ルメンタム・HDの2026年6月期3Qは、90.1%増収、黒字転換。エヌビディアが光・レーザー関連、光電融合関連で出資を含む提携を行った3社の1社(他は、コヒレント、マーベル・テクノロジー)であり、光トランシーバー、光回路スイッチなどが好調。

AIサーバー内、データセンター内の配線高速化で高成長が続こう。目標株価を1,300ドルとする。


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決算レポート:ルメンタム・ホールディングス(光・レーザー関連製品が好調。エヌビディアの出資を受け生産能力を増強中)
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毎週月曜日午後掲載


本レポートに掲載した銘柄:ルメンタム・ホールディングス(LITE、NASDAQ)


1.ルメンタム・ホールディングスの2026年6月期3Qは、90.1%増収、黒字転換。

 ルメンタム・ホールディングスの2026年6月期3Qは、売上高8.084億ドル(前年比90.1%増)、営業利益1.745億ドル(前年同期は3,770万ドルの赤字)となりました。


 セグメント別にみると、コンポーネントが5.333億ドル(同77.3%増)と前年比、前四半期比ともに増収となりました。またシステムは2.751億ドル(同2.21倍)となりました。いずれも、データセンター向けの光・レーザー関連製品が好調で、一部製品の値上げも寄与しました。この結果、営業利益率は今2Q9.7%から今3Q21.6%に急上昇しました。


 特に好調で今後にも期待できる製品は、ポンプレーザー(励起レーザー。レーザーを発振するために必要なエネルギーを増幅媒体に与える)、狭線幅レーザーアセンブリ(周波数や波長の揺らぎ(スペクトル線幅)を極限まで抑えた高純度の光を発する光源モジュール)、波長選択スイッチ(WSS。一本の光ファイバーに多重化された複数の波長(光信号)を波長ごとに分離し、それぞれ異なる出力ポートへ切り替え・ルーティングする)、EML(最先端レーザーの一種)、CWレーザー(連続波レーザー)、光トランシーバー(ネットワーク機器の電気信号と光信号を相互に変換する小型の送受信デバイス)、OCS(Optical Circuit Switch。光回路スイッチ。

光信号を電気信号に変換することなく、光の経路の切り替えや分岐を直接行うデバイス)などです。いずれも後述の「スケールアウト」「スケールアクロス」に関連する製品です。


 今3Qにエヌビディアから20億ドルの出資がありました。2026年3月2日付けで、エヌビディアはルメンタムと複数年にわたる戦略的契約を締結したことを発表しました。この契約は非独占的ですが、エヌビディアによる数10億ドル規模の購入契約と、先進レーザー部品の将来的な生産能力へのアクセス権が含まれています。さらに、エヌビディアはルメンタムに20億ドルを投資し、ルメンタムが新工場で米国拠点の製造能力を拡大するにあたり、研究開発、将来の生産能力、および事業運営を支援します。


 エヌビディアは同様の提携をルメンタムの同業であるコヒレントと、光・レーザー製品から特注型AI半導体にまたがる提携をマーベル・テクノロジーと締結しています。


 エヌビディアは、すでに2025年後半に出荷開始された通信機器からレーザー配線を導入しています。2026年後半に出荷開始される次世代機「Rubin」の最上位機種にはGPU間の配線にレーザー配線が導入され、2028年の「ファインマン」ではより広い範囲でレーザー接続が実現すると思われます。エヌビディアとルメンタム、コヒレント、マーベルとの提携は、銅配線、光ファイバー配線の次にくる超高速配線であるレーザー配線への動きをサポートすることになります。


表1 ルメンタム・ホールディングスの業績
決算レポート:ルメンタム・ホールディングス(光・レーザー関連製品が好調。エヌビディアの出資を受け生産能力を増強中)
株価 921.56ドル(2026年6月12日)時価総額 65,892百万ドル(2026年6月12日)発行済株数 96.2百万株(完全希薄化後、Diluted)発行済株数 71.5百万株(完全希薄化前、Basic)単位:百万ドル、%、倍出所:会社資料より楽天証券作成。注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。注3:会社予想は予想レンジの平均値。

表2 ルメンタム・ホールディングス:セグメント別売上高(四半期)
決算レポート:ルメンタム・ホールディングス(光・レーザー関連製品が好調。エヌビディアの出資を受け生産能力を増強中)
単位:100万ドル出所:会社資料より楽天証券作成

2.AIサーバー内、AIデータセンター内の配線高速化で高成長が続こう。

 会社側は今4Qを売上高9.85億ドル(前年比2.05倍)と予想しています。

引き続きレーザー関連、光関連の好調が予想されます。最近のAIデータセンターは計算リソースが満杯になると、遠隔地にあるデータセンターと連携して推論を行う傾向もあるため、高速配線が可能なレーザー関連製品の需要が盛り上がっています。


 データセンターの計算能力拡張、規模拡張は3段階あります。「スケールアップ」→「スケールアウト」→「スケールアクロス」です。「スケールアップ」は、サーバーのAI半導体、CPUの能力向上、メインメモリ、ストレージの増設、通信機器の性能向上などによってデータセンターの能力を向上させるものです。次の「スケールアウト」は、同じ性能のサーバーを複数台並列に並べて連携するものです。


 最後の「スケールアクロス」は、複数拠点を連携して処理能力を拡張するもので、ハイパースケーラー(大規模データセンター事業者。アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、オラクル等の5~6社を指す)のデータセンター能力拡張は、大規模データセンターの新規建設とともに、この「スケールアクロス」、即ち大規模データセンター間の遠隔地を含む広域連携になっています。


 ちなみに、AIエージェントは自分が属しているデータセンターの中のAIクラスタ(複数のAIサーバーを一まとめにしたもの)内で計算処理するだけでなく、他のAIクラスタとも連携します。さらに、自分がいるデータセンターの計算能力が一杯になると、遠隔地であっても他のデータセンターと連携して計算処理するようになっています。


 その結果、光・レーザー関連半導体も「スケールアウト」「スケールアクロス」に関連した分野が急速に成長しています。この分野ではより速い配線、接続を実現できるCPO(Co-Packaged Optics、光電融合)の成長が予想されます。

スケールアウト型CPOは小規模ですが生産に入っている模様です。


 このような動きを見て、楽天証券ではルメンタムの業績を、2026年6月期は売上高30億ドル(前年比82.4%増)、営業利益4.9億ドル(前期は1.8億ドルの赤字)、2027年6月期は売上高54億ドル(同80.0%増)、営業利益14億ドル(同2.86倍)、2028年6月期(参考値)は売上高82億ドル(同51.9%増)、営業利益25億ドルと予想します。


 リスクは中国です。光・レーザー関連半導体の基板にはインジウムリン(リン化インジウム)が使われていますが、インジウムの世界最大の産出国である中国は2025年2月にインジウムの輸出規制を発動しました(他の産出国は韓国、カナダ、日本)。これは輸出停止ではないものの、輸出認可取得に時間がかかるようになりました。インジウムリン・ウェハは、日本の住友電工、JX金属と米国のAXTが世界3大メーカ一ですが、AXTは中国子会社がインジウムリン・ウェハを生産しています。これに対してルメンタムはインジウムリン・ウェハの主な調達先がJX金属、住友電工と言われており、買収した会社の工場を使って米国での自社生産にも注力しています。コヒレントは主な調達先はAXTである模様ですが、米国内で大型の自社生産投資を進めています。2社ともこのようにして中国リスクを回避する方向に進んでいます。


表3 ルメンタム・ホールディングス:セグメント別売上高(通期)
決算レポート:ルメンタム・ホールディングス(光・レーザー関連製品が好調。エヌビディアの出資を受け生産能力を増強中)
単位:100万ドル出所:会社資料より楽天証券作成

3.ルメンタム・ホールディングスの目標株価を1,300ドルとする。

 ルメンタム・ホールディングスの今後6~12カ月間の目標株価を1,300ドルとします。


 ルメンタムの2027年6月期楽天証券予想1株当たり利益(EPS)11.85ドルに、2027年6月期の楽天証券営業増益率予想2.86倍より、高成長と中国リスク等のリスクを評価して、想定株価収益率(PER)110倍前後を当てはめました。


 中長期で投資妙味を感じます。


本レポートに掲載した銘柄:ルメンタム・ホールディングス(LITE、NASDAQ)


(今中 能夫)

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