先週の日経平均は、値幅が5,000円近くに達するなど荒い値動きとなりました。足元ではリバウンド期待が高まっていますが、日足チャートでの75日移動平均線の節目を超えられるかが焦点です。

また、今週は日米の主要企業決算などのイベントが相次ぐ中、AI・半導体株の買い戻し継続や日銀の追加利上げ思惑も絡み、神経質な展開が予想されます。


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日経平均「週間値幅5,000円」の不安定な相場…7万円への再トライはいつ?日経平均株価の「上値めど」と「下値めど」を探る
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日経平均は2週続けて「往って来い」の展開

 先週末7月31日(金)の日経平均株価は6万4,362円で取引を終えました。前週末の終値(6万4,611円)からは249円安と、単純な週末の終値比較では小幅な下落にとどまったものの、ここ最近の相場展開が示しているように、先週の値動きも荒っぽいものとなりました。


<図1>日経平均の5分足チャート(2026年7月27日~7月31日)
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出所:MARKETSPEEDII

 図1は先週1週間の値動きを5分足チャートで捉えたものになります。週初の27日(月)は横ばいで推移したものの、翌28日(火)と続く29日(水)は売りが優勢となり、6万0,448円まで下げる場面がありました。


 その後は、週末にかけて大きく買い戻される動きとなり、週末31日(金)の取引では一時6万5,000円台を回復するなど、週間の値幅(高値と安値の差)は4,916円と5,000円近くの大きさとなりました。


 全体としては、「大幅な下落を取り戻す」展開で、週末に見せた株価の反発基調を今週も継続できるかが焦点になります。しかし、前週が「大幅な上昇を打ち消す」展開だったため、ここ2週間の日経平均は株価が上下に振れながらも方向感は出ず、まだ迷いが感じられる状況である点に注意しておく必要があります。


週足チャートから感じられる「迷い」

 こうした状況は、週足チャートでも確認できます。


<図2>日経平均(週足)とMACDの動き(2026年7月31日時点)
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 図2は日経平均の週足チャートですが、3本の移動平均線が揃って上向きかつ「パーフェクト・オーダー」を維持しているなど、基本的には上昇基調を保っています。


 その一方で、ここ2週間のローソク足は「実体(四角い箱の部分)」が短く、上下に伸びた「ヒゲ」が長いものが続いていることや、2本のローソク足がともに13週移動平均線を下回っている様子が確認できます。


 また、ヒゲの部分に注目すると、上ヒゲの長い2週間前のローソク足は3週間前の高値(7月17日週の6万9,078円)に届いておらず、先週の下ヒゲの長いローソク足についても、26週移動平均線にタッチするところまで下落していたことが読み取れます。


 一般的に、ヒゲの長さは「揺らいだ気持ち」、実体の長さは「相場の強さ」を示すとされているため、週足チャートから見た今後のポイントは、「ローソク足の実体が、揺らいだ気持ちのどちらに傾いていくのか?」を見極めていくことになりそうです。


 このまま反発基調が続くのであれば、13週移動平均線や、3週間前の高値を目指していくことになり、反対に、再び下落していくのであれば26週移動平均線を目指していくことになります。


「リバウンドの強さの目安」を超えられるかが最大の焦点

 先週末にかけての株式市場が明るいムードで終えたこともあって、目先は株価の反発基調(リバウンド)の強さを探る展開を見込む声が多くなっています。


 では、このまま反発基調を続けていく展開となった場合に、意識しておきたい目安について確認していきます。


<図3>日経平均(日足)とMACDの動き(2026年7月31日時点)
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出所:MARKETSPEEDII

 図3は日経平均の日足チャートです。先週末31日(金)の株価は75日移動平均線超えをトライするところに位置しており、いわば、本格的な株価反発に向けたスタート地点に立ったところと言えそうです。


 そのため、反発基調を強めていくには、この75日移動平均線超えや、相場の調整局面入りの目安とされる6月22日の高値から10%安の株価水準(6万5,547円)、そして、その上に控えている25日移動平均線や、図に描かれている「下値ライン」を超えられるかが目安となりそうです。


 これらの目安を超えられれば、上昇基調がより強まっていくことになりますが、超えられなければ、いわゆる「リターンムーブ」の格好となり、先ほどの図2の週足チャートで見てきた、下方向への揺らいだ気持ちに傾く可能性が出てきます。


今週のイベントと上値トライのハードル

 そんな中で迎える今週は8月相場入りとなりますが、引き続き国内外でイベントの多い週になります。


 とりわけ、米国では月初恒例の米雇用統計が週末7日(金)に控える中、その前哨戦となるADP雇用統計や7月分のISM景況感指数(製造業および非製造業)などの経済指標が注目され、景況感を背景とした金融政策への思惑が働きそうです。


 さらに、日米企業の決算ラッシュも継続します。国内企業では、ソフトバンクグループ(9984)や任天堂、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三菱商事(8058)、花王(4452)など主力企業の決算が相次ぐほか、米国でもパランティア・テクノロジーズ(PLTR)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、キャタピラー(CAT)、ウォルト・ディズニー(DIS)などの決算が予定されています。


 今週の株式市場は、これらのイベントの動向をにらみながら動いていくことになりますが、米経済指標の結果による利上げ観測の後退や、企業の好決算などのポジティブな材料が重なれば、株価の戻り基調が強まることも期待できます。


 とりわけ、決算をめぐるムードの改善が支援材料になりそうです。先週は、韓国サムスン電子やアドバンテスト(6857)、米マイクロソフト(MSFT)の決算が好感され、直近で大きく売り込まれてきたAI・半導体関連株の見直しにつながり、30日(木)の米国市場では、半導体銘柄で構成されるSOX指数が8%超の急伸。


 31日(金)の取引では、キオクシアホールディングス(285A)や村田製作所(6981)などが大引けでストップ高比例配分となるなど、これまで好決算にも関わらず売られることの多かったAI・半導体関連銘柄に対する風向きが変わったような印象となっています。


 しかし、先週末にかけてのムードの変化は、AI・半導体関連銘柄への再評価というよりも、最近までの株価急落によって割高感が薄れ、値ごろ感による買いを入れやすかったことが大きいです。また、短期的なショート(空売り)の買い戻しや押し目買いが加速したことも、株価反発の要因と思われます。


 さらに、先週に出揃った米ハイパースケーラーの決算でも、これまで旺盛なAI需要の反映として買い材料になってきたAI投資の拡大が、直近の決算では財務負担と収益性への懸念で売り材料になるなど、「同じ材料でも市場の受け止め方が異なる」状況になっています。


 そのため、直近の高値を超えて上値をトライしていくハードルは意外と高く、ある程度株価が戻したところで上昇が鈍くなっていく展開には注意しておく必要がありそうです。


 このほか、楽観と不安が繰り返されている中東情勢の動向にも注視する必要があり、神経質な相場展開はしばらく続くことになりそうです。


TOPIXの堅調さが相場を支える

 これまで見てきた日経平均の動きだけで相場を捉えると、荒い値動きがまだ続きそうですが、東証株価指数(TOPIX)を通じて国内株市場を全体的にみれば、実は底堅く推移しています。


<図4>TOPIX(週足)とMACDの動き(2026年7月31日時点)
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出所:MARKETSPEEDII

 図4はTOPIXの週足チャートですが、4,000pおよび13週移動平均線の攻防が2カ月近く続いていることがわかります。


 上昇の勢いは鈍化していますが、これまでの急ピッチな株価上昇に対する時間調整を順調にこなしているようにも見え、足元の株価のもみ合いは「中段保ち合い」を形成している可能性があります。


 特に、国内ではTOPIXへの寄与度が高い、時価総額の大きい主力企業の決算発表が相次ぐタイミングのため、落ち着かない値動きの日経平均に対して、TOPIXへの注目度が高まることも想定されます。


 とはいえ、これまでのレポートでも何度か紹介しましたが、金利の上昇もしくは高止まりが株価の上値を抑えやすい状況であることも忘れてはいけない要素です。


 先週は日銀の金融政策決定会合が開催され、市場の想定通りに政策金利の据え置きが決定しましたが、同時に公表された展望レポートでは、景気見通しが「下振れ」から「中立」に引き上げられて、物価の「上振れリスクが大きい」ことが記載され、「思ったよりもタカ派」という見方も多くなっています。


 そのため、9月の追加利上げへの思惑が高まっていることの影響も考慮しながら相場に臨む必要もありそうです。


(土信田 雅之)

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