の増収率に関するガイダンスは前年比1桁台半ばから後半の水準だが、粗利益率、営業利益率は26.5-27.5%、14%に低下する見込み。これを5億-8億HKドルのヘッジ益が相殺するとみられ、BOCIは21%の増益を見込む。


 ただ、ヘッジ益はキャッシュには当たらず、BOCIは2027年度の配当性向が前年度の74%から70%(ガイダンス70-80%の下限)に低下する可能性を指摘している。1株当たり配当が増加傾向にあっても、配当性向の低下が投資家の懸念を招く可能性を指摘。金価格が安定しない限り、同社の企業価値や株価への悪影響が続く可能性があるとした。


 経営陣はまた、2030年までの長期計画として、固定価格製品の売上構成比を現在の35%から45-50%に引き上げ、自己資本利益率(ROE)を25%超に維持。海外市場の小売販売額を倍増させる目標を掲げた。BOCIは2027-2028年度の予想純利益を1%、5%減額修正した。金価格の軟化による利益率の影響や直営店の拡大に伴う販管費比率の上昇を反映させた。


 2027年度予想株価収益率(PER)14倍(16.5倍から下方修正)を当てはめ、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


(Bank of China int.)

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