家計の最大支出である「住居費」。手付かずのままにしがちですが、見直せば毎月の貯蓄に回せるお金がグンと増える可能性も! まずはできる範囲から節約する意識を持てば、将来の家計が大きく変わります。


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毎月かかる住居費は見直せば大きな差がつく

 毎月必ず発生し、家計における最大の支出である「住居費」。家賃や住宅ローン、管理費、修繕積立金といった住むところに関連する費用は、固定費(毎月かかる金額がほぼ固定のお金)の中でも大きな割合を占めます。


 住居費は、一度契約・購入した後は放置しがちですが、見直して削減できれば、毎月のキャッシュフローが改善して生活しやすくなります。また、貯蓄や投資など「ためる、増やす」方向へ振り分けるお金を増やせる可能性があります。今回は、持ち家派と賃貸派にわけて見直しのポイントを解説します。


【持ち家派】住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済が選択肢

 すでにマイホームを購入し、住宅ローンを組んでいる場合は、住宅価格そのものを減らすことはできませんから、住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済で総額の圧縮を目指すのが現実的です。


(1)住宅ローンの借り換え

 現在の住宅ローンを完済するために、より低金利な別の金融機関で新たに住宅ローンを組むこと。一般的に「金利差が0.5%以上」かつ「残りの返済期間が10年以上」ある場合、乗り換えのメリットがある可能性が高いとされます。ローンの残高が多いほど、借りるローンの金利が下がることで削減できる利息の額も大きくなります。


 ただし、借り換えにはさまざまな諸費用(新たな住宅ローンの保証料や事務手数料、印紙税など)がかかります。


 固定金利→変動金利、変動金利→固定金利など、金利タイプの変更は、それぞれのメリット・デメリットを理解する必要があります。高い固定金利から変動金利への乗り換えは、低金利時代には恩恵を受けられる可能性が高いでしょう。


 ただ、金利が上昇すると返済額も多くなります。将来金利が上昇すると考えるなら、低金利のうちに固定金利へ乗り換えて返済額が変動する心配をなくす手もあります。


(2)繰り上げ返済

 毎月の決まった返済額とは別にローンの元金を前倒しで返済し、支払総額を減らすこと。返済した元金が増えるほど将来の利息を減らせます。


 繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の二つの方法があります。


  • 期間短縮型…今後の毎月の返済額は変えず、返済期間を短縮する。繰り上げ返済の時期が早く、金利が高いほど効果的。「定年退職前に住宅ローンを完済したい」など、ライフプランに合わせて返済を終えたい場合におすすめ。
  • 返済額軽減型…返済期間は変えず、今後の毎月の返済額を減らす。期間短縮型ほどの利息を減らす効果はないが、毎月の出費を減らせるので家計に余裕が出る。

 繰り上げ返済=お得と思いがちですが、飛びつく前に注意が必要です。


 一度支払った繰り上げ返済のお金は戻りません。「貯金するより繰り上げ返済が優先!」とばかりに先走ると、突然の出費が必要になった緊急時に対応できない恐れがあります。


 また、住宅ローン控除を利用している人も要注意です。

期間短縮型の繰り上げ返済を行い、返済期間が10年以下となると、控除自体が適用外となる可能性があります。さらに、住宅ローンの残高が減れば住宅ローン控除による控除額も減るおそれもあります。金融機関によっては、繰り上げ返済のための返済手数料も発生します。


 資産運用の点からも、現在の低金利下(年1.0%以下)であれば、前倒しで返済するよりも余裕資金を資産運用に回す方が有利になるという考え方もできます。


 他にも見過ごしがちですが、住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済には入念なシミュレーションや諸々の手続きのための労力や時間がかかります。今日思い立ち、明日から即座に出費が減らせるわけではないことも心しておきましょう。


 いずれにせよ、個々のライフプランや資産状況などさまざまな要素により判断は変わってきます。ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者など、専門家のアドバイスを受けつつ判断するのがおすすめです。


 また、マンション住まいの場合、管理費や修繕積立金など毎月の費用が発生します。これらを直接節約するのは難しいですが、管理組合に参加して費用の使い道や、管理会社のサービスが適正かといった定期的なチェックを行うなどして、将来的な削減につなげることは可能です。より効率的な方法を探ることで、コストダウンをはかれるかもしれません。


【賃貸派】いかに安い物件を見つけるか?家に譲れない条件を明確に

 賃貸住宅に住んでいる場合、持ち家に比べて引っ越しのハードルが下がるため、「今よりも家賃の安い物件へ引っ越す」ことが有力な選択肢になります。すぐには無理でも、次に更新費用が発生するタイミングで、より居住コストの安い物件へ引っ越すことを念頭にリサーチしておくことをおすすめします。


 一般的には「家賃=手取り収入の3割以内」が望ましい目安とされています。物件選びの際は、収入に見合った額であるか見極めましょう。


 ここで賃料を左右する主な条件と、安い物件を見つけるポイントを確認していきましょう。


【条件1】エリア
 例えば東京都なら、23区よりも都下、23区内でも都心から離れるほど家賃相場は下がる。また、埼玉県南部や千葉県西部など都心へのアクセスのよい近隣エリアまで範囲を広げれば、さらに安い物件が見つかる可能性あり。


【条件2】利用可能な鉄道駅
 複数路線が乗り入れるターミナル駅は家賃が高め。単独路線や急行の止まらない各駅停車の駅などが狙い目。


【条件3】駅からの距離
 徒歩5分程度の物件は常に人気で、駅から10分以上歩くエリアやバス利用エリアのほうが安くなる。


【条件4】築年数
 新築や築浅に比べ、築古物件は安くなる。古くても内装をリノベーションしたきれいな掘り出し物が見つかる可能性あり。ただし、1981年以降の新耐震基準に合致した物件を選ぶほうが安心。


【条件5】広さや間取り
 広く、収納スペースが多いなどの好条件ほど家賃も高くなる。

本当にその広さが必要か、ライフスタイルや物の量の見直しを。


【条件6】物件の位置や向き
 2階以上に比べ、1階にある物件は家賃が安い。南向きは、それ以外の向きの物件よりも高くなる。ただし、特に女性は防犯面にも注意して選ぶべき。


【条件7】設備
 オートロック、エレベーター、宅配ボックス、バス・トイレ別、独立洗面台など、便利な設備の充実度と家賃は比例する。その設備が必要かどうか、冷静に判断を。


 賃料が安く、かつ納得のいく物件を選ぶためのコツは、自分にとって「譲れない条件」と「割り切れる条件」を明確にすることです。その際、「見栄」や「なんとなく」で選ぶのではなく、自分の中で根拠を持つことが大切です。


 例えば「繁華街の近くが便利と当たり前に考えていたけれど、実際はそれほど飲みにいかないので飲食店が多くなくてもよかった」「絶対南向きでなければダメだと思っていたが、在宅時間が短いのであまり関係なかった」ということもありえます。世間体や常識にとらわれず、自分の性格やライフスタイルにマッチする条件を選ぶようにしてください。


 引っ越しには初期費用(敷金、礼金、仲介手数料、引っ越し費用など)がかかるため、短いスパンで引っ越しを繰り返せば、結局は高くつくことになりかねません。物件選びは慎重に行いましょう。


 また、引っ越しまでしなくても、更新の2~3カ月前をめどに家賃の減額交渉をする手もあります。家賃が下がれば、家賃を基に計算される更新料も安くできます。


 そのエリアの平均的なスペックの部屋なのに周辺相場よりも高いなら、管理会社に減額交渉してみる余地があるかもしれません。その場合、現在の物件と近い条件の物件の家賃や、現在の物件のデメリット(設備の不備など)など交渉材料をリストアップしましょう。


 なお、交渉を成功させるには、家賃の滞納がなく部屋をきれいに使う常識的で優良な入居者であることが大前提です。あまりにしつこく、非常識な交渉は家賃減額どころか今後の居住契約にまで影響する可能性があるので、無理強いは厳禁です。


 その他にも、対象者は限られますが、勤務先に社宅制度がある人は利用できないか検討してみてもいいでしょう。企業が家賃の大部分を負担してくれるため、相場に比べて大幅に安く住むことができます。


 また、共同生活に強い人なら、ルームシェアという手もあります。家賃21万円の物件も、3人でシェアすれば一人あたりの負担は7万円になります。一人暮らしの7万円物件では得難い広い空間や充実した設備を利用できることになります。


▼全体の固定費もチェックしよう


参照: 家計の「固定費」見直しチェックシート!節約効果大な4項目から始めよう


まとめ:住居費を減らせれば家計が大きく改善!

 家計に占める住居費の割合は大きく、特に都市部に住む場合、その多さは家計を圧迫しかねません。

逆に、住居費を削減することができれば、毎月の家計に余裕が生まれ、貯蓄に回せるお金が増えます。気持ちの面でもゆとりが生まれるでしょう。


 ぜひ持ち家(マイホーム)派も賃貸派も、一度見直してみてはいかがでしょうか。


(しま)

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