これから1カ月間は決算発表が集中する局面となるでしょう。今後はセクターローテーションからセクター内でのリバランスに物色はシフトしていきそうです。

個別物色が強まる状況下では、相対的な配当利回りの高さなども選別の対象になり得ると考えられ、9月末を控える中、好決算発表の高配当利回り銘柄には関心を高めたいところです。


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アナリスト評価◎の割安高配当株TOP15

コード 銘柄名 現在値 配当
利回り コンセンサス
レーティング 移動平均線
乖離率 月間
騰落率 7278 エクセディ 5860.0 5.97 3.5 ▲1.46 ▲0.17 2815 アリアケジャパン 5210.0 5.76 3.7 ▲0.81 3.78 3002 グンゼ 3935.0 5.49 3.5 4.12 3.28 4028 石原産業 2781.0 4.93 4.0 ▲6.70 ▲9.12 6436 アマノ 3788.0 4.80 4.0 3.75 5.90 3231 野村不動産ホールディングス 945.9 4.78 3.7 0.02 2.04 5857 AREホールディングス 2935.0 4.74 4.0 ▲11.97 ▲8.42 2181 パーソルホールディングス 266.1 4.73 3.5 9.27 11.81 7267 ホンダ(本田技研工業) 1535.5 4.71 3.5 8.43 8.67 8252 丸井グループ 2964.0 4.62 3.9 2.98 6.68 5021 コスモエネルギーホールディングス 3776.0 4.50 3.5 ▲0.61 0.03 2127 日本M&Aセンターホールディングス 672.2 4.41 3.5 3.46 4.36 1885 東亜建設工業 1985.0 4.41 4.0 ▲15.32 ▲10.46 2124 ジェイ エイ シー リクルートメント 923.0 4.41 4.5 7.44 8.46 8016 オンワードホールディングス 743.0 4.40 4.3 0.87 2.20 ※データは2026年7月17日時点。単位は配当利回りと月間騰落率、移動平均線乖離率は%。配当利回りは予想、移動平均線乖離率の基準は13週移動平均線。▲はマイナス

※コンセンサスレーティング…アナリストによる5段階投資判断(5:強気、4:やや強気、3:中立、2:やや弱気、1:弱気)の平均スコア。数字が大きいほどアナリストの評価が高い。


※移動平均線乖離(かいり)率…株価が移動平均線(一定期間の終値の平均値を結んだグラフ)からどれだけ離れているかを表した指標。この数値がマイナスならば、移動平均線よりも現在の株価が安いということになる。


 表は、長期投資に適した銘柄の高配当利回りランキングと位置付けられます。


 7月17日時点での高配当利回り銘柄において、一定の規模(時価総額1,000億円以上)、ファンダメンタルズ(コンセンサスレーティング3.5以上)、テクニカル(13週移動平均線からの乖離率20%以下)などを楽天証券の「スーパースクリーナー」を使ってスクリーニングしたものとなっています。配当利回りはアナリストコンセンサスを用いています。


 なお、上場市場は各社ともにプライム市場となっています。


AI・半導体関連が主導する形で日経平均は大幅に反落

 6月19日終値~7月17日終値までの日経平均株価(225種)は10.0%の大幅下落となりました。


 6月22日の高値7万2,831円をピークに日経平均株価は下落トレンドが続き、7月17日には前週末の終値から4,416円安となるなど、下放れる展開となってきています。

韓国半導体関連株の下落をきっかけに人工知能(AI)・半導体関連株に対する過熱警戒感が強まり、同関連銘柄には全般、利益確定の動きが進みました。


 期間中後半にかけては、イランがホルムズ海峡で商船にミサイル攻撃を行い、米国もイランに報復攻撃を実施。中東情勢への警戒感が再燃したことも上値を抑える要因につながったとみられます。


 また、韓国サムスン電子(暫定決算)、台湾TSMCがそれぞれ市場予想を上回る決算を発表しながらも株価は下落。これにより、AI・半導体関連株の買われ過ぎ感があらためて認識される形にもなりました。なお、非AI関連株への資金シフトは進みましたが、指数を下支えする効果は限られました。


 こうした中、ランキングTOP15は買いが優勢で、11銘柄が上昇し、下落は4銘柄にとどまりました。ここまで上昇が続いたAI・半導体関連銘柄の株価下落が日経平均を押し下げた形であり、出遅れ感が強まっていた高配当利回りなどには資金シフトの動きが強まったものと考えられます。


 上昇が目立った銘柄としてはパーソルホールディングス(2181)、ホンダ(本田技研工業:7267)、ジェイ エイ シー リクルートメント(2124)が挙げられます。


 パーソルHDやジェイ エイ シー リクルートメントは、AIとの競争懸念によって株価停滞が続いていた情報サービスセクターに見直しの流れが向かったことで、高利回りの人材サービス銘柄として関心が高まったものとみられます。ホンダは円安の進行もあって、自動車株見直しの動きに乗りました。


 一方、東亜建設工業(1885)、石原産業(4028)、AREホールディングス(5857)の下げが目立ちました。

東亜建設工業はレアアース関連としてにぎわった反動が続いており、高水準の信用買い残の整理売りに押されています。石原産業はAI関連の一角としてにぎわった経緯もあり、関連株安に押される形になったとみられます。AREHDは金価格の下落が売り材料視されました。


AI関連の株価下落で石原産業がランクインへ

 今回、新規にランクインしたのは、石原産業、AREHD、ホンダ、東亜建設工業、オンワードホールディングス(8016)の5銘柄。除外となったのは、愛三工業(7283)、オカムラ(7994)、ワールド(3612)、オープンアップグループ(2154)、船井総研ホールディングス(9757)の5銘柄でした。


 新規にランクインした石原産業、AREHD、東亜建設工業は、株価が大幅下落したことで相対的に利回り水準が上位となっています。石原産業は前月の株価上昇でランキングから除外されたばかりでした。オンワードHDも前月はわずかにランキング外となっていた中、相対的に株価上昇が限定的でランクインした形です。ホンダはコンセンサスレーティングが基準に達しました。


 一方、除外となったワールド、オープンアップグループ、船井総研HDは株価上昇で相対的に利回り水準が低下しました。オカムラは国内証券が投資判断を格下げしたことでコンセンサスレーティングが基準未達となっています。愛三工業はこれまでアナリストの配当利回り予想が高過ぎていたため、それが修正されコンセンサス配当利回りが低下しました。


 アナリストコンセンサスと会社計画の配当予想で乖離が大きい(0.2ポイント以上の開き)銘柄は、石原産業、東亜建設工業、ジェイ エイ シー リクルートメントなどとなります。


 会社計画ベースの配当利回りは、石原産業が4.67%、東亜建設工業が3.88%、ジェイ エイ シー リクルートメントが4.12%となっています。それぞれ、コンセンサス水準が会社計画を上回る状況になっています。


 ジェイ エイ シー リクルートメントは第1四半期好決算からも、コンセンサス水準に近づく可能性があるでしょう。東亜建設工業も受注残高の水準からみて業績予想がやや慎重な印象があり、配当性向40%以上に合わせ、コンセンサス並みの水準に近づく可能性は高いです。


 一方、石原産業は配当性向目標40%以上に対して2027年3月期は55%水準の配当を計画しており、会社計画比で配当金の上振れ余地は限定的とみられます。


決算発表本格化で今後は個別物色の様相強まる

 中東情勢の早期改善期待は後退しつつあり、当面は一進一退の動きが続く見通しです。また、AI・半導体関連の過熱修正の動きも、上昇をけん引したキオクシアホールディングス(285A)や太陽誘電(6976)の株価が高値から半値となり、徐々に沈静化していくことが想定されます。


 こうした中、これから1カ月間は企業の決算発表が集中するタイミングとなりますので、今後はセクターローテーションからセクター内でのリバランスの動きにシフトしていきそうです。


 セクター内での個別物色が強まる状況下では、決算内容はもちろん、相対的な配当利回りの高さなども選別の対象になり得ると考えられます。9月の中間期末を控えた配当権利取りによる上昇妙味も高まるため、8月は高配当利回り銘柄の投資タイミングと捉えられます。好決算を発表した高配当利回り銘柄への関心を高めたいところです。


(佐藤 勝己)

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