夏休みシーズンの旅行は、宿泊費や交通費がかさみがちです。そこで活用したいのが、意外と知られていない「保養所」や「公共の宿」です。

企業や自治体が運営する保養施設や、公共の宿などを活用すれば、一般のホテルよりお得に泊まれる可能性があります。それぞれの特徴や利用のコツなどを紹介します。


〈家族4人・1泊2食付き〉が2万円台から!?…夏休みの"家計...の画像はこちら >>

旅行費用節約の穴場!自治体や企業の「保養所」を活用しよう

 家族旅行の宿泊費を抑えようと思ったら、まず調べたいのが自治体や企業関係者が使える「保養所」です。条件によっては一般的な宿泊施設より費用を抑えられる可能性があり、旅行費の節約に大きく役立ちます。しかし、その自治体に住んでいる人や企業に勤めている人でも、その存在や利用できることを知らない人は少なくありません。


 こうした保養所の一番の魅力は、なんといっても宿泊費用を抑えられることです。施設や利用時期によりますが、家族4人(大人2人・子ども2人)で1泊2食付き2万円台から利用できる施設もあり、民間の施設に比べて数千円、場合によっては数万円も安く宿泊することができます。


 例えば夏休みなど繁忙期の人気観光地では、家族4人で泊まれば合計15万円以上に上ることも珍しくありません。保養施設でも繁忙期は宿泊料金が高く設定される場合がありますが、概して民間施設よりはリーズナブルに泊まれる可能性が高いです。


「保養所」というとシンプルなたたずまいを想像しがちですが、家族で利用しやすい広い和室や温泉、地の食材を生かした料理など、一般的な温泉旅館とそん色ない施設が多く存在します。


 かつては「安いが古い」というイメージを持たれることもありましたが、近年では建て替えにより近代的に生まれ変わった施設もあり、過去のイメージだけで敬遠するのはもったいないと言えるでしょう。


まずは「勤務先の福利厚生」や「保健事業」をチェック

 自治体・企業の保養所を利用する上でまず押さえるべきポイントは、「自分から情報収集する必要がある」ということです。民間の施設のような大々的な広告や旅行サイトへのプラン掲載を行っていない施設も多く、利用者自身が積極的に探す必要があります。


 まずは、自分や家族の勤務先の福利厚生制度の中に保養所がないかを探しましょう。

企業の従業員や関係者のみが使える保養所は、福利厚生制度の一部として提供されています。こうした福利厚生での保養所は企業内の利用者に限られるため、施設によっては自治体の保養施設より予約しやすい場合があります。


 また、勤務先の福利厚生制度に保養所そのものはなくても提携ホテルやリゾート施設の割引、宿泊の補助金など、違う形で旅行費をサポートしてくれる制度があるかもしれません。勤務先で加入している健康保険組合にも同様の保養施設や宿泊補助制度がないか、あわせて確認しましょう。


 共働きの場合、夫婦それぞれの勤務先の福利厚生制度や健康保険組合の保健事業について、社内サイトや福利厚生ガイド、健康保険組合からの案内などでチェックしてみてください。


 その際、よく確認したいのが「利用できる人の範囲」です。「社員本人だけが使える」と思いがちですが、多くは配偶者や子どもなど扶養家族も対象となりますし、追加料金で友人・知人も使える企業もあります。このような利用範囲が広い制度が利用できれば、祖父母との三世代旅行や友人家族との旅行なども格安で楽しめますよ。


自治体の保養施設や「公共の宿」も狙い目

 市区町村など特定の自治体が、住民や在勤者向けにサービスの一環として設置している保養施設もあります。探し方としては、一般的な旅行サイトでは見つけにくいので、自治体の公式サイトで「居住地」+「保養所」で検索するのがおすすめです。


 その際、「保養所」だけで検索結果が出なかったとしても、「保養施設、契約施設、宿泊補助、リフレッシュ補助」など関連するキーワードでできるだけ多く探すようにすると、取りこぼしを防ぎやすいでしょう。


 自治体の保養施設であるだけに、「その市区町村に住んでいる人だけが利用対象」と思い込む人も少なくありません。ですが、自治体によっては「市区町村の住民や家族」に加え、「在勤者(その市区町村で働く人)やその家族」なども含まれる場合があります。


「一家でA区在住、夫はA区勤務、妻はB市勤務」の場合、A区とB市両方の自治体で調べるようにすると、利用できる施設が見つかる可能性があります。


 住んでいる自治体に保養所がなかったり、行きたい旅行先に対象施設がなかったりしても、諦める必要はありません。次にチェックしたいのが「公共の宿」です。


 公共の宿とは、自治体や公益法人などが関わって運営され、一般利用できる宿泊施設を指します。代表的なものとしては、「国民宿舎」「休暇村」「青少年自然の家・少年自然の家」があります。これらはメジャーな観光地から自然豊かなエリアまで全国各地にあるので、旅行したい場所から計画を立てる場合は宿泊先の候補として検討する価値があります。


 もともと国民宿舎は、国立公園や国定公園など自然環境に恵まれた場所にあり、原則的に誰でも低価格で利用できる宿泊施設を目指して整備されたものです。そのため、海水浴やハイキングなど自然と親しむレジャーとも相性がいいです。


 また、休暇村は「自然とのふれあい」を前面に打ち出しており、子ども向けの体験プログラムやイベントが多く企画されています。いずれも子ども連れの家族旅行では大きな魅力の一つとなるでしょう。


独自の条件やルールを確認した上で利用しよう

 最後に、保養施設や公共の宿を利用する上で注意したい点をまとめて説明します。


事前に利用対象者や食事などの条件を確認しておく

 民間の施設とは違い、企業や自治体の保養所は利用可能な対象者の範囲が限定されているため、事前に条件をしっかり確認しておきましょう。特に別居の親族や友人などは利用できなかったり、割増価格になったりする可能性があるため注意が必要です。公共の宿では食事がない素泊まりプランのみだったり、子ども向けの食事メニューがなかったりする場合もあります。


予約は「早め・多め」にする

 一般的な宿泊施設より料金が安いことが多いため、夏休みや正月などの繁忙期は人気が集中します。また、保養所は抽選制であったり、宿泊希望日の数カ月前に先着順での予約がスタートしたりといった独自の予約方法があります。


「予約開始日を忘れない」「予定が決まり次第、空室状況を検索する」「比較的予約の取りやすい平日で計画する」「第1希望が取れなかったときの代替プランを複数用意する」といった「早め・多め」の事前準備を忘れないようにしましょう。また、特に子ども連れの場合は万が一に備えてキャンセル規定も確認しておきましょう。


「常に最安」とは限らない

 保養施設や公共の宿だからといって、年間を通じて「全て最安・同一料金」とは限りません。夏休みなどの繁忙期は割増価格になることがあります。また、旅行は宿泊費以外にも食事代や交通費、アクティビティにかかるお金などさまざまな費用がかかります。宿泊費だけを見て判断するのではなく、旅行全体の費用で判断するようにしましょう。


まとめ:しっかりリサーチすれば旅行費節約の選択肢が増える

 旅行費を節約したいときは、旅行予約サイトの割引プランやクーポンを探すだけでなく、意外と知られていないお得な保養施設や公共の宿を活用することが大切です。勤務先の福利厚生サービスや加入している健康保険組合の保健事業、自治体の保養施設などは、条件を満たせば宿泊費を大きく抑えられる可能性があります。


 また、誰でも利用しやすい選択肢として、国民宿舎や休暇村などの公共の宿も候補になりえます。


 ただし、大々的に広報されていない分、自分で情報を集める工夫が必要です。利用対象者や予約方法、キャンセル規定などは施設ごとに異なるため、事前の確認を念入りに行う必要もあります。


「安いから」で即決するのではなく、わが家の家族構成や旅行内容に合うかをチェックしてください。

その上で、旅行費を少しでも節約する選択肢の一つとしてこれらの情報を活用してみてくださいね。


(しま)

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