親御さまなどが亡くなり、財産を調べていくと証券会社で保管している株式や投資信託、債券などが見つかることも多いと思います。こんなとき、まず何から着手し、どう手続きすればよいのでしょうか?


親の株や投資信託、どう引き継ぐ?悲しみが癒えたら最初にやるこ...の画像はこちら >>

まずは証券会社のホームページから相続専用窓口へ連絡しよう

 親御さまなどが亡くなった場合、その方が持っていた財産は原則として相続人が引き継ぐ形となります。


 しかし、それは自動的になされるわけではなく、名義変更の手続きが必要となります。


 もし亡くなった方が証券会社の口座内で保管していた株式、投資信託、債券などがあった場合、まずは何から手をつけていいのか、どんな作業が必要なのか、まったく分からないという方も多いと思います。


 相続というイベントは一生のうちそう何度も起こりませんから、何をすればよいのか、と困ってしまうこともあるでしょう。


 証券会社に預けている株式などだけではなく、預貯金や不動産などの名義変更の手続きは相続人ご自身ですることももちろんできますし、費用は発生しますが、専門家に依頼すれば手間を省いてスムーズに手続きすることができます。


 証券会社で保管されている亡くなった方名義の株式などがある場合、手続きをご自身でするのであれば、まず各証券会社のホームページなどから、相続専用窓口へ連絡してみましょう。そこで必要書類の手配をすることができます。


>>参考: 楽天証券の場合


亡くなった方の財産をどのように分けるかを相続人間で決めなければ手続きはできない

 必要書類はいくつかありますが、ざっくり言えば以下の2種類が挙げられます。


[1]相続人の身元が分かるもの、本人証明ができるもの
 法定相続情報一覧図や、戸籍謄本により、相続人の確定が必要となります。


[2]相続人間で、遺産をどのように分けるか定めたことが分かるもの
 遺産分割協議書があればそちらを提出しますが、ない場合でも相続手続依頼書に相続人全員が署名・実印を押印した上で、誰がどの銘柄を何株相続するかを特定すれば手続きは可能です。


 誰かの死亡により相続が発生した場合、原則として財産を相続する権利があるのは相続人です。その権利を持っているのは誰かを示すために[1]の資料が必要となるのです。


 また、相続人間の合意があれば、相続財産をどのように分けても自由です。従って、どのように分けたかが分かる資料として、[2]の遺産分割協議書や証券会社所定の書類を提出し、証券会社に伝える必要があるのです。


遺言書がある場合は基本的にはそれに従う

 なお、遺言書がある場合には、基本的には相続財産の分け方も、遺言書の内容に従う必要があります。


 遺言書中で遺言執行者として専門家が指定されている場合は、その人が名義変更の手続きなどを行ってくれるはずです。


 遺言書中に遺言執行者が記されていない場合は、相続人ご自身で名義変更の手続きをする必要があります。その際に遺言書を提出することになります。


 もし、相続人など関係者全員が同意して、遺言書の記載内容と異なる内容で遺産分割をしたいというのであれば、別途遺産分割協議書を作成してその内容にのっとって遺産分割・名義変更の手続きができます。


 ただし、遺言執行者がいる場合や、遺言書内に相続人以外の人への遺贈の記載がある場合は別途遺産分割協議を行うことができない可能性もあります。詳しくは、税理士や司法書士、弁護士、行政書士などの専門家へお尋ねください。


亡くなった人の名義のままでは売ることはできない

 例えば銀行預金であれば、必要な書類を銀行に届け出ることで、その預金を払い出したり、相続人の口座に移管したりすれば、相続人が自由に使えるようになります。


 しかし、証券会社で保管されている亡くなった人名義の株式などを売却したり、相続人自身の保有にしたりする場合には、原則として「名義変更」の手続きが必要となります。


 これを行わず、亡くなった人の名義のままで株式などを売却することはできないのです。


 名義変更は、原則「同じ証券会社間の口座」でないとすることができません。ですから、亡くなった人が楽天証券の口座内で株式などを保有していた場合は、相続人も楽天証券で口座を開設し、その口座に移管する必要があります。それが完了して初めて自由に売却することができます。


 株式や投資信託といったものは、時の経過とともに価格が大きく動く可能性があります。

価格変動のリスクをできる限り抑え、速やかに相続手続きをするためのポイントについては、別の機会にお話ししたいと思います。


(足立 武志)

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