株価が大きく上昇した後急落したキオクシアホールディングス(285A)。この株価の動きから、個人投資家が損失を避け、大きな失敗をしないために何が必要か、学ぶことができます。


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個人投資家が将来性を語る危険

  • キオクシアホールディングス(285A)が10万円になるまでは特に買おうと思っていなかったが、10万円になったのを見て、これはとてつもなく将来性が高い会社だと思って買った
  • その後株価が4万円に下がったが、将来性が高いことには変わりないので長期的に保有しようと思っている

 もちろん、株式投資のスタンスは人それぞれですし、応援したい会社の株を長期保有することは素晴らしいことですから否定はしません。株価が10万円になってから買ったことも、それはそれでありだと思います。


 ただ、「株式投資で大きな失敗をしないこと」という観点から言えば、個人投資家が将来性を語って投資判断(バイ・アンド・ホールド)をすることはリスクがかなり高い点をよく理解した上で行うようにしてください。


 株価は常に将来を見据えて動きます。そして将来の業績を株価に織り込み終えた時点で株価は天井をつけます。


 その後は実際に業績が伸びていようが、すでに株価はそれを織り込んでいるわけですから株価は逆に下がってしまうこともあります。


 そして、業績が期待ほど伸びなくなったときは、大きく株価が下がってしまいます。


「将来性がある」「業績が今後も好調」ということと、株価がこれからも上昇を続けることは決してイコールではありません。初心者・初級者の個人投資家はこの点を勘違いしてしまいやすいので注意してくださいね。


株価のトレンドについていくことの重要性

 キオクシアHDをせっかく安いところで買っていたのに上昇途中で売ってしまった…という声もよく聞きます。


 短期間で株価が大きく上昇しましたから、十分利益が出たと思いますが、それでも自身が売却した後、さらに株価がどんどん上がっていくのを見るのは悔しいものです。


 株価が上昇を続ける限り保有を続け、利益を伸ばす方法はないのでしょうか?


 キオクシアHDの株価、日足チャートを見ると、教科書に載せたいような実にきれいな株価のトレンドを描いています。


 例えば4月初めに25日移動平均線超えで買い、7月初めに25日移動平均線割れで売却したら、およそ買値の4倍まで上昇し、大きな利益を得ることができました。


 また、7月初めに25日移動平均線割れで売却することにより、その後の株価の大きな下落を回避することができました。


 これは難しいテクニックは必要なく、筆者が常日頃から行っている「25日移動平均線超えで買い、25日移動平均線割れで売却」というルール通りに動けば可能でした。


キオクシアHD株の日足チャート
この夏、キオクシア急落で個人投資家が学んだこと…自分は暴落パニックをどう回避するのか
マーケットスピードIIより作成。2026年3月2日~2026年8月3日まで。オレンジ色のラインは25日移動平均線

 株価は時にバブルになりますし、実態以上に売り込まれることもあります。こんなとき「そろそろ天井だろう」とか「そろそろ底値だろう」と自分軸で考えるのではなく、株価のトレンドについていくことにより、利益を大きく伸ばす可能性が高まりますし、損失を最小限に抑える一助となります。


株価が大きく下がっても保有を続ける覚悟が自分にはあるか?

 例えば10万円でキオクシアHD株を買って、その後株価が大きく下がったとき、個人投資家が持ち株をどうするかの行動は大きく三つに分かれます。


(1)損失が拡大する前に損切りする
(2)我慢して保有を続ける(塩漬けのリスク)
(3)ある程度の下落は耐えるが、下落が大きくなると怖くなって投げ売りしてしまう(大きな損失の発生)


 筆者は(1)の方法を実行しますし、それが最も良いという考えなのですが、(2)のバイ・アンド・ホールドを塩漬けのリスク覚悟で実行する人もいるでしょう。


 しかし(3)は極めて中途半端な行動ですし、最も失敗の可能性が高いといえます。(2)で保有継続すれば株価が戻る可能性もありますが、投げ売りしてしまうのでそれもかなわないからです。


 もし(3)の行動をしてしまうなら、よっぽど(1)の方法でルールを決め、損失が小さいうちに売却してしまった方がよいと思います。


 株価が大きく下がっても保有を続ける覚悟がないなら、損切りのルール設定と実行が自身の財産を守るためには必要です。


信用取引で損切りをしないことのリスク

 キオクシアHD株が大きく下落する過程で、信用取引でキオクシアHD株を買っていた個人投資家の投げ売りも多く出ていたようです。


 例えば信用取引の証拠金として300万円を差し入れ、キオクシアHD株を株価10万円のときに100株(1,000万円)購入したとしましょう。


 信用取引で含み損が生じると、その分証拠金が減少します。キオクシアHD株が30%下落して7万円になると、証拠金が全て消滅し、証券会社により強制決済されることになってしまいます。

証券会社の強制決済を逃れるために慌てて投げ売りするケースもあるでしょう。


 このように、信用取引で株を買い、その株が大きく下がった場合は強制的に投げ売りさせられ、大きな損失が生じてしまいます。現物取引のように、「株価が下がったら我慢して持ち続けよう」(筆者はこの考え方にも反対ですが)ということができないため、株価の急落局面では大きな痛手です。


 信用取引で株を買うなら、損切りのルールをしっかり決めて、損失が大きくならないうちに損切りを実行するようにしましょう。


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(足立 武志)

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